第114話 Dランクダンジョン踏破!
「グォオオオ!」
挑戦者の存在を認識したオーガ・ベルセルクは、この広い空間が揺れるほどの雄叫びを上げた。
俺が雄叫びに怯み動けないと思ったのか、地響きを上げながらこちらに迫ってくる。
鋭く重そうな蹴りが放たれるが、片手で余裕で受け止める。そのまま、足を掴み振り回し、壁に向かって投げ飛ばした。
物凄い勢いで壁に激突したオーガ・ベルセルクは、怒り狂ってすぐに反撃しようとするが、俺の姿が見当たらない。
次の瞬間、目前まで蹴りが迫っていることに気づき、振り抜かれた蹴りによって頭部は木っ端微塵に破壊された。
『【狂戦士化】Lv.5を獲得しました』
蹴り一発で倒せてしまったので喜びは薄い。しかし、オーガ・ベルセルクの死体が消滅すると同時に出現したあの宝箱の中身には、期待せずにはいられない。
煌びやかな装いの高箱に近づき、興奮を抑えるために大きく深呼吸をする。ゆっくりと開けた宝箱の中には、黄金色に輝く指輪が入っていた。
すかさず、【鑑定】で詳細を確認する。
〈指輪〉
・名称 収納の指輪
・等級 Cランク
・状態 ???
・能力 ???
・効果 ???
肝心な能力や効果が不明だが、名称から推測するに、装備や所持品などを収納しておけるってことかな?
早速装着し短剣を収納しようと試みるが、短剣はそのままだ。何をどうすればいいのか分からず、ダメ元で「短剣を収納してくれ」と言ってみると、指輪に吸い込まれるように短剣は消えた。
次は「短剣を出してくれ」と言ってみると、言葉通りになった。
「収納や取り出しには発声が必要なのか?」
疑問に思ったので、先程と同じ言葉を心の中だけで呟くと、声に出した時と同じ現象が起きたので、発声が必要というわけではないようだ。
あと気になることと言えば、容量がどれくらいかってことだな。装備や所持品だけでなく、魔物の死体なども収納できるのか試して、容量限界を確かめてみよう。
「よし! Dランクダンジョン踏破だ!」
途中からは魔物が相手にならなくなってしまったため、広範囲殲滅魔法で倒すだけの作業になっていたが、実際に踏破すると達成感があるな。
達成感を胸に、奥にある上へと続く階段を上る。階段の先には6畳程度の空間があり、そこには魔法陣が淡く輝いているだけだった。
魔法陣の上に立つと眩い程の光に覆われ、目を開けるとダンジョンの入口に転移していた。
「あぁ〜お腹空いたな。今日はダンジョン踏破記念に爆食いしようかなぁ。ほぼ毎日、宿屋とダンジョンの往復だったもんな」
建ち並ぶ露店に視線を巡らせ、美味しそうな料理を大量に購入し、食べ歩く。最後に肉串を購入し、ダンジョンを囲う城壁を出る。
食べ歩きつつ街へ戻るまでの間に、スタータを確認する。主に各種能力値がどれほど伸びたのか気になる。
【ステータス】
・名称 ゴブリン・キング
・性別 雄
・種族 小鬼
・称号
・加護
・Lv.63
・魔力 6,942(2,312+4,630)
・筋力 6,710(2,310+4,400)
・頑丈 6,290(2,310+3,980)
・敏捷 4,482(2,312+2,170)
・知力 7,140(2,310+4,830)
・精神 8,480(2,310+6,170)
・器用 5,972(2,312+3,660)
・幸運 7,442(2,312+5,130)
【職業】
上級魔導士
【スキルポイント】
残量 30
【スキル(簡略Ver)】
[魔法系統]
・【光魔法】Lv.6(NEW)
・【闇魔法】Lv.6(NEW)
[戦闘系統]
・【体術】Lv.7(1UP)
・【狂戦士化】Lv.5(NEW)
[感覚系統]
・【熱源感知】Lv.5(1UP)
・【音波感知】Lv.5(NEW)
[強化系統]
[増加系統]
[耐性系統]
・【闇魔法耐性】Lv.6(NEW)
・【温暖耐性】Lv.5(NEW)
[生活系統]
[補助系統]
・【隠蔽】Lv.9(1UP)
・【弱体看破】Lv.4(NEW)
・【水泳】Lv.6(NEW)
・【潜水】Lv.5(NEW)
[ユニークスキル]
[魔物系統(使用可能)]
・【細菌感染】Lv.6(NEW)
・【吸血】Lv.6(NEW)
・【発病】Lv.6(NEW)
・【自己再生】Lv.5(NEW)
・【技能模倣】Lv.6(NEW)
・【浮遊】Lv.6(NEW)
・【泣声響襲】Lv.6(NEW)
[魔物系統(使用不可)]
・【結骨再生】Lv.7(NEW)
・【同族変化】Lv.5(NEW)
・【麻痺爪】Lv.6(NEW)
・【骨喰強化】Lv.6(NEW)
・【生気吸収】Lv.5(NEW)
・【失血毒牙】Lv.4(NEW)
・【神経痺毒】Lv.5(NEW)
各種能力値の平均は6,700。7〜10階層の攻略で800ほど伸びたことになる。
8階層と9階層は大群を誘き寄せるスイッチが無かったため、効率的な狩りができず、スキルレベルをあまり伸ばせなかったのが原因だ。
それでも、このダンジョンを訪れる前と比べれば、俺は飛躍的に成長することができた。
今の俺がどれほど強くなったのか、お世話になったブライアンさんに報告したいが、まだランクはDなのだ。
Dランクのままでどれだけ強くなったのか報告しても、説得力に欠けるだろう。なので、早くSランク冒険者になる必要がある。
ランク上げと今の俺がどの程度なのか確かめるためにも、次の上位狩場や上位のダンジョンに向かわなければならない。
「明日、冒険者ギルドで情報を収集して、すぐに街を出よう」
今後の予定を考えつつ街に戻り、色々な店を物色し始めた。
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