第6話【 残された母の愛情 】
(風馬)「 素材もあまり手に入らない布地は貴重なんだから服は絶対に粗末にするなよ。」
「 後できれいに縫い直してやるから、分かったな?風太。」
(風太)
「 …ごめんなさい…。」
(勇真)「 ははうえのふく・・ いいな、にいちゃんばっかり」
(風太)「 ……。」
(勇真)
「 ? ふうにぃ?ねぇ、」
(顔を覗き込む)
(風馬)「 … だいぶ日も傾いたな、もうすぐ父上も帰ってくる。俺は風呂場の薪を割る仕事もまだあるから、風太、先に勇真と一緒に
(風太)
「 うん・・。勇真、行くよ おいで。」
(勇真)「 ふうにぃ? 」
(風馬)「 ………、」
“ ねぇ、風馬 “
(桜)「 これは、風太がいつか成人して大きくなったら着せるの。」
“ 藍染にはね、山では危険な蜂やヒルのような虫の他に蛇を寄せ付けない防虫効果があるの “
(桜)「 冬は温かい保温にも効くからあと少ししたらあの子も山での修練や狩りの仕方をこれから覚えていった時に将来、きっと必要になってくるわ。」
” いくつになってもあの子が安心して着られるように “
母上… 。
(勇真)「ねぇっ!怒ってる?」
(風太)
「怒ってない。」
(風馬)
「 ( あれから二年 経つのか・・ ) 」
「 ……。」
“ お前には苦労かけてしまう ”
(桜花)「 …あれは、桜は良い母親だった。
「 風太、特に勇真はまだ母恋しい時期に甘えられる誰かが必要だ。… そんな時、お前がいてくれて助かっている風馬。」
(風馬)「 父上、」
(桜花)
「 桜の代わりにすまない… 二人を、家の事を頼む。」
風太や勇真も生まれて
“
(風馬)「 ……。」
リ────…、リ───・・・。(夜更け)
(兄弟の部屋)
(風太)「 よいしょ…っと・・勇真、ふすまかけるからぼくのとなりにおいで。」
(勇真)「 ふうに、あそぼ?」(抱きつく)
(風太)「 ねるんだってば..。 」
(風馬)
「 腹掛けもちゃんとしてるな 」
(風太)「 うんっ、大丈夫。ほら勇真、みんなもうねちゃうよ?」
(勇真)「 ふうまにいちゃん、おやすみなさい。」
(風馬)「 おやすみ、勇真。(頭を撫でる) 灯り、消すぞ。」
フッ…
(蝋燭)「 ──…、」
リイィィィィン…、リイィィィ……。
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