第10話 【 幼い風太と勇真の温もり 】
..ッ!
“ お前は誰だっ!? ”
──────────────────── ・ ・
闇が笑う。
(???)
“ 見つけたぞ 風馬 ”
(風馬)「!!?」
( はっと意識が覚める )
…。
(虫) 「リィィィィ…ン、リィィィ───・・。」
(風馬)
「 ………、」
「 ( …夢・・? ) 」
モゾモゾ…─────・・ 、
モゾ。
(風太) (背中から抱きつく)
「 ふうまにいちゃん。」
(風馬)「!」
(風太)「 ・・…… どうしたの? 」
…モゾ。
(勇真)「 …? 」
(向かい側からひょこっと顔を出す)
(勇真)
「 にぃ? 」
(風馬)「 風太、勇真… 」
………… ... 、
(風太)「 ───… ふうまにぃちゃん、どうしてふるえてるの? つめたい.. 。」
(風馬)
「 風太、…… 」
(勇真)「ぅんしょ・・、こわいゆめみたの? さむそう… ゆうのときもね、ふうにぃこうやってくれるんだよ、ほら。」
二人で前と後ろ。
幼い小さな弟達の体温に氷のような悪夢の闇に囚われていた体中の震えが風太と勇真の温もりによって風馬はようやく落ち着きを取り戻した。
(風馬)「 ……? 」
冷たい嫌な汗をかいていたはずの顔もいつのまにか火照っているのが分かる…。
目の前に勇真の純粋な寝顔と後ろには自分の背中に顔を埋めて心配しながら甘えているつもりの風太を感じながら 大丈夫だから。と起きようとしたが・・
(風馬)
「 風太、勇真、大丈夫。何でもないからお前たちの布団に… 」
(風太)「 ヤダ。今日はあにうえといっしょにいたい…。」
(勇真)「 あさね、さむいんだもん。でもふうまにぃちゃんといっしょならさむくないもん。」
(風馬)「 ……。」
起きように寝返りもうてない風馬だったが、二人の優しさを思うときつい体制でも風太と勇真を抱き寄せて寝るようにした。
(風馬)
「 …風太、勇真、・・・・ありがとな。」
(勇真)
「─スゥ..。───、…。」
(風太)「 ……… ・・・、」
「 うん。」
ギュ..ッ。
(やがて夜が明けてゆく)
────────────────…。
「 …チュン、チュンッ。」
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