第18話 ロッテンマイヤーさん料理する

「アンさぁーん、お料理はでましたの?

あたくし、監督を命じられましたの。

しっかりと見させていただきます!」

ロッテンマイヤー


「ロッテンマイヤーさん、ここでは

貴方も私も一宿一飯の恩義を受けている身なんですよ。監督してる場合では無いはずです。

さあ、手伝って下さい。大人なんですから。」

アンはそう言うと、ナイフとジャガイモをロッテンマイヤーさんに渡しました。


「あの、アンさん、あたくしにジャガイモをどうしろと、、。」ロッテンマイヤー


「ジャガイモの芽は毒ですからとって皮を剥いて下さいね。ロッテンマイヤーさんくらいの才媛な方ならお分かりでしょう?」アン


「、、、。ええ!できますとも。何事もやれば出来ますもの!!」ロッテンマイヤーはジャガイモの皮を剥いたことはありませんが、

高く聳え立つプライドが言わせてしまいました。


アンはシチューを作るつもりでした。

塩漬けのお肉は水で塩を抜いて、ヤギのミルクたっぷりの。

小麦粉とバターでシチューの素を作っていました。

「ここを丁寧に練らないとね、マリラ。

美味しいシチューはできないわ。」

アンは真剣でした。


「いい出来栄えだと思うわ。ふー。

さて、お肉も塩が抜けたみたい。

あとは野菜だわ。ジャガイモしかないけど

それでも新鮮なミルクがあるから、きっと

美味しいわ。ね、ロッテンマイヤーさん?」

アンは振り返りました。


「ロッテンマイヤーさん、ジャガイモはどこですか?」アン


「これですわ。ジャガイモの皮と言うものは

分厚いのですねぇ。びっくりしましたわ。」

ロッテンマイヤー


いや、違う、、、。

あんなに大きなジャガイモ。

小石くらいになってる。


「ロッテンマイヤーさん、ジャガイモの皮はこうするんですのよ。」

アンはスルスルと皮をむき、芽の部分をほじりました。

それをロッテンマイヤーさんに見せました。


「まあ!!あたくしったら、、、。

ごめんなさい、あたくし役立たずですわね。

クスン、、。」ロッテンマイヤー


ロッテンマイヤーさんは泣いてしまいました。

そこへハイジが入ってきました。

「ロッテンマイヤーさーん!どうしたの?」

ハイジ


「ハイジ、これを見て。ジャガイモが小石になちゃったわ。ロッテンマイヤーさんの手にかかると何でも小さくなるのかしら?」

アンは嫌味たっぷりに言いました。


「だめよ、アン。そんな事いったら。

誰だって失敗するんだもん。

アンだって、ダイアナに葡萄酒飲ませたでしょう?」ハイジ


「アーデルハイド、貴方はあたくしを庇ってくれるのね。

あたくし、貴方のやる事なす事叱ってばかりでしたのに、、。くすん。」ロッテンマイヤー


「大丈夫よ、ロッテンマイヤーさん。だって

ロッテンマイヤーさん、頭がおかしくなってるでしょう?

仕方がないもの。

アン!ロッテンマイヤーさんは頭がお、か、し、い、の!だから優しくしてね!」

ハイジ


おじいさんは、木の扉に隠れて見ていました。

なんてこった、ハイジ、お前は天然すぎる。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る