第37話 サリアが欲しくてたまらない。

 私は、着替えを取りに自室に戻ってきたのだが、どの下着にしようか絶賛悩み中……。


 あんな事件があったのだから、流石に地味な下着は見せられない。だからといって、大人っぽい下着も元々持ってなかったし……。


 どうしよう?


 私は自室のタンスの中の下着とにらめっこしている。

 私が持っているのは、無地の白色と黒色、青色のパンツと、スポブラばかりだ。今着ている下着は、唯一オシャレな下着で、黒色レース付きのパンツに、黒色レース付きのブラ。

 そう。唯一のブラを今着てしまっているのだ……。


 どうしよう?



 「お姉ちゃんどうしたの?」

 「!!」


 声がした方向を見るとそこにはサリアがいた。

 ドアを開けた音なんて一切聞こえなかったので、私は驚いた顔でサリアと下着を交互で見た。

 私は急いで引き出しを閉める。


 「お姉ちゃんそんなに慌てないでも大丈夫だよ。下着選んでたんでしょ。私が選んであげよっか?」

 「え?」


 サリアは私の隣に来て下着が入っている引き出しを開け下着を選び出した……。


 どうしてこうなってしまったのか……。


 姉妹仲良い関係はすごく幸せを感じるが、下着を選び合う関係を目指していた訳では無い。だからといって、今の関係が嫌かと聞かれたら、NOと答えてしまう……。

 本当の私はこの状況を楽しんでいるのか?喜んでいるのか?

 だからこそ、サリアと一線を超えそうになってしまったのか……。


 私が悩んでいると、サリアが下着を選び終わったみたい。


 「お姉ちゃん。確かに今日みたいな大人の下着もいいけど、こういう地味な下着も最高なんだよ!!」

 「?」

 「大人の下着だと、すごいドキドキするしお姉ちゃんを食べたいたくなるけれど、地味な下着だと、心を許してくれている感じが出て、逆にそれがエロく感じてしまうんだよ。お姉ちゃんはどちらの下着も似合ってるんだから、もっと自信もって!!」

 「……うん。」


 なんだか、悩んでいたのが少しバカバカしくなった。

 私は、大人の下着だからこそドキドキしていると思っていたが、そうではなかったらしい。確かに、サリアが地味な下着を着ていたら、それもそれで確かに有り。

 私はこんなことが分からなくなってしまってたとは……。


 「ありがとうサリア!!」

 「どういたしまして!!」

 「次はサリアの下着を選びに行こうか!!」

 「えっ?」


 驚いたサリアを連れてサリアの部屋に行き、下着の引き出しを開けた。

 私と同様に大人っぽい下着はないが、ブラの数が私と全く違う。サイズが大きいからブラが多いのだろう。

 私はその下着の中から灰色のスポブラを選択。パンツも灰色のものだ。


 「私の持ってる下着の中でも1番地味な下着だよ!!もしかして、地味な下着嫌だった?」

 「そうじゃないよ。この地味な下着姿を見るのは、心を許しているからだと思うからかな。そんな姿を想像するだけで、すごいドキドキするよ。サリア、早く見してよ」

 「!!お姉ちゃん!!」



 私たちは急いで脱衣所に向かった。

 お父さんとお母さんからは、「疲れたからゆっくり入ってきて!!」と言って貰えたので、ゆっくり入るつもりだ。

 サリアとのお風呂事件第二弾にする予定!!


 こうなった私は誰も止められないぜ!!



 私は、一線はダメだと誓ったばかりだが、そんなことは忘れていた。

 目の前のサリアに夢中になって、どうにかなりそう。



 サリア!!サリア!!



 脱衣所の扉を閉じると同時に、私はサリアの唇を奪った。

 キスをするなんて初めてだから、少し歯が当たるがそんなことはどうでもいい。

 私は口をちゅぱちゅぱして、サリアの唇をもっと欲しがる。


 「んん!!おえへちゃん」


 私は、そんな声を無視してキスを続ける。


 サリアのことが欲しい。サリアのことしか考えられない。


 もう超えちゃってもいいよね。




 そう思った瞬間。

 私の体の力が抜けて、床に足がついた。


 「へっ」


 サリアと私の唾液が粘っと伸びた後に床に垂れた。そして、サリアになんてことをしてしまったんだろうという焦りがすごい出てくる……。


 どうにかしてた……。


 サリアにあんなことしてしまうなんて、流石に引かれたかもしれない。



 サリアの顔を見るが、何故か焦っている……。


 「二人ともここまで!!サリア魔法を悪用しないって約束したよね。流石にこれはやりすぎ。これ以上行くと、アリアが本当に後悔することになる。そうなったら、サリアと距離を置いて考えられないほどの後悔が毎日襲うことになる。」

 「ごめんなさい。ごめんなさい!!」


 久しぶりの紗夜ちゃん登場!!と思ったら、サリアが泣き崩れた……。


 どういうこと?


 魔法の悪用とか言ってたけど……。


 ????




 私が状況が読み込めず、あたふたしていると紗夜ちゃんがこちらにやってきた。



 「すまない。旅行中からちょこちょこやりすぎてるな。とは思っていたが、ここまで力を強めるとは想定外だった。サリアに頼まれてチャームを教えて、それをアリアに使った感じ。魔力が多い人物には聞きにくいのだが、家族にかけられるのはまた別になるみたいだな。流石にここまで力が強くなるとは思ってなかった。本当にすまない。私のミスだ。」

 「えっ?チャーム?」

 「そう。無属性のチャーム。チャーム自体の効果は薄いが、今回は条件が色々と揃ってしまったみたいでな……。」

 「そうなのか……。」


 サリアは未だに泣き崩れている。このままでは両親に聞こえてしまうかもしれないので、とりあえずお風呂の中に入ることにする。


 「サリア。とりあえずお風呂の中に入れる?そこでお話しようか。」

 「ゔん……。ごめんなさい。」


 サリアは泣きながら服を脱ぎ裸になってお風呂場に入っていった。

 私も急いで裸になって風呂場に向かう。


 いつもなら、頭や体を洗ってから湯船に浸かるが今回は事情が事情なので、このまま湯船に直行。紗夜ちゃんは、湯船の上にぷかぷかと浮かんでいる状態だ。私の対面に向かい合ってサリアが座っている。


 「ごめんなさい。ごめんなさい。嫌わないで。ごめんなさい。」

 「そこまで謝るならなんでやったの?」

 「おねえぢゃんにもっどずきになっでもらいだくて。おねえぢゃんがおもっでいるいじょうにわだしおねえぢゃんのごとすきなの。ごめんなさい。」

 「その気持ちは嬉しいけど、さっきの脱衣所以外ではどこでかけたの?」

 「しだぎかうとき」

 「下着?じゃあ、サリアのことを襲ってしまったのもチャームのせいってこと?」

 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」

 「もう、謝らなくていいから。大丈夫。お姉ちゃんはサリアのこと嫌いになったりしないから。」

 「ほんど?ぎらいにならない?」

 「大丈夫だよ。安心して。」


 私は対面にいるサリアを抱きしめるとサリアは今まで以上に泣き出した。


 「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」


 私はサリアが落ち着くまで抱きしめた。


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ついに暴走しちゃいました……。結構次回がたのしみな内容になってますので、ぜひ次回も読んでください!!


【お知らせ】

 また毎日投稿始めます!!

 いつまでかは未定です!!


 最後まで読んで頂きありがとうございます。

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