第34話 獣欲

 アドルフ、ボビー、クライド、アンジェラの四人の冒険者パーティーを返り討ちにした後、俺は空に向かって溜め息を吐いた。


 「はぁ…後味が悪い戦闘だった…」


 特に最後のボビーとの戦闘は、仲間を殺されて引くに引けなくなったボビーを仕方なく殺さなくてはいけなかったので、遣る瀬無い気持ちになった。


 俺と彼等にとって最良の選択はなんだったのか。今更考えても仕方のないことだが、考えられずにはいられない。


 なぜなら、俺は魔物でありながら、人類種との友好的な交流を望んでいるからだ。 


 しかし、世界は俺に現実の厳しさを直視させる。それはお前のエゴであり、魔物と人類種が分かり合える日が訪れることはないと。


 でも、[ハザール]の森で出会った三人とは、森を抜けるまでの短時間ではあったが、小さな友情が芽生えるほどには仲良くなれたんだ。


 可能性は限りなく0に近いかもしれないが、0ではないんだ。俺はそう思いたい。


 ………それとも、アラン、ブラッド、エイミーの三人も表情には出さないだけで、俺に敵意や殺意を抱いていたのだろうか。


 自分達の家族が住む村に魔物である俺を誘ったことにも、何か裏があったのではないか。そんなことも考えてしまう。


 外見は魔物であっても中身は人間なのだ。非力で臆病な人間であったが故に、一度疑心暗鬼に陥ると、勝手な憶測で不信感を抱き続けてしまう。


 一度目は元人間の転生者であるということを信じてもらえず、逃走する俺を一方的に襲ってきた。


 二度目は迂闊に近づくこともなく、言葉も交わさず、敵対行動もしなかったが、襲われた。


 理由は明確だ。俺が魔物であるから。


 ボビーも言っていたが、冒険者とは民の安全と生活を守るために、魔物を討伐するのだ。


 冒険者にとっては…いや、この世界の人類種にとっては正当な行為であり、何も間違ったことではない。


 だから、被害者である俺が悪者になってしまうのだ。


 では、どうするのが最適解なのか。


 対話を通して中身が人間であることを伝えても外見が魔物である以上、相手の不信感が払拭されることはないだろう。


 人類種と関わらなければいいと思うかもしれないが、それは無理だ。これからもレベルを上げるために多くの狩場を訪れる予定だ。


 そこには当然、そこの魔物を糧にする冒険者がいるだろう。俺が関わろうとしなくても、相手は俺を討伐しようと襲ってくる。


 その繰り返される現状を打破するには、俺が最強になって、生殺与奪の権利を握るしかない。


 今の俺では、自分を守ることと生き延びることで精一杯。だから、英雄と呼ばれるSランク冒険者であろうと、軽く捩じ伏せる存在になれば、人間を殺さなくて済む。


 「ここは元いた世界より、弱肉強食が顕著な世界。自分のエゴを貫き通したいなら、強くなれってことだな」


 俺は見上げていた空から周囲にある四人の死体に視線を移し、死体を集め始めた。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 四人の死体と武器、戦闘直後に彼等に投げ飛ばしたホブゴブリンの死体を回収する。


 最初に殺したクライドの所持品を物色し、鉄製の槍とポーション三本、硬貨数枚を確保する。


 革鎧はサイズが合わず、冒険者の証明書ライセンスは所持していても意味がないので放置。ちなみに、ランクはFだった。


 二番目に殺したアンジェラを後回しにし、三番目に殺したアドルフの所持品を物色する。


 鉄製の長剣とポーション三本、硬貨数枚を確保する。


 「なるほど、アドルフはEランク冒険者だったのか」


 アドルフが所持していた冒険者の証明書ライセンスはランクの表記がEになっていた。


 正直、アドルフと一対一で戦えば、苦戦することなく勝てると思う。力も速さも余裕を持って対処できる程度だったからだ。


 ということは、Eランク冒険者と一対一の戦いであれば、負けることはない。できれば、Dランク冒険者と戦ってみて、自分の実力を把握したいところだ。


 最後に殺したボビーの所持品を物色し、鉄製の盾とポーション三本、硬貨数枚を確保する。


 冒険者の証明書ライセンスを確認すると、クライドと同じFランクだった。


 後回しにしたアンジェラの所持品を物色し、白いローブとポーション三本、硬貨数枚を確保する。


 冒険者の証明書ライセンスを確認すると、クライドとボビーと同じFランクだった。


 何故、アンジェラの死体を後回しにしたか気になるだろう。それは………ゴブリン種の本能のせいだ。


 俺は首を斬り落とされているのにも関わらず、アンジェラの死体に性的興奮しているのだ。


 俺は女性の死体に興奮する特殊性癖など持ち合わせてはいない。それなのに、目が血走り、口元から涎を垂らし、陰部を隆起させている。


 エイミーの時も性的興奮はあったが、返り討ちに合う可能性と人間としての理性、小さな友情が歯止めをかけていた。


 しかし、アンジェラは俺と敵対し、アンジェラ自身とその仲間が殺され、返り討ちに合う可能性もないとなると、歯止めが効かなくなる。


 (ダメだ…我慢できない!)


 俺は乱暴にスカートを捲り上げ、白色のショーツのようなものを晒し、彼女の膣に陰部を強引に捩じ込んだ。


 荒々しく腰を打ち付ける様はまさに獣のようだ。


 スカートだけでなく上着も捲り上げ、左手で左の乳房を揉みしだき、右手で右の乳房を掴み、桃色の乳頭にしゃぶりつく。


 俺は太陽が傾き薄暗くなるまで、彼女の死体を犯し続けた。


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 


 

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