第16話 ハンカチは使い道がいろいろ
「どーすんだよぅ。
ヤギを山に連れてかなきゃー。
ハイジ、アン行くよな?」ペーター
「だめよ、ロッテンマイヤーさんが
倒れちゃったんだもの。放ってはいけないわ。」ハイジ
「ハイジ、ここは私に任せて。ハイジはペーターさんと山に行ってらっしゃい。
ここからが正念場よ。だからね、ハイジはいない方がいいわ。」アン
ペーターはあー、良かったと思いました。
アンも一緒に山を登ると、いちいち、咲いてる花や空や雲や風にヘンテコな名前をつけたりしてちーとも歩いてくれないので、ウンザリしていたからです。
「ハイジ、そうしようよ、な。
アンは僕たちより年上なんだしさ。病人の看病した事が何回もあるって毎日言ってるだろ?
大丈夫だよ。そのうち、オンジも帰ってくるに決まってる。」ペーター
「うん、、。そうね、アンはしっかりしてるもの。ロッテンマイヤーさんも、そうそう何回も死んだりしないわよね。」ハイジ
「あ、うん、、。たぶん、、。」ペーター
さすがに勉強嫌いのペーターですが、人が死んだり生き返ったり、勝手に出来るわけないことくらいはわかっていました。
ハイジとペーターとヤギは出掛けて行きました。
「あーはっはっはっはっはーーっ。
私は魔女、黒魔術を自由自在につかいこなせる
のだよ。さあ、ロッテンマイヤー女子、お前をどうしてやろうかぁ?」アン
アンはロッテンマイヤーさんのトランクから
服を引きずり出しました。
「なんてことなの!黒か灰色ばかり。
おお、世の中には美しい色が百万とあると言うのに。お気の毒ね。
そうだわ!マリラが送ってくれたテーブルクロスのあの綺麗な刺繍入りの布を使ったら。
そう、それがいいわ。」アン
アンは布の花の刺繍の部分を切り取りました。
そして、黒いドレスに縫い付けました。
ドレスの裾はギャザーを入れました。
胸にはハンカチを丸めて突っ込みました。
「いい出来栄えだわ。
お葬式みたいなドレスが黒地に花が鮮やかに
咲いているみたい。
これなら、ロッテンマイヤーさんも若返って見えるわ。」アンは大満足でした。
おじいさんはあの薬を貰って帰ってきました。
「おじいさま!おかえりなさい。
私ね、やりましたわ。ロッテンマイヤーさんの
魅力を最大限にしたのです。」アン
おじいさんはロッテンマイヤーさんが
アンが言うほどなのか、悩みました。
どうみても時々、やってくる見せ物小屋の
哀れな人にしか見えないのです。
「うむ、この姿をロッテンマイヤーさんに
見せていいものだろうか?
いや、ハイジやペーターにも。
これは、18禁ではなかろうか、、。」オンジ
「ロッテンマイヤーさん!起きて!
とーても綺麗になったのわ。どこからみても
22歳よ。」アン
ロッテンマイヤーさんは無理矢理起こされました。
そして、手鏡で自分を見ました。
メガメをかけて。
「まあ!これがあたくし?
なんて、美しいんでしょう。アンさんの
仰るとおり、22歳の頃ですわ。
あたくし、こーんなに胸まで膨らんで。
おじいさま、いかがでしょう?」
ロッテンマイヤー
「うむ、そうですな、、。
あの、その、この、どりぁ、なんともかんとも。その通りだと思いますぞ。」オンジ
おじいさんは胃がキリキリして、胃薬を
2袋一気に飲みました。
ヨーゼフはおじいさん、とにかく夏が終わるまでの辛抱だからと同情しました。
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