第5話 ペーターに丸投げ

大騒動の夜はふけました。


おじいさんは何やら書いています。

苦悩が滲み出た表情です、、。


翌日、おじいさんは山の家から下の村へと

行くことにしました。

「うむ、ペーターに丸投げしてしまおう。

その代わりにソーセージをたっぷり弁当に

持たせてやろう。」オンジ


「おはよーー!ハイジーーー!

カナダってとこから友達が来たんだろ?

今日は山へ行くよな?」ペーター


「おはよ〜。しろちゃーーん!ペーター!

行くわ。アンも一緒よ!!」ハイジ


「うわー、どんな子だろう?

クララみたいな綺麗な女の子かなぁ。

でへへ。」ペーター


「おはようございます。

ペーターさん。私、アン シャリーです。

本当はアンなんて平凡な名前は理想じゃないの。コーデリアって呼んでくださったなら

どんなにいいでしょう。」アン


「あはははーー。コーリデアって変な名前。

アンがいいわ。」ハイジ


「ハイジ、コーリデアじゃないの。

コーデリアよ。

でも、おかしいかしら?やっぱり、私みたいな孤児がリア王の王女の名前を名乗るのって

図々しいわよね。」アン


「リアおーって?何だ?

美味しい食べ物なのか?ハイジ?」ペーター


「うーん、わかんない。でも名前はアンがいいわよ。ペーターもわかんないんだもん。」ハイジ


「そうね、わかんないんじゃ困っちゃうわ。

アンでいいわ。でも、考えてみたら

アンってとってもわかり易くて良い名前かも知れないわ。

ハイジ、ありがとう。自分の名前が好きになれたわ。」アン


「何だかわかんないけど、良かったなぁ。

じゃあ、ヤギたちと山へ行こうよ。」ペーター


「ペーター、アンは山登りはたぶん初めてだろう。アルムの上は急な岩だらけの道になるからな。あまり奥には行かないように。

それと今日はソーセージをたんまり入れておいたから食べなさい。

アンの事をくれぐれも頼むぞ。大将。

わしは村に用があるから。」オンジ


「ええーっ!ソーセージだってぇーーっ。

オンジーありがとう!

任しといてよ、俺、ちゃんとアンのことを守るよ。クララの時だってやれたから大丈夫だよ。」ペーター


「おじーさーーん、行ってきまーす。」


みんなが手を振るのを見て、おじいさんは呟きました。

「ペーター、甘いの、、、。

アンはクララとは別物だ。わしでさえ困っておる。とにかく助けを寄越してもらうまで

大将頑張ってくれ、、。」オンジ



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