転生したら推しのマネージャーだった件につきまして

椛楓

第1話価値

生きていても意味がない。


ずっとそう思っていた。


何をやっても上手くいかない、灰色な生活。

何をやっても上手くいって、キラキラした生活を送っている人と比べると虚しくなってしまう。


そうなってしまう私だが、一つだけ生きがいに感じていることがある。


それは推し活だ。


推し活。


最近、メディアでよくこの話を聞くかもしれない。


推し(応援したいと思う、評価するに値すると思う人や物)がいる人は最近は多いのではないか。


こんな私でも推しはいる。


それはShine Melodyのメンバー、入山咲葵いりやま さきちゃんだ。


Shine Melodyとは今話題の女子5人組アイドルグループ。


リーダーで赤色担当の高嶋美紅たかしま みくちゃん。

ピンク担当の角桃香すみ ももかちゃん。

青色担当で私の推しの入山咲葵ちゃん。

緑色担当の早坂葉月はやさか はづきちゃん。

最年長で紫担当の井川ゆかり《いかわ ゆかり》ちゃん。


この5人で構成されている。

名前を見たところでわかるかもしれないが、メンバーはすべて担当している色に関する名前なのだ。


そういう細かいところも私がShine Melodyが好きな理由。


Shine Melodyのメンバーはいつもキラキラ輝いている。

こんな私と比べものにならないほど。


もちろん努力はいっぱいしていると思う。

でもどんなに勉強を頑張ってもクラス平均すら超えられなかったり、朝練から居残りまで努力しても部活でレギュラーメンバーになれなかったり、そういう報われない私とは大違いだ。


やっぱりShine Melodyは名前の通り光り輝いている。


もしかして、自分って存在する価値がないのかな。


そこまで思ってしまう。


キラキラと対極的な位置にいる私。


そう自分のことを思い詰めてしまう。


ふと、時計を見ると針は12時を指していた。


早く寝ないと。そう思い布団に潜り込んだ。


だが、私の頬には思い悩んだ証である水滴が滴っていた。

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転生したら推しのマネージャーだった件につきまして 椛楓 @kaede_momiji_mep

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