うさぎとひよこの冒険

椋鳥

第1話 うさぎとひよこ

「ねえ、どうする?」うさぎはひよこにそう尋ねた。けれどもひよこは何も考えていないのか、空を見ながらうさぎの話を聞いていた。うさぎは辺りを見渡して、これからどうすれば生き残ることができるのかを考えた。


「そうだね。」曖昧過ぎる答えに、うさぎは頭が痛くなった。ひよこは楽観的に生きてきたからか、うさぎに対してもこんな事を言うことが今までにもあった。こんな状況でなければ軽く流せるけれど、今はそうも言ってられない。


「僕たち、迷子だよ。」僕たちは二人とも、家族とはぐれてしまっていた。右も左もわからずに、二人で森の中をさまよっているけれど、上手くいきそうにない。それでもひよこは上の空で、うさぎのことを見てもいない。


「でも、君がいる。」やっと目を合わせたかと思うと、ひよこはよく分からないことを言った。確かにここにいるのは僕とひよこだけだけれど、それがどうしたというのか。やっぱりどうしようもないことに変わりがなかった。

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