S2 ティアル騎士団 8月10日
――アルカディア王国 アルカディア紅葉ギルド――
▶Yoloしくは紅葉ギルドに1泊1ベルで1年近く寝泊まりしていました。2Fの個室から起きて下に降りてくると、いつもと違って酒場が騒がしいですね。いつもの騒々しい感じと違い、何やら剣呑としています
ときがね「まあ落ち着けって。今ここでそんな騒いでもしゃーねえだろ!」
???「んなこと言ったってよ。俺らの鉄の掟を無断で破るやつがいたんだぞ!絶対部外者かクソゴミのチーターだぞ!」
???「ふざけんじゃねえぞ!!!俺らのオアシスを穢してタダで帰せると思うな!!」
ときがね「おっ、よろーくん起きたか。今ちょーっと面倒なことになっててよ」
Yoloしく「まあ見るからにそんな感じだけれども。一体何が?」
???「あ?誰だこいつ?……もしかしてテメーか?最近新入り多くて把握できてなくってよお……」
ときがね「まてまて。最近は俺がこいつ連れ回して飲んでんだ。こいつではねーよ。よろーくん、こいつらはギルド「美少女を愛でる会」の人達だ。そこで凄んでるちっこいドス利いたヤンキーみたいなかわいい娘がギルドのトップだよ」
▶白髪ロングのケモロリがこちらを睨みつけてきていましたが、ときがねの話を聞いて少し殺意を抑えてくれます
シロコダイル「ああ……、ただの風俗通いか。それはすまんかった。俺はシロコダイル。まあ分かると思うが魂は男だ。俺らのギルド「美少女を愛でる会」はアルカディア王国におけるNPCの保護を担当してるんだわ」
Yoloしく「よろしくね。状況はあんまり読めないけど、ジブンはのんびり過ごしてるだけだよ。――ああ、ということはもしかして、NPCの子を外に連れ出す人がいたとかかい?」
シロコダイル「それくらいなら良かったんだがな……。NPCは俺等と違って死んだら二度とそいつらは帰ってこない。……今日、ティアル騎士団の「アーテル」ちゃんが殺されてな……。アルカディア王国に長くいるなら俺等の存在は知ってるはずなんだがな……」
シロコダイル「これから見たこと無いPCを片っ端からリスキルしようと思ってたところなんだわ。助かったな、よろーくんとやら」
Yoloしく「あんまり気分のいい話じゃないね。どっちの話も……」
ときがね「まあこいつらがアイオンやってる理由のようなもんだしな。NPCの娘達の保護。こいつらが暴れ出す前に犯人をなんとか見つけて差し出さないと自警団がティアル騎士団に討伐されてしまうんだよな……」
シロコダイル「まあ、明らかにシロな最近来たやつを判定してくれるだけでもいいぞ。怪しいやつ全員リスキルしてけばいつかは吐くだろうしな」
シロコダイル「これから緊急会合があるから、明日の朝までは待っといてやるよ。よろーくんのお友達くらいはシロ証明しとくといいんじゃねえか?」
Yoloしく「気持ちはわかるけどね。国としての自治は騎士団の仕事では?もちろん友達の潔白は主張するけども、いきすぎた自治はゲームの寿命も縮めてしまわないかい?」
ときがね「それがそうでもねーんだよ。あいつらがいるから質の低い泡姫が出稼ぎにこの街にやってこないし、質の低い奴隷商人もうちの街に来ないんだよ。強い自治ってのは一定の治安をもたらすんだってさ。俺の友達の受け売りだけどな」
Yoloしく「NPCにはNPCの、プレイヤーにはプレイヤーの法をってことかな。なるほどね」
Yoloしく「ジブンとしても思うところはあるし、犯人探しは吝かではないんだけどね。眼の前で生きている姿をみてたらね……」
――アルカディア王国 大通り――
▶いつもはミニスカで美少女揃いのティアル騎士団が常に巡回しており、道に立ちんぼはあんまりいませんが、今日はティアル騎士団が1人も見当たらないこともあり、見覚えのない品のない女が下品な格好でAFKの表示をたくさん出しています。その立ちんぼ女を、自警団と名乗る人間が片っ端から斬り殺していて、血なまぐさい匂いと、殺意が高くギラついた人間に常に見られているような視線を感じます。
▶明らかに初心者装備な少年を、全身返り血に染まったピンク髪の少女が話しかけてきます。彼女は自分を「美少女を愛でる会」の自警団だと最初に説明してくれます
むぎ「私はむぎ。君、アイオンは初めて?アイオンをプレイしようと思った目的って何?」
狛くん「俺は狛くんです。アイオンは初めてで、特に目的はないですね。強いて言うなら暇つぶし?」
むぎ「ふ~~~ん。暇つぶしなんだぁ。アイオンするのに女の子じゃないんだあ……。へぇ~~~~~、そ~~~~~」
むぎ「男の子はスケベだもんね、しょうがないよね。うんうん、私はよくわかるよ。欲望解放したいもんね?」
狛くん「えぇ、雌じゃないとだめなんですか!?えぇ、ここってそういう感じの!?えぇ……」
むぎ「でもさあ、私、信用できないんだよね。わざわざ今日始めたようなユーザーで男なんてさあ、複垢、疑っちゃうよねえ?昔BANとかされちゃったんじゃない?」
むぎ「君が本当に初心者だったら申し訳ないけどさあ、ちょっと呪いかけちゃうね。本当に悪いやつだったら見逃した私が悪いって話になっちゃうからさあ」
▶むぎがブツブツと詠唱すると、首のあたりに淫紋のような刻印が出現します
むぎ「明日になったらその首を掻き切るように触手が生まれでてくるだけだから安心してね。死ぬのは1回こっきりだから辛くないよ?ちょっと暗闇に閉ざされるくらいですむからさ」
狛くん「む、かなしみが深い。俺タトゥーってしたことないんですよね。ちょっと恥ずかしいかもしれない」
むぎ「犯人を私に突き出したらその魔法、解除してあげる。自白してくれてもいいんだけどね?」
狛くん「事件ですか?なにやら雰囲気がぴりぴりしてますけど」
むぎ「あーでも、腕くらいは落としといた方が良いかなあ。抵抗されても面倒だしなあ……」
▶そう言いながら、むぎはアイスピックを構えてじりじりと近づいてきます
???「Hey hey hey, okay bro, let's calm down, okay?」
???「おっと、日本だったなここは。とりあえず、その物騒なのを閉まってくれないか兄弟。落ち着いていこうぜ?」
▶コテコテな金髪マッチョの翼人が、肩を竦めながらむぎに近づいてきます。アイスピックを構え直して、警戒の色を強めているのが目に見えてわかりますね
むぎ「また知らない男だあ。犯人って、1箇所に纏まって行動するんだよね?私、知ってるよ?」
むぎ「保険かけておいて正解だったなあ……。アーテルちゃんの敵討をする絶好のチャンスじゃん……!」
狛くん「初心者狩りよくない。俺は事件とは全く関係ないし、こんなことしてたら新規さんが定着しなくなってコンテンツとして終わってしまう。よくない。決めつけはよくない……」
???「こりゃ話を聞いてくれる穏やかな感じはないなぁ?よし、そこのボーイ?」
▶ガタイのいい翼人は犬娘の獣人を召喚します
???「Hey, Jennifer!」
ジェニファー「Yes!」
???「足止め頼んだぜ!逃げるぞボーイ!」
狛くん「わ、逃げる。逃げます!」
???「Goodbye! Pink Girl!」
むぎ「わわっ、ま、待て……!ちょっとーあの見た目と面で召喚士なのズルすぎでしょ……!死んじゃえ死んじゃえ!!」
眼鏡「おい!こっちだ!」
▶逃げ出した狛くんと翼人の前に、眼鏡の男性がこちらに向けて路地裏から手を振ってます
???「Wow? どこのどなたか知らんが助かるぜ兄弟!」
――アルカディア王国 マンホール下の小部屋――
▶路地裏に逃げ込むと、マンホールの下の下水道に降っていきます。眼鏡の男性は自前の鍵を使ってその途中の壁に偽装した扉を開き、小部屋に案内してくれます。書斎のような部屋で壁に大量の本が並んでますね
狛くん「おー秘密基地だ!!誰か知らないけど2人とも助けてくれてありがとうございます!」
川雪「俺は川雪。まあ、見たらわかるよな。2人共アルカディア王国は初めてだと感じたんだが……、迷惑だったか?」
オルター「いやー助かったよ、いい部屋だな兄弟。俺はガイジンだが日本語は大丈夫だ。オルターって言う」
川雪「この街はNPCを殺すと問答無用で死刑だ。今日、街でも人気のNPCが殺されてな。それで街全体が殺伐としてるんだ」
オルター「なるほどな? 俺はちょっと前に始めたんだが、いきなりこのボーイが切りかかられててな、偶然通りかかって逃げてきたって感じさ」
狛くん「なるほど……。そうだったんですね。――冤罪とかは気にしないのか。所詮ゲームだし、少しやりすぎな気もするけど」
川雪「気持ちはわからなくはないんだよ。10年20年毎日会話して世間話をしてみたいな娘が殺されたんだ。所詮NPCと言われりゃそれまでだが、ここで生きる以上は大事な友人なのさ」
オルター「このゲームのNPCは、PCのように復活はしないのか?」
オルター「ジェニファーが……、あーサモンだな。が、召喚で復活してるからてっきりNPCは死なないもんだと思ってたが」
川雪「しないな……。NPCにはセーブポイントが視認できないんだ。最近初めたばかりならアルカディア紅葉ギルドに行くといい。そこでセーブポイントの登録をすれば、死んでもその位置で復活する。だが、セーブポイントが視認できないNPCにはセーブポイントを登録しない今の君達のような状況でずっと過ごしてるような感じだな」
川雪「これを悪用して、セーブポイントで復活した傍から殺して苦痛を与えることで自白を促す拷問とかもある。まあリスキルって言われてるやつだな」
オルター「それは有益な情報だな、何度も助かるぜ兄弟。しかし、悪用すればいくらでもできるもんだな……」
狛くん「親切にありがとうございます。せっかくなら川雪さんにその紅葉ギルドまで連れていってほしいところですけど……」
川雪「構わんぞ。むぎみたいな奴はこの街じゃ珍しくないんだ。普段はいいやつなんだがな」
オルター「で、件の殺されたNPCか? さっきのピンクガールが犯人を捜しているとか言ってたが、まだ見つかってない感じだな?」
川雪「ま、その辺はときがねにも聞けばわかるだろう。着いたら聞いてみるよ。下水道をまっすぐ行けばギルドの近くに出る」
――アルカディア王国 アルカディア紅葉ギルド――
銀河高原「で?1年滞在してんのによろーくんがナンパ出来た数少ないかわいそうな女が。有名なぼっち詰め合わせってこと?あーあーかわいそうに。白銀、あんな口の軽い男は財布以外にしちゃダメだからな」
花崗「まあ、酷い言われようですね」
白銀「承知いたしました。よろー様は財布です」
Yoloしく「日頃から暇そうにしてるのも君たちくらいだしね。その日暮らしのジブンは、心許ないと思うよ」
スカレア「ふむ、しかし今日は何をする?またゴブリン退治か?地道にこの封印を解ける力を付ける、それもまぁ良いが」
銀河高原「てめーら本当危機感ねえのな。アーテルちゃんが死んだんだ。今日は外に出ることすら許してもらえねえぞ」
白銀「つまり外では、我々がゴブリンということです」
花崗「寡聞にして存じ上げないのですが、アーテルさんというのはどなたですか?」
銀河高原「あー……、川雪のアホが来たな。酒飲んどくからそいつから聞けばいいんじゃねえか?」
▶川雪と、知らない人間2人が店にやってきます。2人はセーブポイントの設定をするらしく、2階にセーブポイントの設定をしにいきました。銀河高原がダルそうに説明すると、川雪は怪訝な顔をします
川雪「というか本当にアーテルを知らないのか?君達は」
▶白銀 ローカル知識
失敗
▶スカレア ローカル知識
失敗
▶Yoloしく ローカル知識[レポート]
失敗
▶花崗 ローカル知識
失敗
花崗「特に目的があるわけではないですし……私からすればとりあえず魔物を狩りながら手足を慣らしている感じですね」
Yoloしく「顔くらいは見たことがあるとは思うけど……。まあでも、騎士団の子は可愛いらしい子も多いし、人気なのはわかるよ」
スカレア「ふむ……いや、知らんな。何分俗世には疎いものでな」
銀河高原「こいつら、交友関係がここにいる奴らで全てみたいなのよ。ガチの陰キャが揃ってるわ」
川雪「俺も大概陰キャではあるんだがな……。アーテルはティアル騎士団の新人だ。確か緑髪だったかな。ティアル騎士団に入るようなNPCはみんな美形だ。ファンクラブもあるくらいで、当然アーテルにもファンがたくさんいる。動きはどんくさかったが、仕事には熱心で真面目だったから周囲からの評判も良かったはずだ」
川雪「続きは、そうだな。2人にも聞いてもらおうか。初心者なのにむぎのやつに呪いをかけられたみたいでな。不憫そうだから連れてきた」
銀河高原「ほーん。このご時世に男キャラですか。景気も羽振りも良さそうなお人で。私は銀河高原。酒さえくれれば回復してやる。こいつらは~」
▶そう言って、銀河高原はざっくりメンツの自己紹介をしてくれます
オルター「ボーイ? 先に自己紹介するかい? それとも俺が先でいいかな?」
狛くん「先どうぞ」
オルター「Okay, あー。川雪に紹介してもらった通り、最近IO3を始めたオルターだ。中身はガイジンだが日本語で問題ない。召喚剣士を選んでいる、よろしく頼むぜ兄弟。いやプリティガールズ?」
銀河高原「プリティだってよ。良かったなスカレア。可愛さ重視の衣装だもんな?」
スカレア「その呼び方はよせ……そしてこれのどこが可愛いのだ。封印だと言っておろうが」
狛くん「俺は狛くんです。景気は最悪です。暇なので友達にすすめられたアイオンを始めました。ちなみにゲームは攻略サイトを見ずに自力でやって途中で詰んで放置するタイプです。現在右も左もわかりません。今はこの呪いのタトゥーがチャームポイントかもしれない……」
オルター「日本のゲームは可愛くてそれでいて恰好良くて楽しいよな!」
狛くん「はげしく同意」
花崗「分かります。私もこの格好が可愛くて格好良いと思いますから」
川雪「じゃあ続きだ。俺が聞いた話によると、アーテルが発見されたのは今日の朝。ティアル騎士団の詰所だ。死因は撲殺。恐らく凶器は素手だと思われ、顔面がボコボコだったそうだ」
川雪「アビドス……、シロコダイル率いるギルド「美少女を愛でる会」の略称だ。アビドスの連中によると、それが出来るのは恐らく男だろうとの推測になる」
オルター「ボーイと俺が疑われたのはその推測のせいか……」
川雪「それに、隊長のティアルは昨日から詰所を諸用で離れていてな。普段のティアルは事務仕事で忙殺されていて1日中詰所にいるんだ。いない時を狙ってわざわざ殺しに来るってなると、アルカディア王国に多少は詳しいやつって話になるんだ」
川雪「アビドスの連中が勝手にやってる自警団を知らないくらいで、ティアルがいないのを知ってるってなると、ここ半年位にゲームを始めたか、アルカディア王国に来た男が怪しいってことになるわけだ」
狛くん「計画的犯行ってことですか……。そこまでするには確かな動機がありそう。恨みがあったとか」
銀河高原「残念だが狛とオルター。お前らには客観的に見てシロと確定出来る材料がない。今日始めたとか言われて信用してくれるほどアビドスの奴らは甘くないからな」
銀河高原「――まあ、そいつらに与してるってことで川雪、ひいては私等も巻き添えでリスキルだ。やってくれたなてめーよ」
川雪「何のことかな?僕は困ってる人を連れてきただけさ」
オルター「まさしくその通りだったな。殺されそうになったんで逃げたら川雪が助けてくれた」
銀河高原「……ちっ」
白銀「我々は外だけじゃなく、アルカディア王国内のどこでもゴブリン扱いされてしまうということですね」
銀河高原「シロコダイルが言うには明日の朝までは猶予がある。白銀、私の代わりに調査に行って来い。私はもうちょい自棄酒を飲む」
白銀「承知いたしました。サポート…は不要です。ここの方々、ぼっちばかりで交友関係破綻していますので」
Yoloしく「思ったよりメンタルきてるじゃんか。気持ちはわかるけども」
花崗「さすがに……巻き添えはごめんですね」
川雪「いやあ、話の分かるメンツで何よりだよ……。それで、どこに行けばヒントがもらえるかアイデアがほしいかな」
オルター「プリティガールズにも迷惑をかけているようだし、自分のケツはちゃんと拭くぜと言いたいところだが……。もう少し助けてくれると嬉しい」
▶花崗 観察力[宿題]
成功
▶スカレア 観察力
成功
スカレア「推理小説の受け売りだが、こういうものは現場と最初の発見者、被害者の交友関係を調べるのが良いだろうな」
川雪「そうなのか。じゃあまずは詰所だな。今の時間なら……セレストがいるはずだ」
――アルカディア王国 詰所――
▶アルカディア王国の北東、見張り塔の下にティアル騎士団が生活をしている詰所があります。アビドスと思われる自警団が、君達をかなり不審そうな目で見てきますが、武器を構える位で襲ってはきません。詰所の中には、セレストが困惑した様子で書類仕事をしているのが見えます
Yoloしく「こんにちは、セレストくん。大変そうだね」
セレスト「ああ、よろーさんですか。そちらはいつものPTの方ですよね。なんでこんな出張の時に……」
川雪「セレスト、色んな人に話してるとは思うが、俺達にも状況を教えてくれないか?」
セレスト「ええ……。アーテルはティアル騎士団の一番下っ端です。最近精霊様に見初められたみたいで、仕事もまだ覚束ない位の新人です。ティアル様、ひいてはティアル騎士団は昨日からドリームランドで行われる新大陸調査チームの会合にアルカディア王国代表として呼ばれ、アーテルは留守番をしていました」
セレスト「ただ、留守番とはいってもティアル騎士団には門番の仕事もあります。ですから、その間はフラミー騎士団の私達がティアル騎士団の分も人員を割き、2名に増やしていました。第1発見者は私です。明朝、願いの精霊様が瞬きをするくらいの時間に、門番の業務報告をするために詰所を訪れたところ、死んでいました」
セレスト「当時の記録によると、アーテルには特別懇意にしていたユーザー族がいたようです。ティアル騎士団がアーテルを1人のみ残していたのは、アーテルと特別仲良くしていて、騎士団からの信用もあったユーザー族が1人いた為、残していても2人で作業が出来るからと踏んだのでしょう。門番業務をアーテルが行っている間は、もう1人のユーザー族が事務仕事をしていたと思われる痕跡があります」
セレスト「もう1人のユーザー族の方の行方はわかっていません。アーテルの死因は撲殺のようです。腹などに大量の青痣があり、何度も顔面を含め殴られたのだと思われます」
オルター「失礼、そのもう一人の事務をしていた騎士はなんて名前なんだ?」
セレスト「いえ、ユーザー族は騎士団に入れないのです。ですので、善意からの協力者でしょう。名前はわかってません……。私はフラミー騎士団所属で、普段アーテルと接点もなく……」
花崗「死ぬ程に顔を殴られて、よく本人と特定できましたね……」
セレスト「緑髪の騎士団所属はアーテルしかいませんから……」
Yoloしく「事務仕事をしていた痕跡ってことは、仕事は完了していなかったのかい?」
セレスト「はい。昨日はカンターレから商人の集団が来ていて、その身元確認に追われていたみたいです」
▶オルター 日本語
成功
▶花崗 情報分析[宿題]
成功
▶狛くん サバイバル知識
成功
スカレア「ふぅむ……。いよいよ見事に推理小説案件だな……」
花崗「科学捜査ができないと大変ですね」
オルター「カンターレは……ウィンドフラッグ、旗風だったか? ユーザー族の腕のいい仕立て屋のギルドがあるとネットで読んだ記憶があるな」
狛くん「おお、カンターレ。友達が言ってた。アイオンでまともにお金を稼ぎたいならカンターレの子ギルドに所属して店を開くのが一番だって」
花崗「そうですね。他にお金を稼ぐとなると風俗くらいしかありませんから……」
オルター「子ギルドを勝手に名乗るやつも出てきているとか情報が出ていたな」
川雪「まあ、そうか……。ならカンターレを名乗る奴らの入場記録を見せてもらえるか?」
セレスト「え?ええ……」
▶オルター 経理
クリティカル
オルター「ん? まてよ、不届き者……身元確認……風俗……」
オルター「ボーイ、さっきピンクガールにやられている女の名前思い出してみろ、所属ギルドがカンターレじゃなかったか?」
オルター「カンターレかカンタールか曖昧なんだが、パクったみたいな名前じゃなかったか?」
狛くん「――そうでしたっけ、そんな気がする。カンタールだったと思います。カンターレみたいな名前だなーって思ってた気がするし。……たぶん」
川雪「そうなのか?じゃあ、むぎに会いに行ってリスキルしてるやつから情報を取りに行くか。虚偽報告してたならなにか情報持ってるだろう」
――アルカディア王国 大通り――
▶むぎに話を聞くと、リスキルした結果を教えてくれます。狛くんはオルターの後ろからチラ見するようにむぎを見つめていますね
むぎ「あいつら、ユーザー族の「さらみん」ってやつを誘拐したみたいなのよ。今、そいつのセーブポイントは風俗街の「ドスケベフェラ抜き巫女巫女ちゅっちゅ」に設置させられてるみたい。だからどうって話なんだけど、後2時間位リスキルしたらもうちょっと吐いてくれるんじゃない?」
川雪「なんだその店……」
スカレア「よくは分からんが字面だけでも我行きたくないぞ……」
狛くん「ど、ドスケベフェラ抜き巫女巫女……ごくり」
川雪「興味あるか?あるなら戦闘が片付いたらときがねに聞いたら連れてってもらえるぞ。恐らく常連だろうしな」
オルター「節度は持っているつもりだが、俺も男だからな。わかるぞ、兄弟!」
狛くん「いや、お、俺は別にいい……。俺は結果より過程を重視するタイプなんだ……。そ、そn、そんなこと、できない……」
川雪「よくアイオン始めようと思ったな……」
白銀「皆様お好きですね。ドン引きです」
川雪「何にせよ、「さらみん」とかいうやつを救出して、そいつに証言してもらったら狛くんやオルターくんの汚名も雪がれるだろうな。抵抗にあうかもしれないから、戦闘の準備をしておこう」
Yoloしく 「そんなには待っていられないしね。あとはさらみんくんが本命であるのを祈るだけか」
オルター「さあプリティガールズ全員にドン引きされる前にさっさと救出作戦開始だ!」
――アルカディア王国 ドスケベフェラ抜き巫女巫女ちゅっちゅ――
▶アルカディア王国の北北東にある風俗街、その1つのアパートにその店がありました。武装して突入すると、ボコボコにボコられている男性ユーザー族と、ゴツいナックルの少年のようなアバターがユーザー族をボコっている光景を目にします
少年「おい!あの石はどこにある!!」
男性ユーザー族「知らない、俺は知らない……!!」
Yoloしく「お邪魔だったかな?」
川雪「現行犯ってことで後ろから襲え。俺が先陣を切る。恐らく格上だろうが、全員でかかれば勝てるはずだ。囲んで棒で叩くぞ!!」
▶トランシーバーから川雪がそう話すと、少年アバターの脳天に矢が直撃します。大量の出血からかふらついていて、かなりのダメージを受けているようです
少年「っ痛ぁ……。――っ!!てめーらか!先にぶっ殺してリスキル送りにしてやる!!」
オルター「へいへい、ボーイ?とりあえずその拳を下ろして、その男から離れな?」
スカレア「我が封印さえされていなければ店ごと一発で吹き飛ばしてやったものを……」
Yoloしく「じゃあ封印を解いておけばよかったのでは?」
スカレア「そんな軽々と解けていたら苦労はしない、こんな状況に巻き込まれてすらおらんわ」
Yoloしく「自分の選択なのでは……?まあいいか」
狛くん「うー初めてだからかなり緊張しますね」
▶狛くんはナックルを握り直して、徒手空拳の構えを取ります
▶戦闘前行動 Yoloしく メイキングレイナ
▶戦闘前行動 狛くん オーディナルスケール
▶戦闘前行動 スカレア 聖なる光 花崗閃緑
▶戦闘前行動 花崗 ハニリイト
[ムーブアサルト]13ダメージ
▶白銀 通常攻撃
成功 10ダメージ
[はじまりの季節へ:夜明けに珈琲を]
[メイキングレイナ:煌めく夜へエスコート]
▶Yoloしく 未来のどけき梅の園
21回復
[ムーブアサルト]10ダメージ
[京極]52ダメージ
[メイキングレイナ:夜明けに珈琲を]
[機械たちは旅立ちの夢を見るか?:しづ心なく梅咲き誇る]
17回復
[エンジェルオーナメント]花崗
▶少年アバター パワーフィスト(回避+7。物理6d6)
[ムーブアサルト]17ダメージ
[京極]73ダメージ
▶花崗 回避判定
成功
[烈砕衝破(命中失敗時割り込む。同じマス全体に物理4d4)]
9ダメージ
[白銀:夏彩フレア]
▶白銀 導引で判定
成功
▶狛くん ローカル知識で判定 通常攻撃
[ムーブアサルト]18ダメージ
[京極]72ダメージ
失敗
成功 1ダメージ
[京極]75ダメージ
白銀「犯人を見つけました」
花崗「『デッドマン・ウォーキング:黒』!私の腕へ!『黒風双腕』!」
少年アバター「小賢しいんだよてめえら!死ね!」
オルター「shit! 範囲攻撃か!」
白銀「動けば蹴りますよ」
花崗「これで終わりです!『デッドマン・ウォーキング:黒』!貫け、打ち砕く程重く!『黒風双腕』!」
狛くん「おらおらー!くたばれぱーんち!」
▶スタンドの腕を踏み台にして跳躍し、拳を頭に叩きつけます。うめき声を上げ、なんとか立とうとしていますね
少年「くっ……」
スカレア「ふん、我が手を出すまでも無かったか」
オルター「……俺の出番もなかったな」
白銀「ではこれを突き出しに行きましょう」
Yoloしく「一応話は聞かせてもらおうね。そこの君、まだ元気かい?」
▶なにか喋ろうとした少年の頭に矢が突き刺さります。今度こそ少年アバターは動かなくなりました
川雪「甘いな。まあ、アイオン慣れしてないみたいだし仕方ないか」
狛くん「なにもとどめをさすこともなかったんじゃ……」
川雪「これくらいじゃ死なないさ。ただの麻痺毒だよ」
狛くん「そうでしたか。あんしん」
花崗「手足は落としますか?」
オルター「おいおい、スプラッターは勘弁してくれよ。見てないところで頼む……」
川雪「明日になればどうせ麻痺毒で死んでるだろうから、いらないよ。……まあ、その前にアビドスに殺されてるだろうがね」
川雪「こいつをむぎに突き出して、まず呪いを解いてもらおう。その後は祝杯だな」
狛くん「わーい!」
狛くん「みなさん本当にありがとうございます!巻き込むような形になってしまったのに最後まで付き合ってくれて、しかも本当に事件が解決しちゃうなんて!」
白銀「帰ったらモリブデン入りのグリースを挿してほしいものですね。私、頑張りましたので」
――アルカディア王国 アルカディア紅葉ギルド――
▶むぎに少年を突き出すと、ニコニコで呪いを解いてくれました。意識混濁していたさらみんを元の宿屋にセーブポイントに移し替え、銀河高原に治療をしてもらいました。
狛くん「あ、ありがとうございますむぎさん……。次からは冤罪はないようにしてくれたら、へへ……」
むぎ「ま、アビドスは疑わしきは死だから。悪かったわね」
銀河高原「へえ、犯人捕まえたんだ。ついでに人助けもしてきたと。で、さあ……。さらみんつったか?助けてもらったからには出すもん出してもらわないとなあ?」
さらみん「うっ……、ローンでいいですか……?ギルドのみんなとも話し合わないと……俺今手持ちが……」
銀河高原「いいいい。そっちのギルドに金要求しとっから。当然、私含めて8人分、しっかり頼むわ」
さらみん「ううぅ……」
▶さらみんはとぼとぼと帰っていきました
銀河高原「よーしよしよし!しばらくはゴブリンしばかなくていいぞ!!今日はいつもより多めに飲んじゃおっかな!白銀、酌!」
白銀「ではテキーラをどうぞ」
銀河高原「わかってんじゃねえか。川雪も付き合え」
川雪「まあ、仕方ないか……冤罪証明した後の美酒はいいものだからね」
スカレア「ほぉ、普段のゴブリン退治より報酬が良いとよいな、と思っていたがそのレベルで入るのか。ならば我も飲むぞ」
銀河高原「てめーはダメだ。未成年には酒は提供出来ねえって何度言えばわかる」
花崗「ふふっ、本当は犯人の方も手足を解剖して義肢の参考にしたかったのですが……ままなりませんね」
オルター「プリティガールズ改め、パワフルガールズだな……」
Yoloしく「タダ働きもしたくはないが……、巻き込まれた挙げ句にあれじゃあ可哀想だ」
川雪「懇意にしていた友人も殺されているしな。――不憫なものだ」
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