二十日目・ウトナイ湖~苫小牧~フェリー船上
9月4日(日) 晴れ(走行 14km)
朝、ウトナイ湖ユースホステルを出発し、苫小牧市内へ。
市街地に入り、土産に欲しかった北海道内限定のビール「サッポロクラシック」を買うのに適当なところを探そうとしたが、まだ朝九時とあってか、店はどこも開いていなかった。
しばらく市街地をぶらぶらしながらどこかの店が開くのを待とうとしたが、出航の時間は刻一刻と迫っていた。
結局僕はそのまま苫小牧フェリーターミナルへ向かい、乗船の手続きを終えた。いよいよ道内を離れることへの名残惜しさから、ターミナルの背後に広がる風景を目に収めようと一度ターミナルを出ようとしたその時、お土産屋らしきものを見つけた。ひょっとしたら、ここに「サッポロクラシック」があるのだろうか……僕は店内に駆け込み、ドリンクコーナーに目を遣ると、その片隅に「サッポロクラシック」の文字が入った缶を発見。そのままそいつを買い込み、出発時間ギリギリで自転車をフェリーに載せた。
出航時間を迎え、フェリーは白いしぶきをあげながら徐々に岸壁を離れていった。苫小牧の町並みや緑に覆われた北海道の大地は、フェリーが進むにつれて次第に見えなくなっていった。
こうして、北海道内での約十八日間の力走は幕を閉じたわけであるが、東京に到着した後は、混雑する都内を自宅に向けて走るという大仕事がまだ残っている。
船上はやっぱり快適。青い空と冷たくも心地よい風のもと、ゆっくり休める。
夕食中に夕陽が沈んでしまい、シャッターチャンスを逃したのは残念。去年の旅の帰りのフェリーでは道内で同宿だったライダーに再会し、その人の知り合いも巻き込んでとことんまで賑やかだった記憶がある。今年の帰路は道内で出会った人に再会することも無く、どことなく寂しいように感じた。
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