第112話 9階層は広大な海
こまめに【水魔法】で水を生成し、頭から水を浴びたり、水分補給をしながら進んでいた。
【温暖耐性】を獲得してから、暑さは多少緩和されたが、まだまだ身体から噴き出る汗は止まらない。
しかしそんな事情などお構いなしに、ここの魔物は容赦なく襲いかかってくる。奴等はこの環境に適応しきっているため、元気一杯だ。
『【温暖耐性】Lv.5にUPしました』
ファイアー・ウルフの噛みつきを回避し、
襲ってきた奴は燃え盛る炎を全身に纏う熊だった。
【ラヴァ・ベア】
・【突進】Lv.4
・【爪術】Lv.4
・【打撃耐性】Lv.3
・【斬撃耐性】Lv.3
・【刺突耐性】Lv.3
・【火魔法耐性】Lv.4
・【温暖耐性】Lv.4
所持スキルはワイルド・ベアと大して変わらないし、倒すのは容易い。勢いよく【突進】してくるラヴァ・ベアに向かって、
続いて襲ってきたのは炎を身に纏う鳥だった。と言っても、ロックバードよりも全然小さく、大きさは一般的な鳥と変わらない。
【ファイアー・バード】
・【火魔法耐性】Lv.4
・【温暖耐性】Lv.4
・【飛翔】Lv.4
燃え盛り近づくファイアー・バードを一蹴すると、ドロップした硬貨を拾い上げ、先は進む。
「…この地形だと、今までの階層のようにスイッチを踏んで大群を誘き寄せるのは無理じゃないか?」
道幅は狭く周囲を溶岩に囲まれているこの地形では、大群で押し寄せることはできない。
まぁこの熱気の中、永遠と2〜3匹ずつ襲われるのは脅威だが、周囲を見渡しても、今までの階層より魔物が少ないのは明らかだ。
てことは、魔物の大群を用意するのが難しいので、もしかしたらこの階層にスイッチは無いのかもしれない。
その後、【探索】でスイッチを探し続けたが見つからず、いい加減熱気が鬱陶しくなってきたので、次の階層への入口を探すことにした。
ここは魔物の数も少ないしスキルレベルを上げるのに適していない。なので、上位のダンジョンで高レベルの同名スキルを獲得して、スキルレベルを上げたほうが効率的だろう。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
9階層へ続く階段を上り、眼前に広がるフィールドを見つめる。おそらく10階層へ続く入口が奥に見えており、そこまで一本道が伸びている。
そして、その一本道の左右には広大な海が広がっており、とても眺めがいい。
魔物が道の上に存在していないことから、この広大な海の中に魔物がおり、道の上を歩いていると左右から襲ってくるのではないだろうか。
そのように予想しつつ、8階層よりも遥かに過ごしやすい9階層を進んでいく。すると、すぐに各種感知スキルが複数の反応を捉えた。
水中から勢いよく飛び出して来たのは、ギルマンという魔物だった。姿形はホブゴブリンに似ており、違いは体皮が水色なのと、水掻きがついているくらいだ。
【ギルマン】
・【槍術】Lv.4
・【水魔法耐性】Lv.4
・【水泳】Lv.4
三匹同時に槍を突き出し襲ってくるので、咄嗟に屈んで回避し、次々と殴殺していった。
『【水泳】Lv.4を獲得しました』
しゃがみ込み硬貨を拾い上げようとすると、水中から10匹以上の小魚の魔物が飛び出す。
何故か頭部に吸盤がある青白い小魚の魔物は、レモラという。
【レモラ】
・【異臭感知】Lv.4
・【水魔法耐性】Lv.4
・【氷魔法耐性】Lv.4
・【水泳】Lv.4
【水魔法】だけでなく【氷魔法】まで耐性があるようだ。一度その場を【跳躍】して距離を取り、再度海に飛び込んでいくレモラの群れを見据える。
すぐに【詠唱省略】の設定を【光魔法】から【火魔法】に変更する。
旋回して、こちらに迫るレモラの群れが飛び出すタイミングに合わせて、【火魔法】を発動する。
「
立ち昇る
『【水泳】Lv.5にUPしました』
「さてっと、次はどんな奴が来るんだ」
既に反応は捉えているので、どんな魔物が襲ってくるのか待っていると、口先に剣身を備えた大型の魚の群れが飛び出してきた。
【ソード・フィッシュ】
・【突進】Lv.4
・【水魔法耐性】Lv.4
・【水泳】Lv.4
・【潜水】Lv.3
剣身を備えているが【剣術】は所持していないようで、【突進】で加速しつつ敵を串刺しにするのが狙いのようだ。
先程と同様に
『Lv.63にUPしました』
『【潜水】Lv.3を獲得しました』
『【潜水】Lv.4にUPしました』
『【潜水】Lv.5にUPしました』
「シャー!」
威嚇と共に噛みつこうとしてきた蛇の魔物を鷲掴む。外見は〈ハザール〉の森で何度も戦った蛇とあまり変わらない。
【シー・スネーク】
・【熱源感知】Lv.4
・【跳躍】Lv.4
・【水泳】Lv.3
・【神経痺毒】Lv.4
「うっわ! やばそうな毒を持ってるなぁ」
所持スキルを視たことで、思わず力が入り握り潰してしまう。
『【神経痺毒】Lv.4を獲得しました』
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