第8話 愛がつまった手紙
小包をおそるおそる開けますと、中には手紙が入っておりました。
そして、タバコの袋、刺繍のされた布に包まれた葡萄酒、あんずの砂糖漬け、リンゴジャム、ジンジャークッキー、紅茶が入っていました。
手紙の主はマリラでした。
「親愛なるハイジのおじいさまへ。
この度は夏の休暇をアルプスの山で
過ごさせていただき感謝致します。
私も兄のマシューもアンがご迷惑をお掛けしているではないかと心配しております、
あの子はおしゃべりが過ぎるとこがありまして、おまけに空想と現実がごっちゃになる
悪癖がございます。
どうかそうした時には、何か仕事をさせてやってくださいまし。
家事は一通り仕込んであります。
あの子は心根は素直ですし、他人を思いやることができる子だと信じています。
兄のマシューなどはアンがいないとすっかり
寂しがり、私も気が抜けたようになっております。
アンはいつの間にか人を惹きつける何かがあるようです。
どつぞ、おじいさまを困らせる事もあるでしょうが決して悪意があってではありません。
言い聞かせてやればわかる子です。
どうか、おじいさまのお導きで夏休暇が
あの子にとって良い経験になるようお願い致します。
グリーンゲーブルズで取れた葡萄酒、兄から
おじいさまへの煙草を送られていただきます。
食べ物も私の作った物ですが、召し上がって
くださると幸いです。
マリラ カスバード
マシュー カスバート」
「うむ、このマリラという方はとても
愛情に溢れている。アンの気性もわかっておられる。
わしがハイジを愛おしく思う気持ちと同じじゃ。
アン、お前は幸せ者だ。」オンジ
おじいさんは、アンの事が少しわかったような気がしました。
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