S7 キノコエルフ 10月19日

――西園の深い森:初心者の塔――


▶ドラレアは依頼でときがねと一緒にこの場所にやってきていました。現在、西園の深い森地区は火に包まれていて、榴弾や魔法弾、突撃兵が跋扈する戦場と化していまます。ドラレアは、キノコエルフの依頼を受け、消火活動をしている最中、初心者の塔が急に出現しました


ときがね「うお……。こんなタイミングで初心者の塔出てくるとかある意味持ってんのか?」

ドラレア「出てきた途端に焼け死ぬのは不憫だな、塔の周りの消化を重点的にしておいてやろうか」

ときがね「まあ、初心者とか経験値稼ぎのいい餌だしな……」


▶初心者の塔が光り輝き、重厚な鉄の扉が開いて少女が歩いて出てきます


ドラレア「む、出てきたぞ。はてさてどんな輩か……」

ときがね「やあ、お嬢さん。お困りかな?良ければ俺と一緒に街にいかないか?」


???「おおー! お兄さん? 怪しい人じゃないですよね?? 」


ときがね「怪しくない怪しくない。俺はときがね。こう見えてもこっちの世界で20年はやっててね。これでも中堅って自信はあるんだけど」

ときがね「で、こっちの怪しいやつがスカーなんとか。ドラレアでいいぞ」

ドラレア「我は紅血龍姫スカーレッド・ドラグレアだ。出来ることなら姫様とでも呼んで貰いたいが、まぁ初対面で無理は言わん」

ときがね「や、普通にエリー姫がいるとこで姫様呼びはきしょすぎでしょ……」


???「ときがねさん、ドラレアさんですね。おお……よろしくお願いします。右も左もわからなくてどうすればいいかよくわからなかったのです」


ときがね「俺達がこの辺で仕事してて幸福だったな。今、アルカディアとイーストが戦争やっててな。この辺は激戦地の近くなんだわ。適当にふらつくと敵兵だと思われて殺されちゃうとこだったわけ」

ときがね「色々説明してやりたいとこなんだが、取り敢えず俺等とギルドまで来てくれると嬉しいんだけど、どうだい?」


???「戦争?! そんなにすごく危ないところを助けてもらってありがたいです。ちょうど人多いところに行きたいって思っていたので助かります、お願いします!」


ときがね「君、チョロいとか言われたことない?まあいいか、オルターもいないしなんとかなるか……」

ドラレア「ふむ……どうやら完全な初心者か。本当に運が良かったな、少し時間や場所がズレていただけで戦禍に物理的に飲まれていたところだ」


???「私のモットーは行き当たりばったりですから、ぜひ! 姫様もありがとうございます」

ときがね「姫様はやめとけって。クソガキの言う事を真に受けちゃダメよ」


――アルカディア王国 城門――


▶門兵のセレストがまた女連れ込んでるよ……みたいな目でときがねを見ていますね


ときがね「セレストちゃんご苦労!今日も可愛いね」


セレスト「新しいユーザー族さんですか。私はフラミー騎士団所属のセレスト。街の治安維持や巡回を担当しています。犯罪があればすぐに声をかけてくださいね。こいつに何かされたとか」


ときがね「オルターと違って前科ないんだけどなあ……。俺いいやつだよなあ!?ドラレアちゃんさあ」

ドラレア「どちらもあまり変わらんとは思うが。まぁオルターも悪い奴ではないが」

ドラレア「ただ直接的に手を出したりしない分ときがねのほうがマシ……か?うーむ……」


セレスト「ギルドにこの人たちのギルドがあります。そこで冒険者登録や市民登録が出来ますよ。生活を求めるならまずはそちらにどうぞ」


???「なるほどここで登録するんだ。行ってみます! ありがとうです、セレストさん」

ときがね「アルカディア紅葉ギルドな。ちょっと入り組んでるから案内するわ」


――アルカディア王国 アルカディア紅葉ギルド――


▶大きな酒場です。相変わらず酒に呑まれているやつも多いですね。ドラレアの知り合い集団はどうやらむぎと取っ組み合いの喧嘩をしているようですが、実情としては白銀が一方的にボコられてるように見えますね


ときがね「で?今日の喧嘩理由はなんなんだ?」

銀河高原「シロコダイルと私と花崗、誰が一番かっこいいかで喧嘩してるみたいよ?別に誰でもいいでしょって感じだけど」

川雪「あいつだけ私が一番かっこいいって思って殴り合いしてるの、一番ダサいって思うんだがな」

ドラレア「相変わらずだな……こういうのをはたから見ると呑まんでもいいかと思わなくもないが、やはり赤ワインは飲みたいものだ……」


むぎ「シロコダイルさんに決まってるでしょ!飲兵衛やナルシストとは違うんですよ!」

花崗「見てください!私の踵はちゃんとスパイクが出るようになっているんですよ!?」

白銀「マスターに決まっているでしょう!痛いです!髪を引っ張らないでくださいませ!蹴りますよ!!」

ドラレア「まぁ誰が格好いいか、と言うならば圧倒的に我だがな。龍に敵う者はおるまい」

白銀「ナルシストが増えました!><」


ときがね「俺は入ってないが……、まあこれでも最近だと乗ってるギルドだよ。銀河高原さん、こいつ新人なんで後頼んます」

銀河高原「は?おい!酒飲むために押し付けやがって!」


▶ときがねはぴらぴらーっと手を振ってカウンターで酒を呷りにいきます


川雪「はいはい。俺が相手すんのね。はーい最強イケメンの俺が一番に決まってるだろうが。はい俺一番ね」

むぎ「ふざけんな陰険メガネ!どこが最強なんですか!割りますよ!!」

花崗「魔力伝達方式と電気通信方式を併用することで神経系を再現しつつエラー訂正符号を使用することでジャミングにも強いんですよ!この機能美が分からないなんて……」

白銀「さけのみのおぢが何言ってるんですか。見てくださいあの御姿を。これこそできる大人の姿です!」


銀河高原「あの辺のゴミは酔っ払い共だ。幸いにも私はまだ1瓶だし、あいつらは適度に無視して"ここ"の常識について教えようか。名前とどんくらい知ってるか教えてくれる?」


カトライン「私はカトラインといいます。どんくらいというと、新入社員2日目といったところでしょうか。とりあえず勢いと流れでここに来てみたって感じです」


銀河高原「うーわマジの新人さんだ。えっとまず、アイオンには死って概念がだいぶ薄い。これは死んでも復帰できるからなのね。ただ、死相当の痛みや冷たさは感じるからあんまり死ぬと心が持たないね。後、法律とか司法なんて都合の良いものがない。治安悪いやつがゲームすると治安悪いなりの行動を起こすから、女アバター使ってるなら強姦や奴隷化には気をつけるように。最近はクスリとかも出てきたみたいだから、信用できるやつや、こういう公式の酒場以外のものは口にしないのが妥当かな」


花崗「……おっと。新しい方ですか。私は垰花崗、見ての通り前衛の剣士になります。よろしくお願いしますね」

むぎ「隙あり!死ねェ!!」

花崗「まったく、危ないですね……」

川雪「おーナイスハイキック」

白銀「なんと。私にはできない芸当であります」

ドラレア「ふん、我の原初の姿を一目見れば議論の余地などないと言うのにな、口惜しいものだ」


むぎ「なんか機能言ってたけど所詮こんなんじゃん。ざ~こざ~こ」

花崗「『デッドマン・ウォーキング:青』!凍てつけッ!凍える程冷たく!『青の蹄鉄』!」

むぎ「ドラレアバーリア!」

ドラレア「んなっ、おい待てあっぶな……!」


カトライン「だーいぶ世紀末な世界なんですね。ここの雰囲気好きかもです」

銀河高原「うーん才能あるよ。取り敢えず宿屋登録してセーブポイントを作ろっか。1泊1ベルだから路銭稼がないとホームレスね。ホームレスってことは起きたら奴隷ってことだから、頑張って働こうね」


▶宿屋で銀河高原と一緒にセーブポイント登録をして戻ってくると、川雪以外が床に突っ伏しているようです


花崗「ぐっ……不覚……!」

白銀「400 Bad Request」

ドラレア「うぐぅ……封印さえされていなければ……」

花崗「どなたか手足を拾っていただけません?」

むぎ「ぼうりょくはんたーい!」


川雪「酒に弱いのと煽り耐性がないのしかおらんからな。しばらく寝かせといてやれ」

銀河高原「うちが"ぼっちdeロック"とかいうしょーもない名前のギルドよ。行く宛がないなら、うちに所属したらそれなりの報酬を約束できるわ。まあ、こいつらのお守りがついてくんだけど」


カトライン「面白くなりそうじゃないですか。所属させていただきたいです! 火器と魔法を嗜むつもりなので何かあればお役に立てるかもです」


銀河高原「まあ初心者に戦力を期待してるわけじゃないから。あいつら使えないし、取り敢えずタテワキさんとこで依頼の見方教えるわ。こっち来て」


カトライン「はーい、わかりましたー銀河高原さん」


銀河高原「タテワキさんとか、外から来たならセレストとか見たでしょ?あいつらはNPCで、いうてしまえばAIみたいなもんなの。ただ、だいぶ独自AIでほぼ人間だし、そいつらいじめたら自警団ギルドの「美少女を愛でる会」が飛んでくるからやめとくのが無難ね」

銀河高原「タテワキさん、依頼よろしく」


▶タテワキは依頼ボードを空中に浮かばせ、カトラインの目の前に表示させます


カトライン「NPCに親衛隊? これはめっちゃハイテクだし……すっご……」


タテワキ「そうだね。今はこの辺かな」


01.ゴブリン大量発生の原因 ☆3

02.水汲みのお願い ☆3

03.遺跡調査、しませんか? ☆3

04.「ぼっちdeロック様専用」ラウンド ☆8

05.自警団任務 ☆3

06.後方で戦争の物資兵站の確保 ☆4

07.未開の大地 ☆9

08.カゾルミアへの道路へ向かう公共工事 ☆5

09.温泉ツアー! ☆6

10.水源の汚染 ☆5

11.幸せでお金を稼げる最高のバイト! ☆5

12.新大陸見学ツアー ☆5

13.ドリームランドの警備 ☆5

14.偵察依頼 ☆5

15.闇ギルドの摘発 ☆6

16.徹底抗戦 ☆6

17.極秘の美少女 ☆6

18.初心者の塔に蔓延る初心者狩り狩り ☆6

19.屍の手がかり ☆5


カトライン「☆ってたぶん難易度だと思うんですけど、この極秘の美少女ってどんなのですか?」


タテワキ「こちらは匿名での依頼になります。カゾルミアにどうしても会いたい美少女がいるとのことです」

カトライン「なるほどー。カゾルミアって遠そうですけどどこにあるんです? あとあと、この屍の手がかりってやつと専用ラウンドもきになります!」


タテワキ「こちらはシロコダイルさんからの依頼になります。どうやら遺跡探索の同行者を募集しているようです」


銀河高原「専用のやつは見なかったことにしとけ。カゾルミアは新大陸っつってめっちゃ稼げるけどめっちゃ死ぬとこにある現地NPCの村だな」


カトライン「なるほど。うーん、そうだなあ……配信的に面白そうなところ……」

カトライン(全滅もそれはそれで面白いんだろうけど、さすがに初日で全滅はあれだし)


カトライン「……この6番目のにします!」」

タテワキ「場所はフラミー騎士団詰所になります。依頼者はラッタルラです」

タテワキ「明日、昼前に来てほしいとのことです」


タテワキ「わかったわ。じゃあ依頼受注しちゃうからね」


▶タテワキは紙を1枚上空に放り投げた瞬間、その紙が真っ二つに斬られスタンプを中央に押します


タテワキ「じゃあ依頼達成したらこの紙をここに持ってきてね。完了したかは判でわかるから、証明の首とかは不要よ」


銀河高原「やっと起きたな。てめーら、明日仕事だから遊んでないで武器の手入れとかやっとけよ」

白銀「そんな装備で大丈夫か?というやつでございますね」


川雪「依頼は何にしたんだ?」

銀河高原「イースト戦争の後方兵站ね。まあ、初心者らしいいいチョイスじゃないかな」

川雪「まあ戦場に駆り出されるより全然マシだな」


カトライン「配信の面白いはまあとりあえず置いといて、選び方は間違ってなかったようで良かった……?」


むぎ「っていうかそいつ配信者なの?配信中?」

カトライン「ああそうです。配信者やってます! ごめんなさい先に言えばよかったですね」

むぎ「ネタには困らないんじゃない?大手は大体ドリームランド方面でしょ」


川雪「ドリームランドは風俗も淫売も奴隷も最先端だしな。あの街だけで初心者でも楽しめるか」


カトライン「もしや切り抜きでよく見るところかも。なんでもあるにしてはだいぶ、最先端が極端ですが。――まあ私もあんまり人気があるわけじゃないから……」


銀河高原「猫背の美少女には近づかないのがいいわね。アイオンの基本よ」


カトライン「そう言われると……いえ、気をつけます。危ないところなんですものね、ここは」


花崗 「リアルの私を知っている人には見られないとは思いますが……まあ、大丈夫と思っておきましょう、うん……」

銀河高原「そんなイキっといて今更身バレに怯えるとか疚しいところありすぎでしょ。朝の7時にここ集合ね」


――アルカディア紅葉ギルド――


▶朝6時半頃、何人かいないようですね


白銀「何やら少ないような……」

銀河高原「まあ実質心労が祟ってそうな初心者はともかく、まーた寝坊したんかあいつ」

川雪「酒も飲めないお年頃なんだ。ギリギリまで寝かせといてやれ」

銀河高原「起こして連れてくるから、白銀。先に依頼内容聞いておいて」


花崗「ふふふ、私はッ!4時に起きて準備運動していましたよッ!」

川雪「聞いてない聞いてない」


――アルカディア王国 詰所――


▶アルカディア王国の北西、見張り塔の下にフラミー騎士団の詰所はあります。こちらは雑多にものや本が大量にあり、やはり美少女でごった返していますね


ラッタルラ「はい。私がフラミー騎士団副隊長のラッタルラです。今は防衛で忙しくて私が対応で悪いね」


▶金髪メガネの美少女が返事してくれます。NPCのようですが、知的な空気感を出しています


ラッタルラ「依頼内容は簡単だ。表に置いてある資材を雪姫(ミーチェリア)の紅茶から北に進んで、西園の深い森方面から侵入して陣地に資材を置いてくるだけだ。一応陣地には隊長がいるはずだから、そちらに報告してくれれば依頼はそれで終わりだ」

ラッタルラ「ただ、今の時期はキノコエルフが発情期に入っていてね。男は大変でね……。人手が足りていないんだ」


白銀「ではキノコエルフに注意、資材運搬は早ければいいと思われますが、大体どれくらい目安でしょう」


ラッタルラ「そうだね。3日で運んでくれれば上等だな」

ラッタルラ「他に質問はあるかな?」


銀河高原「白銀。寝坊共を連れてきたが、どうだ?」

ドラレア「ぅむ……強く在るには……睡眠もたくさんとらねば……zzz」

花崗「ほらドラグレアさん、起きてください。『デッドマン・ウォーキング:黄』……『ちょびっと感電』」

ドラレア「ぬあっ!?……う、うむ、良い、ぞ、コリが解れた、ぞ……」


白銀「表の資材を雪姫の紅茶から~(中略)~3日ほどで運べばよいそうです」

白銀「今はラッタルラ様への質問タイムになっております」


銀河高原「なるほど。カトライン、あなた童貞?」

カトライン「おそくなりまs……は? そうですねこの声はRVC使ってないです!!」

銀河高原「ならいいわ。そこのお子様共含めて後で教えてあげる」


ラッタルラ「なさそうね。今、部下に資材をヒナ車に載せておいてもらったわ。ヒナ車は国の備品だから、万一紛失や破損が起きたら賠償になっちゃうから気をつけて」

花崗「賊や魔物から守らなければならない、ということですね……」


▶外を見ると、どうみてもただの手押し車が用意されています。ただ、車輪の部分が自律しているのか、時折勝手に動いているようですね


――雪姫(ミーチェリア)の紅茶――


▶相変わらず雪が降っています。ヒナ車を転がしていますが、時折動くものに勝手に移動しようとするので抑えつけるのが大変です。その代わり、アホほど資材が載っていますが重さは感じないですね


花崗「雪のせいで関節が……うう……」

カトライン「どうやって動いているのかわからないけど、これは便利です……重くない」

銀河高原「じゃあキノコエルフについて教えてあげる。この辺はやばい魔物もいないしね」

銀河高原「キノコエルフは亜人よ。大きさは80cmから120cmくらい。顔は3パターンしかないわ。専門用語で言うなら、イリヤタイプ、クロタイプ、ミユタイプね」

銀河高原「繁殖期は9月から11月。それ以外の時期に会いに行くと素朴で可愛らしい子達よ。問題は繁殖期で、この子達は童貞の夢枕に移動する能力を持っているの。そこで言葉巧みに誘惑して、性行為に持ち込むわ」

銀河高原「確実に受精し、次の日には出産をするわ。子どもは必ず女の子しか生まれず、寿命が3年しかないから必死で旦那様を見つけようとするの」


ドラレア「ほぼ直球にサキュバスだな」

花崗「まあ私達にはあんまり……関係無いですよね?」

川雪「そうだな。ネカマもいないようだしな……。それは良かったというべきか」

カトライン「それは良かったのかなぁ……」


銀河高原「ロリコン以外には相手にもされないし、戦闘能力も誘惑やチャーム位しかないから大抵は羽虫のように斬り捨てられるわ」

銀河高原「愛液は強力な媚薬にもなるから、余りにも飢えてると男女問わず襲い始めるわ。まあ、今年はゴブリンや生涯の番も手に入れた子もいるみたいで安心ではあるんだけどね」

銀河高原「本題はここから。これから行く西園の深い森にもキノコエルフがいるんだけど、あそこは今、激戦区よ」

銀河高原「あの子達が襲われた時、防衛本能で強力な催眠電波を出すわ。これに脳が支配されると生殖することしか頭になくなっちゃうの。戦場次第だけど、いろんな意味で地獄が展開されてる可能性があるわ」


川雪「童貞でも別に捕食されるわけじゃないから、ロリコンなら夢のような亜人ではあるんだけどな」

ドラレア「なるほどな……急激に危険度が上がる訳だ」

カトライン「こわすぎる! 生殖はさすがに映せないから私の天敵でもありますね」


▶銀河高原が解説しながら歩いていると、マジ泣きしながら全裸で歩いてくる少年とすれ違います。君たちを見かけると明らかに怯えた目でとぼとぼと後ずさります


少年「も、もう出ないし入らないよ……!これ以上は死ぬ……」


カトライン(うん今日は配信やめよう)

白銀「これはおねショタの香りがします」

ドラレア「哀れな……」

川雪「おい。何があった?まさか街道で立ちんぼしてるわけじゃないだろ?」


少年「イーストの奴らが、森に火をつけたんだ。初心者の塔が出たとかで初心者をリスキルしたかったんだと思う……。じゃあ急にイーストの奴らがそこらで盛りだして……男女関係なく……うぅ……」


銀河高原「実力で負けていいおもちゃになったのか。こうなってくると死体でも関係ないだろうしな……」

カトライン「地獄すぎる」

花崗「あー……ファンタジー媚薬的なやつが燃えた勢いで発生しちゃったとかそういう……」


銀河高原「キノコエルフがどいつもこいつも催眠電波を出したんだろう。知らなければ対策もできんししゃーないが……」

川雪「思ったより面倒な状況だな? 森に火なんてつけるからだが」


少年「もういい?お姉さん達も気をつけてね」


カトライン 「ありがとう、教えてくれて、本当にありがとう」

銀河高原「命の危険を感じないキノコエルフからしてみれば、旦那様を見つけるチャンスでもあるからなあ。見つかったら3年はお婿さんだ」

川雪「ルート取りが大事になってくるなこれは……」


花崗「……私達も一応対策しておかないとマズくありません?」

カトライン「対処法、あるんですよね……?」


銀河高原「会話チャンネルをギルド会話にしとけば大丈夫よ。普段は全体会話で、そもそもギルド会話に変更することを知ってる人もそんないないし、ギルド入ってなければ詰みだけど。カトラインも良かったわね」

川雪「NPCが何言ってるかわかんなくなるから地味に不便なんだよな。コソコソ会話しても盗聴しようと思えば出来るから存在意義が微妙にない」

銀河高原「催眠電波は防げても性欲で襲ってくる人間には何もできんからな。会わないようにしたことはないぞ」


カトライン「ああVCとかに入り込んでくるタイプ……ほんと良かった。配信は念のため切って録画だけ残します……」

花崗「とりあえず会話は無視して一定以上近付くようなら斬る、という感じでしょうか」

川雪「斬るな斬るな。やべーのは見ただけでわかるから」


――西園の深い森――


▶ドラレアが消火活動をしていた時より、火の勢いが強いなと感じました。足跡も大量に入り乱れています。手榴弾と思われる爆音が定期的に聞こえてきますね。下半身がギンギンに露出している、古い火縄銃を持った男が3人位こっちに向かって走ってきます


▶白銀 跳躍

 成功

▶花崗 跳躍[宿題、啓示][特定厨]

 成功

▶カトライン 逃走[啓示][特定厨]

 成功

▶ドラレア 瞬発力[啓示][特定厨]

 成功


――西園の深い森:樹海――


▶明らかに様子がおかしい人間から全力で逃げ、更に深い場所まで入ってきました。キノコエルフと思われる子達がお腹を大きくしながら、淫紋が入った男を米を担ぐように運んでいく様子や、耽っていてこちらに気づく様子がない人達がいるなど中々な様相になってきています


▶その道中、カトラインは古そうな火縄銃を1個拾いました


カトライン「あれ? さっきのやばいやつが持ってたやつですねこれ」

川雪「ああ。これはイーストの主力武器、幻想復古だな」


白銀「量産国産武器でございますか?」

川雪「いや、遺跡で発掘するらしい。仕組みがわかってないと撃てもしないから、俺達にとってはガラクタだな」

カトライン「ガラクタですか、ちょっと撃ってみたかったけど残念です」

花崗「……売って資金の足しにしましょうか」


――アルカディア作戦陣地――


▶作戦陣地も凄い形容です。そこら辺に半裸の美少女が打ち捨てられています。残った美少女達と冒険者がバリケードを展開して耐えているようですね


ドラレア「なんとか抜けられた……が、ここも地獄だな……」

花崗「なんというか……酷い光景ですね……」

川雪「シロコダイルいなくてよかったな……」


フラミー騎士団「隊長!補給部隊が到着しました!」

???「早く通して!」

フラミー騎士団「お疲れ様です。こちらです……!」


カトライン「補給資材です!」

白銀「隊長様がこちらにいらっしゃるとのことで、受領をお願いします」


ユミィ「あら、初めまして。私はフラミー騎士団特務司令隊長、ユミィ・エイシア=エアリア。お姉さんでいいよ?」

ユミィ「早速で悪いけど、資材を運んでもらえる?イーストの奴らが火をつけたせいでキノコエルフちゃん達が暴れちゃってねえ」


銀河高原「うわあ、やっぱり男漁りのユミィ隊長か……」


ユミィ「なんか言った!!?」


銀河高原「や、なんでもないっす……」

ドラレア「おお、銀河が気圧されている……」

花崗「では資材の方、運んで行きますね」


▶資材を手分けして運んだ後、エイシアに報告に行きます


ユミィ「あら、お早い。後は帰るだけだと思うんだけど、お姉さんからの忠告、だぞ?どうやら初心者の塔付近で初心者をリスキルしようとしてる熱心なユーザー族が全裸で暴れてるみたい。そこそこ手練れみたいだから気をつけてね」


川雪「全裸ってことは催眠電波もかかってんのか……。面倒だなあ」


ユミィ「混乱したイーストの残党やうちの子たちも彷徨ってるけど、できればうちの子達は殺さないでいてくれると嬉しいわ」


花崗「倒せる範囲の敵は倒していきたいところですけど……厳しいでしょうね」

銀河高原「無茶だな。性豪のほうが可能性あるでしょ」

カトライン「頑張りますが見分けられるものがあれば……」


ユミィ「そりゃ可愛さよ!うちの部隊はみんな可憐な華なんだから!それ以外だと残ってたら肩のところに騎士団の勲章があるわ」


――西園の深い森:樹海――


▶キノコエルフが男を粗方回収し終わってきているのか、君たちをじっと見つめて、ちょっと悲しそうな顔をしてすれ違うのをもう3回はやっています


――西園の深い森:初心者の塔――


▶一行は道に迷った結果、カトラインとドラレアは見たことある区画に到着します。その中で、全裸でチェーンソーを握りしめ、縦に半分になった人間の死体を寝袋にして入っている人間を見かけます


銀河高原「やっべえ……モノホンの変態だ……」

ドラレア「こういうホラーゲームありそうだな……」


川雪「絶対ユミィ隊長が言ってたやつだな……。逃がしてもくれないだろアレ」


カトライン「うっわあここはカットだよ……。でも逃げれない?」

白銀「蹴り飛ばしてから考えてもいいのかもしれません」

花崗「……殺るしかないわけですね」


男「女?」


川雪「迎撃迎撃!三人称女呼びのやつにまともな人間なんて世界に1人もいないぞ!」


▶戦闘前行動 白銀 ムーブメント 薄暮

▶戦闘前行動 花崗 ホープファインド ハニリイト

▶戦闘前行動 ドラレア 聖なる光 癒しの風 コイノーニア 旦明

▶戦闘前行動 カトライン レベルインストール 恋草 ツインサキガスキ ヴァージニアス


▶戦闘前行動 チェーンソー 死体肉袋(アーマードサモンを装備した状態で登場する)


[返り血の庭(行動開始時、割り込む。自分のアーマードサモンを消滅させて、生命最大値を「3倍」して地形効果:返り血の庭(任意の対象の被ダメージ時、命中した時、自動割り込み判定で物理9d9)を「1個」設置]


▶白銀 正義のパンチ(通常攻撃[深赤、雷汞])

[もいっちょキック(ムーブアサルト[闃然、砂錫、鏗鏘、鉱滓])]40ダメージ

[返り血の庭]37ダメージ

[プルートホーン:もいっちょキック]44ダメージ

[返り血の庭]46ダメージ[反撃]80ダメージ

[まほろばのりんか:ヒール[柳浪、落椿、裂帛]]白銀

 228回復

[呼応反応:ラブハート[追加アタッチメント(アエラキ、昏鐘)、鏗然、瀬枕、瀬戸]]108ダメージ

 ファンブル[何もなし]


▶チェーンソー 蘭芷[アーマードサモン] 宙が繋がる時 花崗

[切裂きジャック(主動作を見た時、割り込む。物理11d11を2回)]

▶白銀 回避判定

[夏彩フレア]成功


[返り血の庭]

▶花崗 機電心 逝ってよし

[ブラウンドッグ]

[もいっちょキック]55ダメージ

[返り血の庭]45ダメージ[反撃]80ダメージ

[魔法剣:ラブハート[追加アタッチメント、瀬枕、瀬戸]]

 120ダメージ

[ミラクルステップ[追加アタッチメント、瀬枕、瀬戸]]

 159ダメージ


[ユニゾン]

▶花崗 機電心

▶カトライン 魔力流れ星 計468ダメージ


[緊急ダイヤ:死者蘇生[アーマードサモン]:肉の盾(代用魔法壁200獲得)]

[ジャックデリヘル:C4[カスタムMOD(砂錫、鉱滓、瀬枕、瀬戸)]

 123ダメージ

[ヴァージニアス:小型ボム[カスタムMOD]]

 126ダメージ

[ミラクルステップ[追加アタッチメント、瀬枕、瀬戸]]

 143ダメージ


カトライン「楽っしい! これだけ撃ち放題の相手って!」

カトライン「これでとどめ! 丸ごとふっとべー!」

ドラレア「ふははは!我の溢れ出る魔力で即座に回復してやろう!……火力方面に伸びないのは思うところはあるが、これも封印の影響だろう……うむ」


銀河高原「とっとと撤退するぞ!こんなん相手してたら命いくらあっても足らんわ!」

白銀「逃げの一手です。捨て台詞の一つでも吐いていくべきでしょうか」

カトライン「あ、そうだ逃げなきゃ」

川雪「撤退!」


――アルカディア王国 アルカディア紅葉ギルド――


銀河高原「はぁーあ疲れた。なんで戦争ド真ん中まで行っちゃうかなあ」


川雪「タテワキさん。依頼達成しました」

タテワキ「承知しています。こちらが報酬の12000ベルです」

川雪「ああ。これを頭割りして……、カトライン。これが4日かけて死にかけて得た報酬だ」


▶カトラインに2200ベルを渡します


カトライン「おお、こうして本物を見ると感動しますね」

白銀「こうして労働に喜びを感じるのです」


銀河高原「まあ1年の生活費で大体飛ぶんだけどね。風俗とか行くんだったらもっとなくなるかも」

カトライン「むしろ1年持つんだ、面白いな」


川雪「ちまちま仕事はするけどな。基本は動画見て酒飲んで勉強して、って感じだな」

ドラレア「風俗なぞで飛ばすのであれば、その前に新人の初依頼達成の祝賀会でも開くか?我に赤ワインを捧げよ」

銀河高原「はいはいちっちゃい子はお酒飲まないように」

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