第2話 もみの木と山水は魔物
おじいさんは
「ご飯にしよう、家に入りなさい。」
声をかけました。
ハイジは山水の湧き出る大きなもみの木の下でアンに手を洗うように勧めました。
「あら、大きなもみの木さん。
ジャックとマメの木のお話の木なんだわ。
あー、これを登って行ったら巨人に
会えるのかしら?」アン
「もみの木って大きいでしょう?
あのね、夜になるとね木から音がするのよ。
すごいでしょう?」ハイジ
「そうでしょうとも。きっと今夜は
もみの木さんのおしゃべりを聴きながら夢をみるのね。あ、、。」アン
ふたりの会話は噛み合ってるのか?よくわからないが気は合ってるようだ。
「ねぇ、このお水飲んでみて。
とーても美味しいのよ。」ハイジ
「これは、山水ね。冷たいわ。天使の涙様に美しい。甘いわ、なんて事でしょう?
まるで、ヒメオドリコソウの蜜みたいだわ。
ハイジ、ありがとう、私、生涯のお水の甘いのを忘れないわ、きっと。」アン
「うわーっ、アンが喜んでくれたー!
よかったぁーっ!あはははーー!」ハイジ
ハイジは嬉しくなって体操の岡選手の顔負けの
側転をしながら転げ回っていた。
アンは胸の前で手を祈るように組み、想像の世界に飛んでいた。
おじいさんはちっとも帰ってこないふたりを
呼びに来たのだが、アンは木桶の水の処で
立ってブツブツひとりで話しているし
ハイジは側転しながら笑っているのを見て
「ヨーゼフ、悪いがわしには無理だ。
お前、あのふたりに晩御飯だと伝えてくれ。」
そう言うと家に入って行った。
ヨーゼフは人間ってやつは、ちっ仕方ないなぁと思った。
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