第132話 赤目の闇梟戦、決着

 アレクサンダーの命令を受け奴等が取った行動は、各属性の魔法による一斉攻撃だった。


 C〜Bランクの魔法職の奴等が放った魔法は、巨大な弾幕となり俺の逃げ場を塞ぐ。


 瞬時に【土魔法】あるいは【氷魔法】で防御壁を生成しようとしたが、着弾の速い【雷魔法】により妨害される。


 遅れて【雷魔法】以外の魔法が俺に猛威を振るうが、一番高い精神値と各種耐性スキルにより、俺自身の身体にダメージはない。


 ただ、Eランク魔物であるワイルド・ベアの素材で製作された革鎧は無惨な姿になっていた。


 (防具は新調する必要があるな)


 各属性の魔法攻撃による弾幕が落ち着き、俺がまだ生きていることに奴等は驚愕していた。


 だがそれも一瞬だけで、次はそれぞれ武器を所持した奴等が殺意を瞳に宿らせ、一斉に襲いかかってくる。


 奴等の殺気を一身に受け、俺の戦意が高揚するのを感じつつ、剣帯から〈毒刃刺殺の短剣〉を抜く。


 ー【闘気練装】ー


 ー【弱体看破】ー


 【闘気練装】で物理攻撃力と防御力を強化し、【弱体看破】で弱い個体を見つけ出す。


 俺はニヤリと笑みを浮かべると、全力で駆け出す。


 自身が狙われていると気づき、怯えて戦意喪失しかけている仲間を庇うように、他の奴等が前に出る。


 しかし、【縮地】でタイミングを晒し、この中で最も弱い奴の首を斬り落とす。


 『【刺突強化】Lv.5にUPしました』


 「くそっ!」


 あっさりと仲間の1人が殺されたことに、驚愕と激怒の感情を抱き、長剣を振り下ろす。


 容易く長剣を弾き反撃で首元を狙うが、仲間の1人が割り込み大盾で防御する。


 真横から振り下ろされる両刃斧を回避し、背後から迫る長槍を半身になって躱し、強引に長槍を手繰り寄せ首元に短剣を刺しこむ。


 今殺した奴の長槍を手に取り、後衛の魔法職の1人に向かって投擲する。


 大勢に取り囲まれた状態で自身に攻撃が来るとは思わず、胸部を長槍に貫かれて絶命した。


 『【詠唱省略】Lv.5にUPしました』


 『【水魔法強化】Lv.4にUPしました』


 『【豪運】Lv.6にUPしました』


 【気配感知】にも【魔力感知】にも引っかからず、【無音歩法】で接近していた奴の短剣を弾き、胴体に短剣を刺し頭部を掴んで地面に叩きつける。


 『【縮地】Lv.4にUPしました』


 『【二刀流】Lv.4にUPしました』


 「一度離脱! 後衛は奴の動きを止めろ!」


 アレクサンダーの指示を受け、俺を取り囲む奴等が慎重に距離を取る。そして、先程と同じく一斉に魔法攻撃が飛来する。


 魔法の集中砲火を受けながらも、俺は無傷のまま佇む。


 (この程度の攻撃を何度受けようと、大したダメージにはならないぞ)


 集中砲火が収まり駆け出そうとすると、背後から飛来する反応を捉える。背後へ振り返り飛来物を掴むと、鏃には紫色の液体が付着していた。


 「次は状態異常を狙ってきたか」


 次々と飛来するナイフや弓矢を回避し続けているとーーー


 「氷雪棺桶アイス・コフィン


 俺もDランクダンジョンで使用した氷属性の広範囲殲滅魔法が発動し、首元まで氷漬けにされる。


 「焼殺太陽イモレイト・サン


 そして、火属性の広範囲殲滅魔法が発動し、頭上に燃え盛る巨大な太陽が生成された。


 攻撃範囲が広いので今から離脱しても間に合わないが、奴等の攻撃は俺にダメージを与えられないので逃げる必要はない。


 ただ、衣服と革鎧、首輪型魔道具〈想像具現イメージ・マテライズ〉は破損する可能性があるので、防御する必要がある。


 「水盾ウォーター・シールド


 頭上に【水魔法】で巨大な盾を生成する。


 太陽と水の盾が衝突し、多少蒸発した水分が水蒸気となり、燃え盛る炎の勢いが弱々しくなっていく。


 完全に太陽が消失し氷漬けの状態から抜け出すと、奴等は目を見開き驚いていた。


 さて、次は俺の番だな。


 ー【身体強化】ー


 アレクサンダーに狙いを定め一気に駆け出す。


 「お、お前ら! 俺を守れ!」


 我に帰った者からボスを守ろうと動き出すが…もう遅い。


 ー【縮地】ー


 「残念だったな、アレクサンダー」


 目前に迫った俺に対して大剣を振り上げるアレクサンダーだったが、鳩尾に拳を抉るように叩き込まれ意識を失った。


 「他の奴等は用済みだな」


 自分達の劣勢を悟りバラバラに逃げられるのも面倒なので、一気に始末する。


 「絶対零度アブソリュート・ゼロ


 魔法が発動すると同時に、奴等は一切の生命活動を停止し絶命した。


 『Lv.64にUPしました』


 『【身体強化】Lv.7にUPしました』


 『【剣術】Lv.7にUPしました』


 『【槍術】Lv.7にUPしました』


 『【斧術】Lv.7にUPしました』


 『【縮地】Lv.5にUPしました』


 『【二刀流】Lv.5にUPしました』


 『【暗器術】Lv.6にUPしました』


 『【暗殺術】Lv.5にUPしました』


 『【捕縛術】Lv.5にUPしました』


 『【投擲術】Lv.5にUPしました』


 『【気配感知】Lv.7にUPしました』


 『【魔力感知】Lv.7にUPしました』


 『【雷魔法強化】Lv.6にUPしました』


 『【刺突強化】Lv.6にUPしました』


 『【斬撃強化】Lv.7にUPしました』


 『【土魔法強化】Lv.5にUPしました』


 『【土魔法強化】Lv.6にUPしました』


 『【火魔法強化】Lv.4にUPしました』


 『【火魔法強化】Lv.5にUPしました』


 『【火魔法強化】Lv.6にUPしました』


 『【水魔法強化】Lv.5にUPしました』


 『【水魔法強化】Lv.6にUPしました』


 『【氷魔法強化】Lv.5にUPしました』


 『【氷魔法強化】Lv.6にUPしました』


 『【疾走】Lv.7にUPしました』


 『【剛力】Lv.7にUPしました』


 『【絶技】Lv.7にUPしました』


 『【不屈】Lv.7にUPしました』


 『【酩酊耐性】Lv.6にUPしました』


 『【猛毒耐性】Lv.3にUPしました』


 『【麻痺耐性】Lv.3にUPしました』


 『【睡眠耐性】Lv.5にUPしました』


 『【空腹耐性】Lv.5にUPしました』


 『【狩猟】Lv.7にUPしました』


 『【調理】Lv.3にUPしました』


 『【伐採】Lv.3にUPしました』


 『【畜産】Lv.3にUPしました』


 『【解体】Lv.7にUPしました』


 『【測量】Lv.3にUPしました』


 『【製図】Lv.3にUPしました』


 『【設計】Lv.3にUPしました』


 『【木材加工】Lv.3にUPしました』


 『【石材加工】Lv.3にUPしました』


 『【建築】Lv.3にUPしました』


 『【縫製】Lv.2にUPしました』


 『【採掘】Lv.1を獲得しました』


 『【逃走】Lv.6にUPしました』


 『【心眼】Lv.6にUPしました』


 『【気配遮断】Lv.7にUPしました』


 『【魔力遮断】Lv.7にUPしました』


 『【暗視】Lv.7にUPしました』


 『【探索】Lv.7にUPしました』


 『【遠視】Lv.6にUPしました』


 『【詐術】Lv.5にUPしました』


 『【窃盗】Lv.5にUPしました』


 『【拷問術】Lv.5にUPしました』


 『【解錠】Lv.5にUPしました』


 『【変装】Lv.5にUPしました』


 『【奴隷隷属】Lv.4にUPしました』


 『【鑑定】Lv.6にUPしました』


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る