第7話 ロボットさんはヒーロー?
「ロボットさん?」
聞いたことの無い言葉にサリアの頭の上に三つほど?マークが出現する。
そういえば疑似体験に行く前はロボットって言う言葉さえ聞いたことがなかった。
周りに機械はあるが、機械と言う言葉は知らず、魔力で動く物。としか思ったことが無かった。
今の時代に機械という言葉は使われているよだろうか?
「ロボットさんって誰? お姉ちゃん帰ってきたばかりなのに、そんな知らない方と一緒に一緒にいるなんて絶対にヤダ!! 私がお姉ちゃんと一緒にいたいもん!!」
「安心して、紗夜さん……。ロボットさんは信頼できる方だから、アリアが困ったりすることはないわ。それにしても、そんなにアリアと一緒にいたいとはね……。そんなにアリアと一緒にいたいなら、アリアと一緒に修行する?」
「いいの?!」
「うん。」
「絶対する!! お姉ちゃんと一緒か。すごい楽しみだな!!」
「しかも、そのロボットさんは、今回のアリアが旅行した時に助けてくれた方でとてもいい人なのよ。」
「!! ロボットさんがお姉ちゃんを!! お礼しなくちゃ!!」
サリアは目をキラキラとさせながらロボットさんと会いたいオーラを醸し出している。
それにしてもお母さん……。
紗夜ちゃんのことは内緒にする予定だよね。
サリアに一緒に修行するなんて言ったら、絶対に一緒にいかないとだし……。
私はどういうこと?! という意味を兼ねてお母さんとアイコンタクトを取ると、お母さんは、助けてあげたわよって感じで私に向かってウインクしてくる。
「お母さん!!」
「あら、何かあったかしら?」
「そうじゃなくて、紗夜ちゃんのこと!!」
「ふふふ」
「ふふふじゃなくて!!」
「ごめんアリア。言い忘れていたがサリアちゃんにも私の存在を言うことになったんだ。もしサリアちゃんが私のことを気づいて、それを里のみんなに教えてしまったら大惨事になってしまう。って話し合ってね。つい伝えた気でいたよ。ってな感じで、サリアちゃんも一緒に修行するからよろしくね」
「……」
そんな発言をしながら、何もない空間からスっと紗夜ちゃんは現れた。
紗夜ちゃんのことをロボットと認識していないサリアは不思議そうな顔で紗夜ちゃんのことを見ている。
ほんと疑似体験時でもそうだったけど、ほうれんそうをしっかりしてくれないと困るよ。
紗夜ちゃんはすぐに伝え忘れたり、ものをどこかに置いて忘れるんだから……。
結局こっちでも、尻拭いをする羽目になりそうだ……。
勘弁してよ。
「もしかして、これがロボットさん?」
「そうよ。私たちの目の前でぷかぷか浮かんでいる方がロボットさんよ。これから修行をつけてくれる方だから、ちゃんと挨拶するのよ。」
「はーい!! お姉ちゃんを助けてくれてありがとうございます。あと、これからよろしくお願いします!!」
「元気がいいね!! 修行は少し厳しいけど、頑張るんだよ。」
「はーい。それと、ロボットさん。後でみんなに紹介してもいい? 絶対にびっくりすると思うんだよね。だって何も無いところから出てくるんだよ!! すごいよ。見たことない!!」
「サリア。紗夜ちゃんじゃなくてロボットさんのことは私たちだけの秘密だから、みんなには内緒にしてくれる?」
「なんで?みんなにも教えてあげたいのに。」
「それはね。うーん。お母さんなんて言えばいいかな?」
「そうね……。なんて伝えればいいのか難しいわね。!! ロボットさんね。少し恥ずかしがり屋さんなのよ。だから、みんなには秘密にしてちょうだい!!」
「えー。恥ずかしがり屋だったら、初めは大変だけど仲良くすれば大丈夫だよ!!」
「……」
どうしよう。
本当のことを伝えたところでサリアは理解出来ず、ふとした瞬間、誰かに言ってしまうかもしれない……。
もっと良い伝え方ないかな……。
あっ!!
子供が好きなあれを出せばサリアも少しはわかってくれるかもしれない。
「あのね。ロボットさんは、私を助けてくれたヒーローなんだよ。もしも、ヒーローの正体がロボットさんだと分かったら、みんな何もしないでロボットさんに頼りっぱなしになっちゃうでしょ。それだと、自分自身が成長ができないから、正体を隠して見守っているんだよ。」
「そうだったんだ。ロボットさんかっこいい!! 私、絶対に秘密にする!!」
ふぅ。
とりあえずこれで大丈夫だろう。
一応修行後にもちょっとだけ言っとこ。
サリアは、紗夜ちゃんに向けて憧れの眼差しで見ている。
「私ヒーローに修行つけてもらえるんだ!! スゴすぎるよ!! ロボットさん改めて今日からよろしくお願いします!!」
「うん。 これからどれだけ成長できるか楽しみだな。何か困ったことがあったら言うんだよ。」
「はーい!! あと、 お願いがあるんだけど、お姉ちゃんよりも強くして欲しいな。今度何かあったら私がお姉ちゃんを守ってあげたいんだ!!」
「それはいいことなんだけど、アリアの魔力はすごいあるからもしかするとサリアちゃんが教わる側になってしまうかもしれないんだけど」
「お姉ちゃんに教わるの!!」
さっきまで教える気満々だったのに今は教わりたいオーラをすごい出している。
早く私から教えてもらいたい為に修行をサボったりしないかとても心配だ。
なんて言ったって今はお姉ちゃん大好きっ子だからね。
実際にサボってるのを見受けられたら、しっかり注意するつもり。
お姉ちゃんキビキビいきます!!
「紗夜さん。この一年でアリアとサリアを一人前までとは言いませんがそれに近いぐらいの力量をつけて貰えませんか? 学校に入ってからも修行は続けると思いますけど、学校には他の種族から恨まれることが増えてきますから。実際に、他種族の雄からモテて雌にすごい嫌われるなんてザラにありますので……」
「もちろん。そこに関しては他種族にも負けないぐらいの力量をつけるつもりだ。私もそうだったが、エルフは何かと難癖を付けられるからね。サリアちゃんは潜在能力や魔力量があまりわかってないので詳しくは調べないと何も言えないが、アリアの魔力量は私の物を譲渡したから下手すれば世界50位には入ってくるだろう。魔力量以外にも、私の魔法を教えると考えると、ほぼ困ることはないかな。肝心なのはアリアのやる気だがね。」
「大丈夫だよ。紗夜ちゃん信頼してよ。」
「はいはい。」
「よろしくお願いします。」
「お母さん? お姉ちゃん学校に行くの? それ、私も一緒に行けるの?」
「そうよ。アリアと一緒に1年後に学校に行くのよ。嫌だったら一緒に家でのんびりしておきましょ」
「お姉ちゃんと一緒に行く!!」
長期間娘がいなくて寂しがるはずなので、長期休暇の時は毎回帰ってくる予定。
いや、普通の休日でも、紗夜ちゃんに転移魔法でも教えて貰って帰るかもしれない。
お母さんじゃなくて、私が持たないかもね。
それにしても、学校か……。
友達できるかな?
疑似体験時は、誰も友達が出来なく影でこっそり本を読むタイプだったからな……。
積極的に声をかけたらいいというものの、どのように声掛けたらいいか分からないし、未だに友達のなり方とか分からない。
サリアがいればいっか。
「お姉ちゃん。ロボットさんと早く修業しに行こうよ!! 学校に行った時に困らないように強くなるんだ!! お姉ちゃん、負けないよ!!」
「お姉ちゃんだって負ける気ないよ!!」
そんな二人をみてお母さんはクスクスと笑っていた。
お母さんが水筒などを作ってくれて、またサリアが持ってきてくれる。
「準備完了!! 出発!!」
サリアの元気な声を聞き、やる気が出た状態で私たちは紗夜ちゃんが教えてくれた修行場所に向かうのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
大修正!!下の感想はこのお話を書いた時に書いたものです。思い出として残してる程度のものです!!
今回は、紗夜ちゃんと心がすれ違うシーンです!!これをきっかけに今まで以上の絆ができより信用し合える関係になるといいですね。今回は、文字数が少ないですがその分内容は濃くなっていると思います!!
10話まであと3話になりました。最近では1日1話書くのが日課化してきているので11話以降も毎日投稿するかもしれません!!お楽しみに
最後まで読んで頂きありがとうございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます