第15話 歯応えのない魔物達
蛇と兎?、猿の魔物三匹をペロリと完食し、レベル上げの狩りを再開した。
蛇が身体をバネのように伸縮させて大きく跳躍し、噛みつこうとしてくる。
頭部を鷲掴み、腕に巻きついてきた胴体を力任せに引きちぎる。
今の俺の筋力であれば、蛇の頭部と胴体を引きちぎることが可能なようだ。
『【熱源感知】Lv.3にUPしました』
兎?が貫通性能に特化したドリルのような角を向けて跳躍する。
それを半身になって躱し、空中で隙だらけの胴体に拳を振り下ろす。
鈍い音が響き、勢いよく地面に叩きつけられた兎?は微動だにしなくなる。
『【跳躍】Lv.3にUPしました』
「蛇や兎?は最初からあまり苦戦するような相手ではなかった。でも、ゴブリンや犬のような頭部をした魔物、猿の魔物を同時に複数を相手できるようになっているのだから、確実に成長はしている」
近くの木の根元に腰を降ろし、現在のステータスを確認する。
【ステータス】
・名称 ゴブリン
・性別 雄
・種族 小鬼
・称号
・加護
・Lv.7
・魔力 102(72+30)
・筋力 190(70+120)
・頑丈 70
・敏捷 102(72+30)
・知力 70
・精神 90(70+20)
・器用 72
・幸運 172(72+100)
【スキルポイント】
残量 0
【スキル】
[魔法系統]
・【雷魔法】Lv.1
[戦闘系統]
・【棍棒術】Lv.3
・【体術】Lv.3
[感覚系統]
・【熱源感知】Lv.3
・【異臭感知】Lv.3
[増加系統]
・【疾走】Lv.1
[補助系統]
・【跳躍】Lv.3
・【逃走】Lv.1
・【心眼】Lv.1
・【気配遮断】Lv.1
・【魔力遮断】Lv.1
[ユニークスキル]
・【強欲】Lv.1
[使用不可]
・【毒胞子】Lv.2
筋力値と幸運値が200に到達しそうで、魔力と敏捷値、精神値が100前後。
魔物から得られるスキルも【毒胞子】以外はレベル3に到達。
正直、ホブゴブリン以外は油断しなければ負けることはないと思う。
当初、ホブゴブリンに挑戦する時は俺もホブゴブリンに進化してから挑戦しようと決めた。
しかし、とても贅沢な悩みではあるが、他の魔物との戦闘は作業を感じてしまう。
はっきり言って歯応えがなく、飽きてしまった。
いやいや、魔物から得られるスキルのレベルを上がる必要があるだろうと思われるかもしれない。
勿論、スキルのレベルは上げるつもりだ。能力値の増加は自分自身の強さに直結するのでとても重要だ。
しかし、ホブゴブリンのようにスキルレベルの高い同名スキルを所持している魔物は他にも存在しているかもしれない。
より強さを求めるなら、そういう魔物を倒し、上質な経験値を得る必要がある。
「あの時は撤退せざるを得なかったが、次にホブゴブリンに遭遇したら挑戦してみよう」
俺は改めて決意をすると、ホブゴブリンを探索し始めた。
♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢
犬のような頭部をした魔物四匹を発見した。それぞれが兎?に齧り付いており、食事に夢中でこちらの存在に気づけていない。
「雷霆よ、敵を貫け、
バリバリバリィィィ
轟音とともに仲間が倒されたことに気づいた奴等が慌てて周囲を見渡す。
こちらに向かって駆けてくる俺を見て、仲間を襲撃した敵だと認識する。鈍く輝く牙を剥き出しにして、威嚇するように唸り、一斉に駆け出す。
まずは【雷魔法】を詠唱し、もう一匹仕留める。
「雷霆よ、敵を貫け、
バリバリバリィィィ
そして、最初に辿り着いた奴が口を大きく開けて噛みつこうとしてきたので、拳を引き絞り、顎下目掛けて振り抜く。
顎を粉砕され、背中から地面に倒れたのを確認し、横から掴み掛かろうとしてる最後の奴の腕を掴む。
力任せに腕を引き寄せ、横腹に拳を叩き込む。最後の奴の目から生気が失われ、膝から崩れ落ちる。
「少し休憩したら、ホブゴブリンの探索を再開しよう」
犬のような頭部をした魔物四匹の死体を近くの木の根元に重ねて置く。俺も同じ場所に腰を降ろそうとした時、草藪が揺れ、ゴブリン三匹が現れた。
「はぁ…タイミングが悪いな」
降ろしかけた腰を再び上げ、ゴブリン三匹と対峙する。人差し指をゴブリンに向けて伸ばし、【雷魔法】を詠唱する。
「雷霆よ、敵を貫け、
バリバリバリィィィ
左側のゴブリンの額を
ゴブリンが慌てて振り下ろしてきた棍棒に拳を合わせる。
バキ!
棍棒が無数の破片となって飛び散る。そして、すぐに後方へ飛び、横からゴブリンが振り下ろす棍棒を回避する。
すぐに棍棒を所持しているゴブリンに向かって駆け出し、振り下ろされた棍棒を半身になって躱し、回し蹴りで側頭部を攻撃する。
手放された棍棒を拾い上げ、仲間が全滅し、その場を逃げ出そうとした最後のゴブリンを撲殺する。
『Lv.8にUPしました』
「よし! レベルが上がった! …休憩はしなくていいか」
ゴブリン三匹の死体を一箇所に集め、俺はその場を後にした。
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