第3話

 焼けた肌に服がこびりついている。アーマーはすべて消失し、所持していた盾もソードもなくなっている。ステータスカードはどんな攻撃を受けても傷が一切つかない謎の物体のため、あれだけの炎を受けても新品同様のままだった。


名前:木村 拓海 Lv:12

覚醒者ランク:D級

Originスキル

吸引

解放


 いつものステータスカードに、『解放』が追加されている。考える前に自然と各ステータスの説明が頭の中に入り込んでくる。


「ほう。まだ息があったようじゃの」


 竜が近づいてくるのが、振動を伝わってわかった。もはや、耳もあまり聞こえず、目は見えない。


「いま、苦痛から解放してやる。我のブレスを耐えた褒美に食してやろう」


 朦朧とする意識のなかで、竜の顔に手が触れた気がした。どうやら本当に俺を食べるらしい。生きて戻れたら、神様に感謝しないと。


 丸呑みにするつもりなのか、身体中が粘液に包まれた。やるなら今しかない。


「解放」


『スキルの使用が確認されました。これまでのダメージを対象に与えます』


「GYAAAAAAAAAAA」

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