第7話 【 風馬の過去 】




草木も眠る丑の刻の時だった。

(※夜中の2時)




(風)「 ───..。」



ヒュル!

「カタカタ…ッ」(障子)





(寝静まる寝室)



(風太と勇真)

「 スゥ.. 、───────・・…

スゥ…。」



(風馬)「 …。」



外は冷たい風が吹き込んでいた。



(障子)

カタ. . 。




(勇真)「 …んん、ん・・。」



「んん、……。」


(寒いのか勇真はモゾモゾと落ち着かない様子)



(風太)

「 …? 勇真、?おしっこ?」



眠たげに振り返り、

そう思ったがどことなく違う様子。

何度も寝返りをうっていたので何となく部屋が冷え込むなと風太も感じていたのか、




ギュ…。


(風太)「 ほら、これで寒くないよ。」



(勇真)

「 スゥ…。────… 」



向かい合って抱くように寝てやると

勇真はようやく落ち着いた。



(風太)「 …… 」



ウトウトとふと半目に隣の視界に入った兄は二人に背中を向けて寝静まっていた。


でも、いつもと様子がおかしいような違和感があるような気がした。




・・ 何か声がする。



(風太)「 …、? 」




…………………。



静かな暗闇の中で風馬にわずかな異変が起きていた。




(風馬)

「 …────、……。」

(震える体)




頬を伝う冷や汗。

季節は秋の中旬に差し掛かる気温も低い中

とても暑さでかくような汗では無かった。



(風馬)「 …うっ!」









─────────────・・。




“ この子に罪はありませぬ…っ!!!”




(桜) 「 “ お願いです、これ以上の咎めは、この子は…… あなたの手で死ぬ気です..。親のしてきたことを誰より一番罪に感じていたのは紫苑、あなたなのよね… ” 」



“ どんな親でも、この子にとっては血の繋がった実の父親だったんです…。


(桜)

“ 罰せられるべきはもう、せめてこの子だけは ”



“ どうか、刀をお納め下さい…!”




(その背景に誰かを躊躇いなく斬った桜花)




(先代長)


──── その命、


“ 与えた族印刀はかつて、朝廷支配から解放を求めた民のために風人の祖先がヤマト王権との戦いに振るってきた一族の誇りある証だ。”


「 各地の貴族達の後方には、国が民に圧力をかける朝廷の差し向けた横暴な豪族らによって東西諸国の侵攻が問題になっている。」


(先代長)

「 風人はその西を統括し平定に治める役目もある。風馬、」



“ 己の役目に疑問を持ってはならぬぞ ”



(風呂場の外の井戸で顔と腕を懸命に洗う風馬)




「バシャ!」



“ 手負いの傷とはまた違う…別の血死者の匂い ”

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