十六日目・サロベツ原野~小平町

 8月31日(水) 曇り一時雨 (走行 127.5km)


 早朝、サロベツ原野の民宿「あしたの城」を出発。

 今日はどんより曇っていて、途中雨が降りそうな予感がしたので、なるべく早く出発することにした。

 霧にけむるサロベツ原野を通過し、天塩町からは通称「オロロンライン」と呼ばれる国道232号線に入る。このオロロンラインは日本海に沿ってひたすら南下する道路であるが、途中に何度もアップダウンがあったかと思えば、海沿いの平坦道もあるとてもバリエーションに富んだ道路だった。

 昼食は初山別村の「岬公園」で、近くのセイコーマートで購入した弁当を持参して食べた。ここは海に突き出た高台になっていて、岬には天文台も建っていた。興味はあったものの立ち寄っている時間が無く、今回はパス。

 午後、初山別からさらに国道を南下。体力がもつかどうか心配だったが、何とか留萌の隣町の小平町にまでたどり着いた。小平では、「花田屋番屋」とよばれるニシン番屋を見学。かつてこの辺りが「ニシン王国」であった頃の遺影をしのばせる重厚な造りの建物だった。

 泊まりは小平望洋台ユースホステル。今夜は何と、宿泊は僕を入れてたったの二人。寂しさはあったものの、二人きりだからこそ、旅の話をとことんまですることができた。一人ぼっちで旅を続けていると、話したいことが積もりに積もってしまう。今日のような少人数の時は、誰かに自分の旅の話をしたいと思う気持ちを心置きなく発散できるような気がする。

 夕食に登場した小平名物「アイボリーメロン」はなかなかおいしかった。

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