第104話 5階層、攻略完了

 各種武器持ちの上位種の大群を殲滅した後、辺りに散乱する硬貨を1枚1枚拾い始める。


 (278枚…279枚…280枚っと)


 ドロップした硬貨は白金貨なので、先程の戦闘だけで虹金貨2枚と真銀貨8枚分を稼いだことになる。


 単独で魔物の大群を殲滅できる実力があれば、ダンジョンは一攫千金を得られる場所になる。


 ステータスを表示し、【体術】【剣術】【槍術】【斧術】【盾術】【弓術】がレベル6以上となり、目標を達成したことを確認した。


 各種武器持ちの上位種が共通して【棍棒術】を所持していたので、レベル7にまで上げられた。


 【棍棒術】【体術】【剣術】【槍術】【斧術】は筋力値が増加するので、思った通り大幅に筋力値を伸ばすことができた。


 そして、レベルも41から49まで上昇したので、スキルポイントの残量が45になった。


 (これなら、【隠蔽】のレベルを上げられるな)


 早速、スキルポイントを40消費して、【隠蔽】のレベルを上げた。


 『【隠蔽】Lv.8にUPしました』


 やるべきことを終えると、環境破壊の跡が残るその場を後にし、5階層に向かった。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 フィールドは4階層と変わらず、周囲にいる魔物に目を向ける。それぞれ【鑑定】と【心眼】で視ていく。


 「オーク、ハイオーク、ワイルド・ベア、ジャンプ・ディア、ゴブリン・ソードマン、ゴブリン・マジシャンと…俺と同じゴブリン・ジェネラルか」


 初めて見る魔物はゴブリン・ジェネラルのみ。身長はオークよりも少し低い感じなので、185〜195センチメートルくらいある。


 容姿はゴブリンと同じで、嫌悪感を抱くほどに醜い。しかし、鍛え抜かれ引き締まった身体つきをしているので、弱そうには見えない。


 ゴブリン・ファイターやゴブリン・マジシャンがEランクの魔物だとすると、ゴブリン・ジェネラルはDランクの魔物なのかな?


 そうなると、ハイオークと同等の強さはあることになるが…未所持のスキルも2つほど持っているし、一度だけ戦ってみるか。


 狙いをゴブリン・ジェネラルに絞り、距離を詰めていく。


 「ブモォオオオ!」


 「五月蝿い」


 「グゥオオオ!」


 「お前も五月蝿い」


 雄叫びを上げ向かってくるオークやワイルド・ベアなどを一撃に殴殺し、進んでいく。


 ゴブリン・ジェネラルはゴブリン・ソードマン、ゴブリン・マジシャンと共に行動しているようだ。


 ゴブリン・マジシャンから放たれる土弾ランド・バレット土矢ランド・アロウを破壊し、風鎌ウィンド・スラッシュを回避しつつ、距離を詰めていく。


 振り下ろされる長剣を躱し、ゴブリン・ソードマンを殴ると、頭部が爆散して絶命。


 次はゴブリン・ジェネラル自ら前衛を努めるようで、前に出てきた。


 「グギャ!」


 ゴブリン・ジェネラルが大きく叫ぶように鳴くと、俺の身体が硬直する。


 (ん? なんだ? 身体が全く動かない)


 微動だにしない俺に近づき、頬を思いっきり殴るゴブリン・ジェネラル。ゴブリン・マジシャンもここぞとばかりに、魔法で攻撃してくる。


 だが、殴られた衝撃で硬直が解け、何が起きたのか理解できていなかったが、ゴブリン・ジェネラルが何かをしたのだ。


 また同じ状況になる前に、知覚速度を超えた動きで、ゴブリン・ジェネラルの頭部へ拳を振り抜いた。


 『【威圧】Lv.4を獲得しました』


 『【指揮】Lv.4を獲得しました』


 ゴブリン・マジシャンも手早く始末すると、先程の原因は何だったのか、獲得した新規スキルの詳細を確認した。


【威圧】Lv.4

 対象を視認した状態で殺意を込めた気を放ち、畏怖を抱かせ行動不能にするスキル。対象は一人、ステータスに大きな差があれば、相手を気絶させることも可能。魔力+80


【指揮】Lv.4

 指揮を執る者の思考を指揮下にある者達へ伝達するスキル。有効範囲は半径50メートル。知力値+80


 先程の硬直状態は【威圧】の効果のようだ。俺とゴブリン・ジェネラルのステータスに大きな差があったから、気絶はしなかったんだろうな。


 一瞬の硬直状態は隙が生じるので、存在するのかは分からないが、専用の耐性スキルが欲しいところだ。


 ちなみに、ゴブリン・ジェネラルからドロップした硬貨は白金貨5枚だった。


 ゴブリン・ジェネラルの所持スキルや強さも確認し終えたので、ここに用はない。他の魔物は既に戦ったことがあるしな。


 他の魔物を無視しつつ、【探索】でスイッチを探し、大群を誘き寄せる。


 「万雷招来ミリアッドサンダー・インヴァイト


 押し寄せる大群の頭上に降り注ぐ無数の雷。


 思わず耳を塞ぎたくなる程の轟音と目を閉じたくなる程の閃光が絶え間なく続き、大群はなす術なく、その命を散らしていった。


 『Lv.50にUPしました』


 『Lv.51にUPしました』


 『Lv.52にUPしました』


 『Lv.53にUPしました』


 『Lv.54にUPしました』


 『Lv.55にUPしました』


 『【突進】Lv.6にUPしました』


 『【爪術】Lv.6にUPしました』


 『【威圧】Lv.5にUPしました』


 『【威圧】Lv.6にUPしました』


 『【指揮】Lv.5にUPしました』


 『【指揮】Lv.6にUPしました』


 『【異臭感知】Lv.6にUPしました』


 『【跳躍】Lv.6にUPしました』


 『【精力絶倫】Lv.6にUPしました』

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