第4話 助けてクララ

おじいさんとヨーゼフはお腹が空いていました。


「うーん。これではいつになったらご飯にありつけるかわからん。わしは年寄りなんだ。

3食はきちんと食べんといかん。

明日は牧草を刈っておく仕事もある。

早く寝たい、いや寝にゃあならんのだ。

もう、ヨーゼフと食べてしまうか、、。

そして、寝てしまおうか、、。

いや、あの子達はほったらしておいたら

一晩中、外にいるんじゃなかろうか?

夏とは言え、アルムの山じゃぞ、ハイジはともかくアンは病気になるかもしれん。」


おじいさんはこんなに深刻な事になろうとは思いもしなかったのです。

ヨーゼフは疲れて寝そうです。


「あっそうじゃ。

家に入れと言うからダメなんじゃ!

ご飯は外の丸太の机で食べればいい!

なぁ、ヨーゼフ、そう思わんか?」


「ワン!」

(いい事思いつきやしたな、おじいさんよ。

全く、それは妙案ですぜ。)


おじいさんは、パンとチーズ、干し肉と

ヤギの乳を用意して、外の机に準備しました。

そして、燃えている木を何本かブリキのバケツに入れました。


「さあー!ハイジ、アン!

おいで、ご飯にしよう。一度、落ち着きなさい。」オンジ


その声に初めてふたりは振り向きました。


「うわーーっ、今夜は外で食べるのね。

素敵、素敵ーー。」ハイジ


「まあ、満点の星空の下でご飯を頂けるなんて

私、生まれて初めてです。

おじいさま、感謝致します。」アン


「感謝はいい!とにかくじゃ、ふたりとも

落ち着いてくれ。頼むから。」オンジ


おじいさんは必死でした。

また、アンが星空を観ていたからです。

おじいさんもアンのおっそろしい空想癖に

やられる前にとにかくご飯を食べさせなければと思ったのです。

おじいさんはハイジの天然には慣れてましたから大抵の事では笑っていられたのです。


「クララ、お前がいてくれたらな。

そしたら、このふたりを何とかしてくれただろう、、。」オンジ












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