第63話 一箇所目(前方)殲滅
【集敵】を発動した瞬間、木々に留まっていた小鳥が一斉に羽搏く。
ガサガサガサ、バキバキバキ
小鳥が一斉に羽搏いたと思ったら山林が騒めきだし、草を掻き分ける音や木枝が折れる音が響く。
「アレン、油断するなよ。気を引き締めろ」
「はい」
大きく深呼吸をし、【熱源感知】【異臭感知】【気配感知】【魔力感知】を発動させ、襲撃に備える。
最初に魔物達が感知範囲に入ってきたのは前方からだった。
前方だけでも、十匹以上の魔物達がこちらに迫っている。
(これは予定変更だな)
「ブライアンさん! 最初に接敵するのは前方からです! 数は最低でも十匹以上はいます! なので、ブライアンさんの周囲を
「おう! 分かった!」
「土よ、何物も通さぬ壁となれ、
【土魔法】を四回詠唱し、ブライアンさんと荷車の前後左右を
これで心置き無く戦える。
そして、最初に襲いかかってきたのはワイルド・ベア五匹とジャンプ・ディア三匹だった。
最初から全力で行くぞ!
【身体強化】【縮地】を発動し、一匹目のワイルド・ベアの頭部に大剣を振り下ろし、真っ二つに両断する。
一匹目のワイルド・ベアを殺したことにより、他の魔物達が俺を敵と認識し、連携を取ることもせずに攻撃してくる。
噛みつこうとしてきた二匹目のワイルド・ベアの頭部を足場にして【跳躍】し、三匹目のワイルド・ベアの頭部に大剣を振り下ろす。
【突進】してきた一匹目のジャンプ・ディアの剛角を大剣を横にして受け止め、下顎を膝蹴りで強打する。
四匹目のワイルド・ベアが剛腕と鋭い爪を振り下ろしてくるので大剣を横薙ぎに振るい、剛腕を斬り落とす。
剛腕を斬り落とされたワイルド・ベアを押し退けて、五匹目のワイルド・ベアが噛みつこうとしてくる。
後方に【跳躍】して噛みつきを回避し、【縮地】で一気に距離を詰めて、大剣を振り抜く。
その剛腕で俺を捕まえようとする二匹目のワイルド・ベアに向かって大剣を横薙ぎに振るう。
ワイルド・ベアの顔面に斬線が浮かび上がり、血飛沫を上げて絶命した。
『【爪術】Lv.4にUPしました』
剛腕を斬り落とされた四匹目のワイルド・ベアが激痛で苦しそうな呻き声を上げて、悶えているところにとどめを刺す。
ワイルド・ベアの死体を【跳躍】で飛び越えて【突進】してきた二匹目のジャンプ・ディアの額に拳を振り抜き、頭蓋骨を粉砕する。
地面に沈むジャンプ・ディアを足場にして【跳躍】し、三匹目のジャンプ・ディアの頭部に大剣を振り下ろす。
そして、息つく暇もなく、前方から
次はゴブリン・ファイター二匹、ゴブリン・マジシャン二匹、オーク五匹だ。
オーク五匹がお互いに押し退けるようにして、迫ってくる。
これなら、ゴブリン・マジシャンの魔法攻撃は警戒しなくて済むな。
まだ、距離があるから【雷魔法】で何匹か足止めしよう。
「雷霆よ、敵を射抜く矢となれ、
バリバリバリィィィ
【雷魔法】を三回詠唱し、三匹のオークが一時的に麻痺して行動不能になる。
一匹目のオークが巨大な拳を振り抜く。それを半身になって躱し、【跳躍】してオークの首を斬り落とす。
『Lv.18にUPしました』
首を斬り落とされ、膝から崩れ落ちるオークの右肩を足場にして【跳躍】し、二匹目のオークの頭頂部に大剣を振り下ろす。
そして、麻痺して行動不能になっていたオーク達が動き出す。
「「「ブモォオオオ!」」」
三匹目のオークを【縮地】で一気に距離を詰めて、大剣を振り抜く。身体を真っ二つに両断されて倒れるオークの右肩を足場にして【跳躍】し、四匹目のオークの首を斬り落とす。
『【悪臭】Lv.3にUPしました』
首を斬り落とされ、膝から崩れ落ちる四匹目のオークの左肩を足場にして【跳躍】し、五匹目のオークの頭頂部に大剣を振り下ろす。
『【打撃耐性】Lv.4にUPしました』
これでオークは全滅。残りはゴブリン・ファイターとゴブリン・マジシャンのみ。
一気に駆け出し距離を詰めようとするが、二匹のゴブリン・マジシャンが
【風魔法】を体勢を低くして躱し、
「雷霆よ、敵を貫け、
バリバリバリィィィ
着弾の早い【雷魔法】を二回詠唱し、ゴブリン・マジシャンを麻痺させ、行動不能にする。
その間にゴブリン・マジシャンを守るように立ち塞がる二匹のゴブリン・ファイターを倒す。
【縮地】で一気に距離を詰めて、一匹目のゴブリン・ファイターの身体を真っ二つに両断する。
二匹目のゴブリン・ファイターが鋭く振り抜いた拳を半身になって躱し、すれ違い様に首を斬り落とす。
前衛がいなくなり、二匹のゴブリン・マジシャンが苦し紛れに
【身体強化】で強化された敏捷値で素早く距離を詰めて、一匹目のゴブリン・マジシャンの身体を真っ二つに両断し、二匹目のゴブリン・マジシャンの首を斬り落とした。
「ふぅ…まずは一箇所殲滅完了」
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