第10話 空の巣なんですの

あのう、ここで言い訳しときますけど、

ハイジとかアンとかクララとかおじいさん、ペーター、ロッテンマイヤーさんの年齢は

めちゃくちゃですから。

そこらへんは許してちょんまげ。


ハイジはその夜なかなか寝付けなかった。

アンは

「ハイジ?どうかしたの?

もしかして、病気、熱でもあるの。

だとしたら、任せて。私、孤児院で小さな子達よ看病とかしてたから。」アン


「ううん。病気じゃないの、、。

あのね、ロッテンマイヤーさんのことなの。」

ハイジ


「明日、フランクフルトから来る人ね。

そのロッテンマイヤーさんがどうかしたの?」

アン


ハイジはフランクフルトでロッテンマイヤーさんとの辛かった話しをしたのでした。


「んまあ、なんて意地悪なの!

ああ、ビリュンゲルさんの奥さんみたいだわ。

口うるさくて、私のやった仕事をいちいち

ケチをつけなきゃ損みたいに思ってる奥さんだったの。」アン


「アン、私怖いの。」ハイジ


「ハイジ、私のこころの友。

安心して、ロッテンマイヤーさんから守るわ。

神に誓うわ。そう、マニラもきっと褒めてくれるわ。これは、正義を行うことですもの。」

アン


ハイジはアンの言ってる意味がわかんないけど

とりあえずはおじいさんもいるし、アンなら

あのロッテンマイヤーさんに負けないかもと

思いました。


翌日の午後にロッテンマイヤーさんは荷馬車に

沢山の荷物を載せてやって来ました。


ハイジ達は山から戻ってきてません。

「アーデルハイドのおじいさま、お久しぶりでございます。この度はお招きいただきありがとうございます。」ロッテンマイヤー


「いや、こちらこそ、遠いところを来てくださり感謝しとります。

うん?ロッテンマイヤーさん、痩せられましたかな?顔色もあまり良くありませんな。」

オンジ


「おじいさま、、。

優しいお言葉ありがとうございます。

実はクララお嬢さまがお元気になり、

寄宿舎のある学校へお入りになりましたの。

あの大きな屋敷の管理は私の務めですが、

食事もひとり、話し相手と言っても、使用人は

みんな必要以上は話しませんの。

私、段々と気持ちが沈んでいきましたの。

夏の休暇にお嬢さまがお帰りになるのを

そりぁもう、楽しみにしておりましたのに。

奥様が腰を痛められて、そちらに行かれてしまいましたの。

最近は食も進みませんし、涙が何故だか

こぼれますの。眠れないんです。

そんな時、ご主人様からアーデルハイドのところへ行って欲しいと言われるじゃありませんか。

ああ、あのどうしようもない子。

でも懐かしい、、。

それでここに来ることにしましたの。」

ロッテンマイヤー


「何?そんな事があったのですか?

ロッテンマイヤーさんも空の巣症候群になったんですな。

それなら、ちょうといい。

たまには、ゆっくり静養されるといい。」

オンジ


「おじいさま、感謝致しますわ。

私、ゆっくりと過ごさせていただきますわ。」

ロッテンマイヤー


おじいさんは、何の為に来たんだ?

クララ、お主もしかして??

と思いました。


ハイジ達は山から降りて来ました。

ロッテンマイヤーさんの姿を見つけました。

ロッテンマイヤーさんはロッキングチェアーで

本を膝に置いてグースカピーに寝ていました。


ハイジ達は側に行きました。

メガネはずれ落ちてよだれが垂れてる

ロッテンマイヤーさんを見て、、、。


「おじいさん!

大変よーーーっ!ロッテンマイヤーさんが

死んじゃってるーーう!!」ハイジ

と叫びました。

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