第13話釣りだ。手掴みだ。魚だ。

 昼食を食べ終わると自室に戻り少し作戦会議!!

 少し聞きたいことがあるからそれを聞いたり、これからの予定を立てたりする予定!!


 「紗夜ちゃん。ふと思ったんだけど、疑似体験で血管が詰まったりする病気があったけれど魔力の通り道は詰まったりしないの?」

 「流石にそこ突かれるか……」


 紗夜ちゃんは、何か困った感じを出している。

 せっかく魔力が沢山あっても詰まってしまえばなんの意味も持たない。

 魔力が詰まりやすくする魔法だとかあるのならば避けて通らないと行けないし、色々今後の人生に関わってくる。

 なんといっても我々エルフは長寿なのだから……


 「それに関してだけど、実際に詰まってしまえば魔力は一切使えなくなる。がそれは魔力の通り道を使っている場合だ。私も機械になる数年前に呪いにかけられ魔力の通り道が塞がって一切魔力を使えない頃があった。そこで解決すべく編み出したのが魔力の考え方を変えるということ。今教えているのは、魔力にホースを入れて流す感じだけど、考え方を変えれば魔力を借りてホースで自分に送っているとも考えられる。それでは、自分の魔力であって自分の魔力でないも同然。自分の魔力にするのなら魔力と自分自身をひとつにすること。魔力を皮膚や、筋肉のように考えそこにあるのが当たり前のようにするってこと。これは魔力が多くなくてはできないのがデメリットだけど、そこに関しては問題ない。唯一のデメリットは魔力量が、バレてしまうことかな。体に入らなかった膨大な魔力は、どこに行くのかと思って実践してみたが、自分からとてつもないオーラが出ている感じだった。そのオーラこそが魔力。依然魔族と戦った時に入手した魔力循環を隠す指輪(調べ済み)をはめることによって隠すことができたんだよ。しかし、その指輪もひとつしかないのが盲点なんだけどね。後、魔力と自身を一体化した時魔法の威力が魔力循環の時と比べて圧倒的に強くなってしまうから魔力循環の方で慣れさせた後にこっちに移行するつもりなんだよ。そうすれば、繊細な魔力操作もしやすくなるし。もう少しの辛抱だから頑張って!!」

 「……うん!!」


 紗夜ちゃんが言ってること半分以上理解できなかったけど、いざやる時になったら分かるよね!!

 私はあまり深く考えないで、後でチート能力GETできる♪って感じで今を頑張ることにする。


 「さっきのすごい魔力のやつだけどいつ頃できるようになるの?」

 「実験場をこれから探しに行こうかな?って感じなんだよね。それが見つかるまではできないかな〜。後、最初の火球ぐらいは打てるようにならないと魔力量の扱い方の勉強にならないから。その他諸々のあとかな?」

 「そっか。紗夜ちゃん場所探しで何かできることがあったら言ってね。手伝うから。」

 「はーい。」


 この世界の呪いというものは少々厄介なものになってくる。

 生まれた瞬間呪われの力が備わっていて後天的に力付けることはまず不可能。

 呪いの子は親から恨まれ、こっそり捨てられるなんてザラにある事。

 意志関係なく発動する場合や、種類なども人それぞれ全く異なってくる敵になると非常に厄介な存在であると同時に魔族から優遇される。

 もし魔族に見つかったのなら研究し、強さによって見つけたものに褒美が決まるので、汗をかくように探しているという。

 ここでいちばん厄介なのが、途中で呪いがあるとわかった場合だ。それを隠し成人になり人々を妬み呪い殺していく事件もあった。


 多分だが紗夜ちゃんに呪いをかけたのも成人になった存在であると思うが、どこ出かけられたのかが全く謎である。

 だってエルフの里からあまり出ない存在がなぜ呪いにかかるのか?それともエルフの里に呪いの存在が生まれ、嫉妬心でしてしまったのか……



 話し合いは終わり紗夜ちゃんは新たな修行場所探しに出かけ、私はベッドで横になりながら図鑑を読む。



 トントン。ガチャ



 「お姉ちゃん!!お出かけしよう!!」


 危なかった。さっきのお話を聞いていたら、何それ!!一緒にやる!!と言って何を言っても聞く耳になってくれなかったと思う。

 それにしても'どうぞ'を言う前にドアを開けてるのは如何なものか……


 「ちゃんと どうぞ!!と言ってから開けること。着替えている時に急に開けられたら恥ずかしいでしょ?」

 「お姉ちゃんが開けてくれるのなら全然恥ずかしくないよ?」

 「そういうことではなくて!!これからはしっかり声がけあった後に開けること!!いい?」

 「はーい」


 分かったのか分かってないのか微妙な返事がきこえる。ほんとにわかっているのか?

 そもそもお姉ちゃんなら恥ずかしくないよ!!というのも少し問題発言に思うが今回は流しておこう。


 「それにしてもどこに出かけるの?この里には遊ぶ場所なんてないと思うんだけど……」

 「遊ぶんじゃないよ。ん?遊ぶけど!!これからお母さんと一緒にお魚取りに行くからお姉ちゃんも行こう!!今回は、釣りではなくて手づかみで捕まえるつもり!!勝負だよ!!」



 ピンポンパンポン!!


 放送致します。

 承諾していない勝負が開催することがただいま決定致しました。

 しかも、魚手掴み勝負になりますので濡れてもよい服装できてください。


 ピンポンパンポン!!



 今の服装は、黒い長ジャージと上は白黒のボーダー。

 ……うん着替えなくても全然大丈夫!!


 「てか、サリアはその格好で行くの?」

 「うん!!」


 サリアは、黒い短パンに長い白T。白Tに蝶々が2羽小さく描いてあるのが可愛い。

 白Tのある部分が先程からゆたゆたと揺らいでいるのが少し気に入らないが……



 私たちはリビングに向かう。

 そこには、麦わら帽子を被っていて準備万端のお母さんが居る。

 最近よく思うけど、お母さんって若すぎるよね。

 見た目が、疑似体験の二十歳の子とほぼ変わらない。二十代ではなく二十歳ってところがほんとにグッとくるところ。

 そんなお母さんは緑色のワンピースを来ているが、可愛い!!ではなく美しいって感じ。

 お母さんみたいな大人になりたいな。


 「お母さんお姉ちゃん連れてきたよ!!早く行こう!!なんのお魚さんが取れるか楽しみ」

 「そんなに慌てないの。お魚さんはまだ逃げないからね。みんな行く準備は大丈夫?」

 「「うん!!」」

 「出発!!」


 我が家は魚を取りに行く時は魚を入れる容器を持っていかない。だって魔法の世界だよ。必要になれば作ればいいだけ!!

 早く魔法が使えるようになりたい願望が爆発してしまう!!

 使えるようになったら、木を加工してけん玉を作る予定。お楽しみに。

 それをエルフの里で流行らせてけん玉大会を開く。

 へっへっへっ!!裏でエルフの里を操ってやるぜ!!


 「お姉ちゃん怖い顔してるけど、大丈夫?もう行くよ!!」

 「だっ大丈夫だよ!!」


 私たちは家を出て、川に向けて歩く。

 川の方向は紗夜ちゃん修行場所と真逆。紗夜ちゃん修行場所は、誰も行かないようなところだから安心してトレーニングができる。


 「今日は10匹ぐらい取りましょう。白身魚メインでお願いね。沢山取れたら白身フライにする予定だから。」

 「「はーい」」

 「お母さんは、また釣りなの?私たちは手掴みだけど」

 「そうね。お母さんは、釣りが好きだからまた釣りにするつもりだよ。手掴み勝負は2人で楽しんでね」

 「「はーい」」

 「お魚お魚お魚さん。今日のあなたは白身魚。パクッとパクッと食べちゃうぞ。お魚お魚お魚さん♪」


 パンに続きお魚versionの可愛い歌まで歌ってくれた。


 私とお母さんはサリアのおかげでいつも以上にルンルンの気持ちでスキップをして川に向かいたいほどだ。

 いつか旅に出た時ピアノがあったら買ってピアノの音ととサリアの歌で世界中の方を笑顔にしたいね。



 空間魔法などといった便利魔法この世にあるよね……

 なかったらそもそもピアノ持って来れないからね……



 里を出て数十分。川が見えてきた。


 「お母さん!!見て見て!!見えてきたよ!!早く早く!!」


 サリアは、胸をたゆたゆと揺らしながら走って川まで走っていった。


 「そんなに走ると危ないよ!!転んだかどうするの?」

 「大丈夫大丈夫!!お姉ちゃんも早く走っておいで!!」

 「行っておいで、お母さんはゆっくり行くから。」


 私も走って川に向かうが、たゆたゆしているものがないおかげでサリアよりも早く川に着いてしまった。

 ああ良かったな。胸が大きくなくね(泣き)


 「もー!!お姉ちゃん早すぎ!!私が先についてゴール!!って合図やりたかったのに!!絶対勝負では勝つからね!!」


 またほっぺを膨らましてサリアは言った。

 てか最近、ほっぺを膨らます機会がすごい増えたと思う。

 まぁ可愛いからいいけど、ほっぺがたれてしまってはせっかくの可愛いほっぺが台無しになってしまうから、少しだけ気をつけて欲しいとこっそり思うのであった。


 「お母さん。お魚さん入れる容器早く出して!!早く早く!!」

 「今出すかは落ち着いて!!」


 「樹木」


 魔法を唱え追えると土から滑らかな太い枝のような物が何個も出てきて、魚を入れる容器を作っている。

 今回は、乳母車を連想させる入れ物だ。四つ角にタイヤがついて手すりもある。

 家に持ち帰るのに非常に便利なので、いつも魚を取りに来るとこのデザイン。


 「ウォーター」


 お母さんの手から容器に向かって水が流れてくる。

 今回はどちらも無詠唱魔法。無詠唱魔法だと威力が減ってしまうが今回は関係ない。焦ることでもなければそこまで強力にする理由もない。

 魚を取り次第この容器に入れていくスタイル。

 問題は捕まえたいいが、容器に行くまでに川で落として逃げられてしまうこと。依然何度かやったことがあり結構なショックを受けたから今日は気をつけたい。


 「お母さんありがとう!!」

 「お母さんありがとう!!合図よろしく!!」

 「よーいドン!!」


 私たちの魚の掴み合い大会は始まったのであった。


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最近家族パートが多いのでは!!と思うかもしれませんが、学校や旅に行きだしたら無くなってしまうので今のうちに沢山書いておくつもりです。

多分サリアは、学校にも旅にも付いてくると思いますので幸せな歌は引き続き聞けると思います!!


【お知らせ】

今後は思い浮かばなかったり忙しかったりする時は投稿なしって感じになります。(前日に進捗状況みたいなのでアナウンスします。)

それ以外は毎日投稿する予定ですのでお楽しみに!!

毎日0時頃に更新予定!!


最後まで読んで頂きありがとうございます。

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