地震の話
僕は南海トラフ地震の想定震源域に住んでいますが、日曜日から一週間ほど能登へ復興支援のため、出張に行く予定です。
僕は今でも、地震が来る前に、予兆を感じることができます。
そういう話ではありません。
強風のような地鳴りのような音が、聞こえるというだけのことなのです……。
子どもの頃は特にその感覚が鋭く、夜中に眠っていても、地震が来る十秒前には目が覚めていました。
パッと目が覚め、「あっ来る」と感じる。
その感覚が全身を駆け抜けると、心拍が上がりすぐに体を起こし、壁に身を寄せるのです。
すると、数秒後に「ゴガガガッ」と地震が襲ってくる。
まるで地震の到来を見越していたかのように、確信を持って動くことができました。
二段ベッドの下で寝ていた兄も、同じように起きていたので、当時はそれが普通のことだと思っていました。
次に襲ってくる地震が、どれほどの破壊力を持つかは分かりません。
地震の予兆を感じることができたとしても、防ぐ手立てがなく、ただ恐怖に身構える時間が与えられるだけかもしれない。
その瞬間を頭の片隅に追いやりながら、僕は今日も静かに目を覚まし、いつものように仕事に向かう準備をする。
帰りに、ロト6でも買おうかな。
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