第111話 ゴブリン・キングに進化
周囲に散乱している硬貨を1枚1枚拾いながら、先程レベル60に到達した時に聞こえた通知を思い出す。
『Lv.60に到達したことを確認しました』
『ゴブリン・キングへの進化を開始します』
『ゴブリン・ジェネラルからゴブリン・キングへの進化が終了しました』
色々確認する必要があるが、まずは硬貨の回収を優先し、今に至る。
少し時間がかかったが、回収し終えた金貨と白金貨を合わせると、真銀貨2枚と虹金貨14枚分だった。
またしても、1階層あたりの最高額を更新し、懐事情が暖かくなってきた。もしかしたら、高級な武具や魔道具を、それも複数購入できるのではないかと思ってしまう。
それに、今は一般的な宿屋に宿泊しているが、そのグレードを上げ、高級な宿屋に宿泊してみるのもいいかもしれない。
色々と妄想してしまったが現実に意識を戻し、8階層へ続く階段を探索し始めた。
数十分程度で階段を発見し、階段の途中にある部屋へと入った。部屋の中に誰もいないことを確認し、首輪型魔道具〈
変身が解けた後の腕や足を見てみると、オークやオーガに匹敵するほど、太くて大きかった。
俺が見た異世界モノでは、ゴブリン・キングはオークと似たような体型だったが、お腹に視線を向けると腹筋が割れており、俺の身体はオーガと同じ、筋肉の鎧でできていた。
それに周囲を見渡す視線も、バスケットゴールが同じ目線にくるくらい高い気がする。
最弱のゴブリン種ではあるが、王にまで進化したこともあって、劇的な変化があった。まだレベルは60台だが、この先も進化するのか楽しみだ。
「王の次は何だろうな? 皇帝とか? それとも、種族自体が変わるのだろうか」
そんなことを考えつつ、レベル60を超えたので、職業一覧を表示する。
【職業一覧】
[6次職]
・【剣王】 ・【盾王】 ・【弓王】
・【槍王】 ・【斧王】 ・【闘王】
・【上級魔導士】
6次職も全て解放されており、武器系統に至っては、俺と同じように王を冠するものばかりだ。
このダンジョンを訪れてから、効率的かつ迅速に攻略するため、広範囲殲滅魔法を多用し続けた。
俺自身は近接格闘のほうが好みではあるが、大量の格下を相手するなら魔法が一番簡単なのだ。
このダンジョンを踏破後、多くの街や国を巡るつもりだが、Dランク以下の狩場やダンジョンに行くことはほとんどないだろう。
手っ取り早く強くなるには、狩場よりもダンジョンのほうが効率的だ。そうなると、魔法戦闘を伸ばすほうが最良選択だと思う。
その後、少し考えたが結果は変わらず、俺は【上級魔導士】を選択した。
【上級魔導士】
筋力値、頑丈値、敏捷値、器用値+320。知力値、精神値、幸運値+640。
〈
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
8階層に到着すると、頬を撫でたのは熱気だった。その熱気は眼前のフィールドから放たれており、すぐ側を溶岩が流れている道や亀裂が橙色に明滅する岩などがあった。
「フィールドの雰囲気がガラッと変わったな。俺は軽装だからまだマシだが、こまめに水分補給をしておかないと、熱中症や脱水症状で死ぬ危険性があるな」
そして、この熱気の籠る火岩洞に魔物を探す。最初に遭遇したのは、ファイアー・リザードという魔物。
全長は3メートルほどあり、体皮は橙色。テレビで見たことのある、コモドオオトカゲにそっくりな姿形をしている。
【ファイアー・リザード】
・【突進】Lv.3
・【異臭感知】Lv.4
・【火魔法耐性】Lv.4
・【温暖耐性】Lv.4
・【失血毒牙】Lv.4
注意するべきは【失血毒牙】だな。スキル名に牙とあるくらいだから、噛みつかれると毒の状態異常になるという感じかな。
だったらーーー
「
体高も低く戦いづらい相手なので、さっさと頭部を破壊して倒した。
『【温暖耐性】Lv.4を獲得しました』
『【失血毒牙】Lv.4を獲得しました』
目前まで迫る
【ラヴァ・スライム】
・【火魔法】Lv.4
・【打撃耐性】Lv.4
・【斬撃耐性】Lv.3
・【刺突耐性】Lv.3
・【火魔法耐性】Lv.4
・【温暖耐性】Lv.4
・【溶解】Lv.4
・【吸収】Lv.4
同じスライム種のようだが、【火魔法耐性】と【温暖耐性】がある分、こちらのほうが厄介だ。
それでも、
【ファイアー・ウルフ】
・【突進】Lv.4
・【弱体看破】Lv.4
・【火魔法耐性】Lv.4
・【温暖耐性】Lv.4
・【跳躍】Lv.4
【弱体看破】というスキルは面白そうだな。もしかして、敵の弱体化を見抜けるスキルだったりして…。
ファイアー・ウルフの噛みつきを回避し、
『【弱体看破】Lv.4を獲得しました』
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