第103話 4階層の大群を容易く殲滅

 犯罪組織の証拠書類を手に取り、自室を後にする。


 一階でテーブルの上を拭いていた女性店主に金貨5枚を支払い、宿屋を出た。


 食事がまだだったので、道中で肉串を50本購入し、食べ歩きながら衛兵の詰所へ向かった。


 「すみません」


 詰所にいた一人の衛兵に声をかける。


 「ん? 何か用か?」


 「これを見てください」


 衛兵は言われた通り書類を受け取り、上から下へと読み始める。1枚2枚と紙を捲り、全てを読み終えた後、一息吐いてこちらに質問してきた。


 「この書類は何処で入手した?」


 「〈執拗な毒蛇〉の拠点で、2階にあるボスの部屋の机から入手しました」


 「君は傭兵か? 傭兵ギルドの依頼で組織に潜入していたのか?」


 「私は冒険者です」


 ウエストポーチから冒険者の証明書ライセンスを取り出し、彼に見せる。


 「…そのようだな。冒険者が何故、犯罪組織の拠点にいたんだ?」


 「ダンジョン内でその組織の奴等に強引な勧誘を受け、断ったら殺されかけました。それで、報復のために奴等の跡をつけ、拠点に入りました」


 「なるほど。確かに、ダンジョン内は法の及ばない無法地帯だから、似たような被害は耳にしたことがある。この証拠があれば、奴等を捕まえることができるだろう。協力感謝する」


 「お役に立てて良かったです」


 (まぁ全員皆殺しにしているから、捕まえるのは無理だけどな)


 あとは、衛兵や騎士の仕事だろうし後始末は任せて、俺はダンジョンに挑もう。


 そのまま城門を出ると、遠目に見えるダンジョンに向けて歩き出した。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 ダンジョンを囲う城壁を通り過ぎ、建ち並ぶ露店で追加で肉串を50本購入し、腹を満たした。


 早速ダンジョンの入口を潜り目を開けると、最初の時とは違い魔法陣のある部屋に転移していた。


 これはどういうことなのかと思ったが、とりあえず部屋を後にし、階段を降りていく。


 目前に広がる草原フィールドと周囲にいる魔物を見て理解した。


 ダンジョン外に出たとしても、攻略階層はリセットされず、途中から再出発できるようだ。


 1階層からやり直す必要がないことが分かり、足取り軽く降りてきた階段を上り始めた。


 階段を上り切ったところで、眼前に広がる4階層のフィールドは林だった。そして、出現する魔物は、手にそれぞれの武器を持つホブゴブリンの上位種達。


 3階層では各種魔法を所持するビッグ・スライムの上位種が相手だったので、魔法系統のスキルが充実し、スキルレベルも上がった。


 ここでは武器系統のスキルを魔法系統と同じように、レベル6以上にすることを目標としよう。


 そうすれば、主に筋力値が大幅に伸ばせそうだ。


 早速、剣を所持したゴブリン・ソードマンと盾を所持したゴブリン・シールダーの2匹に向かって駆け出した。


 意外なことにこの2匹は連携を取れるようで、俺の行手を阻むべくゴブリン・シールダーが前に出て、盾を構える。


 でも、今更Dランク程度の魔物に苦戦することはなく、盾ごと回し蹴りで吹き飛ばすと、振り下ろされた長剣を回避し、首を斬り落とす。


 よろめきながら立ち上がるゴブリン・シールダーも倒すと、前方から矢が飛来してきた。


 『【盾術】Lv.4にUPしました』


 矢を掴み取ると射線を辿り、ゴブリン・アーチャーに向けて【雷魔法】を放つ。


 「雷撃ライトニング


 バリバリバリィィィ


 一瞬で額を撃ち抜かれ、その場に倒れた。


 『【弓術】Lv.4にUPしました』


 ドロップした硬貨を回収し、あまりの手応えの無さに独り言を呟く。


 「うーん…既にステータスはDランクダンジョンの適性を超えている感じかな。ここからは攻略速度を上げるために、魔物を大量に誘き寄せる罠を探し、広範囲魔法で殲滅したほうが早いな」


 早速【探索】でスイッチを探しつつ、接敵した魔物は斬り伏せていく。


 少し時間はかかったが、スイッチを見つけることができた。


 スイッチを踏む前に、【詠唱省略】の3つ目の魔法に【水魔法】を設定する。


 これで準備はよし! 


 全て殲滅してやるくらいの気持ちでスイッチを踏む。すると地鳴りが響き、それぞれの武器を片手に奇声を上げながら、走り寄る大群。


 思わず笑みが溢れ、各方位に向かって広範囲魔法を撃ち込んでいく。


 「それは灼熱の業火の化身なり、その触れるもの者を悉くを焼き尽くす焔よ、地上に存在する生命あるものを全て焼き尽くし火葬せよ、焼殺太陽イモレイト・サン


 「風よ集い荒れ狂い嵐となり、吹き荒れる嵐の牢獄に捕縛し、悉くを斬り刻み屠る死神の鎌よ、敵対者に無慈悲なる死を与えよ、暴風死鎌ストーム・デスサイズ


 「氷雪棺桶アイス・コフィン


 「津波タイダル・ウェイブ


 「遊泳魚雷スウィム・トーピードー


 『Lv.42にUPしました』


 『Lv.43にUPしました』


 『Lv.44にUPしました』


 『Lv.45にUPしました』


 『Lv.46にUPしました』


 『Lv.47にUPしました』


 『Lv.48にUPしました』


 『Lv.49にUPしました』


 『【棍棒術】Lv.6にUPしました』


 『【棍棒術】Lv.7にUPしました』


 『【剣術】Lv.6にUPしました』


 『【体術】Lv.6にUPしました』


 『【盾術】Lv.5にUPしました』


 『【盾術】Lv.6にUPしました』


 『【弓術】Lv.5にUPしました』


 『【弓術】Lv.6にUPしました』


 『【槍術】Lv.5にUPしました』


 『【槍術】Lv.6にUPしました』


 『【斧術】Lv.6にUPしました』


 


 

 

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