第11話 おじいさん嘘をつく
おじいさんは屋根裏部屋で、ロッテンマイヤーさん用の干し草のベットを作製中だったのでした。
「何!ロッテンマイヤーさんがぁー。
あんな身体で長旅はきつかったかーっ!」
おじいさんは慌てて階段で足の小指を
激打ちしながら駆けつけました。
「ロッテンマイヤーさん!しっかりしなさい!
まだ若いんじゃーーっ!」オンジ
おじいさんはロッキングチェアのロッテンマイヤーさんを揺さぶりました。
もう、必死ですから火事場の馬鹿力です。
すると、ロッキングチェアは大揺れして
ロッテンマイヤーさんはびよよよーんと
飛んで行きました。
昼寝をしていたヨーゼフの横にどおおおんと
落ちてきました。
「わんわわーーーん、わぁーおーーん、
わんわんーーっ!」
(うわ、なんだよ、びっくりだよ。ロッテンマイヤーさんが落ちてきたよ。
全く、アンが来てから落ち着いて昼寝もできやしねぇ。
だいたい、アルムの山は静かなのがウリなんだ。どうなってんだよぅー。)ヨーゼフ
みんなは一斉にロッテンマイヤーさんのところへ集まりました。
ロッテンマイヤーさんも流石に目を覚しました。
仰向けのまま
「あら、アーデルハイドではありませんか。
ご機嫌よう。」ロッテンマイヤー
「あ、ロッテンマイヤーさんごっごきけんよう、、。」ハイジ
「私、アン シャーリーと言います。アンは最後にeがつくアンですの。
初めてお目にかかります。宜しくお願いします。」アン
「まあ、きちんとした挨拶がおできになるのね。アンさん。ロッテンマイヤーです。
こちらこそ、宜しくお願いします。」
ロッテンマイヤー
「あのう、ロッテンマイヤーさん、こんちは。」ペーター
「ペーターさんね、相変わらずね。」
ロッテンマイヤー
「うへーっ。やっぱりロッテンマイヤーさんだな。でもさ、死んだのに生き返るってあんだなぁ。僕、初めて見たよ。」ペーター
「えっ?何のことですの?」ロッテンマイヤー
「ごほん、ごほごほっ。
ん、いや何でもないのですじゃ。
余程、お疲れのようですな。椅子から
地面にご自分で寝転がられたようですな。」
オンジ
「ちがうわー、おじいさんがーっ。」
ハイジがそう言いかけるとおじいさんは
慌ててハイジの口に手を当てました。
「ううんっと、あ、ハイジ、ロッテンマイヤーさんの干し草ベットを作ってたんじゃ。
さあ、アンも一緒に手伝っておくれ。」
オンジ
「そうなの?うわー、ロッテンマイヤーさんの
ベットだー!
アン、やろう、やろうーー!」ハイジ
「ああ、あのいい香りの干し草のベットメーキングですのね。
干し草に埋もれたらどんな気持ちなのかしら?」アン
と言うわけで、さっさっと三人はいなくなってしまいました。
残されたペーターは、、。
「とにかく、生きてるみたいだから
僕はヤギを連れてかなきゃ、さいなら」
と逃げるように走って行きました。
ロッテンマイヤーさんは
「私としたらなんて恥ずかしい事をしてしまったんでしょう。居眠りをしてチェアから落ちて地面で寝てしまうなんて、、。
私、もう、ダメ。クララお嬢さま、ロッテンマイヤーはもう生きる屍でございます。」
ロッテンマイヤーさんは、いい加減に起き上がればいいのに、仰向けのまま、夕日を見ては
涙するのでした。
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