第2回 GHQの罠

 前回の続き的な話です。


 日本は「左翼」が異常に力を持っています。他国ももちろん「右翼」「左翼」的な思想がありますが、日本ほど異常に「左巻き」な国は珍しい、というかおかしいのです。


 戦前のことを少しでも褒めたり、軍備の話をすると、「右翼だ」「軍国主義だ」と言われ、徹底的に叩かれます。


 私はこの、「徹底的に叩く」というのも嫌いで、ヨーロッパやアメリカでは子供の頃からディベート(討論)みたいな授業があるそうです。


 それによって、他人と論戦を張ることを勉強するので、日本みたいに他者をよってたかって責めることはあまりないと聞いています。


 日本は、特にインターネット、X(旧Twitter)を見るとわかりますが、否定的な意見に耳を傾けず「0か100か」の判断で、「ヘイトだ」「右翼だ」と叩きますが、そこに建設的な議論はないのです。


 今回は、こんなおかしな左翼思想が蔓延した理由を考えます。


 去年、日本保守党を立ち上げた、ベストセラー作家、百田尚樹氏が書いた「日本国記」。これを読みましたが、素晴らしいです。


 現代の「左翼思想」に染まった、歴史教科書では書いてくれないことが詳細に書いてあり、「日本の子供はこれを読んだ方がいい」とすら思います。


 その中に、興味深い記述がありました。


 GHQです。


 1945年(昭和20年)、日本が太平洋戦争(これ自体がアメリカの呼称で、日本では大東亜戦争が正しい)に負けた後、アメリカからダグラス・マッカーサーが派遣され、日本はアメリカの統治下に置かれます。


 この「アメリカの支配」は、1951年(昭和26年)のサンフランシスコ平和条約まで続くので、実質的に日本は6年もアメリカに支配されます。


 この時、アメリカ人たちは、こう思ったそうです。


「日本人は恐ろしい。二度と我々に歯向かわないようにしなければ」


 と。

 太平洋戦争での、日本軍のあまりにも勇敢な戦いぶりに手を焼いたアメリカ人は、「日本人が二度とアメリカ人に反抗しないように」と一種の「罠」を張ったのです。


 それが、「日本国記」にも書かれてますが、


「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guilt Information Program)」


 というもの。


 早い話が「戦争に対する罪悪感を日本人の心に植え付けるための宣伝計画」です。


 これによって、「戦前の教育は悪、戦後はアメリカに従え」となり、敗戦して決定権がなかった当時の日本は従わざるをえなかったのです。


 その最たるものが、「日本国憲法」です。


 よく左翼が日本国憲法を指して、「平和憲法だ」「9条は世界に誇れる。素晴らしい」と言ってますが。


 実はこの憲法自体、めちゃくちゃ適当に作られた憲法です。


 つまり、戦後、アメリカのトルーマン政権の方針によって、民政局のメンバー25人が、都内の図書館で、アメリカの独立宣言やドイツのワイマール憲法、ソ連のスターリン憲法などを参考に草案をまとめたんですが。


 実はこのメンバーの中に、憲法学を修めた者は一人もいなかったそうです。

 しかも日本国憲法自体が、たったの9日で作られたそうです。


 アメリカ側としては「戦争放棄」の文言さえ入れれば、後はどうでもよく、実際に日本国憲法には日本らしいところが全然ないそうです。


 そして、驚くべきことに、戦後、一度も変更されてません。


 日本と同じく第二次世界大戦の敗戦国となった、ドイツとイタリア。


 イタリアは16回、そしてドイツはなんと65回も自国の憲法を変えています。もちろんドイツも日本と同じく連合国軍によって、憲法を押しつけられていました。さらに共産圏の中国やソ連でさえ変えています。


 それが世界の常識なのに、日本だけが「ガラパゴス化」して、いまだに「憲法9条を唱えれば戦争は起こらない」と信じているのが滑稽ですらあります。


 そもそも、極東国際軍事裁判(東京裁判)もひどいもので、その関連本を読んだことがありますが、一方的な言いがかりや恨みで、処刑された軍人までいるのです。


 別に私は「戦前が100%正しかった」と言うつもりはありません。


 物事、そして歴史を学ぶ際には「多角的な視点」が求められるので、「0か100か」の議論ではないのです。どちらにもメリット、デメリットはあると考えるのが正しいのです。


 ともかく、こうしたGHQの罠によって、戦後の日本では「戦前は悪。軍事を語ることなどもってのほか」という強烈な左翼思想が根付いていくのです。


 後になりますが、1970年(昭和45年)、かの有名な作家、三島由紀夫が東京、市ヶ谷の自衛隊駐屯地で、演説後に割腹自殺を遂げますが、この三島氏こそまさに「日本の将来を憂いていた」人で、皮肉なことに、今の日本はその三島氏が危惧した通りの世界になってしまいました。


 誇りや正しい歴史教育もなく、自国を守る気概もなく、政治家はただ「利権」だけを求める。

 嘆かわしいですね。 


 いつも思うのですが、「憲法9条を信じれば戦争は起こらない」と主張する左翼は「敵国が日本に攻めてきたらどうする?」という問いにどう答えるのでしょうか?


 「アメリカが守ってくれる」。そんな保証はどこにもありません。どの国も「自国ファースト」が基本なので、「アメリカはアメリカが有利になる状況でしか動かない」が正解で、「日本が攻められた? お前らで勝手に守れ」が正しいのです。


 いくら日米安保条約があるとはいえ、アメリカが自国の兵士を犠牲にしてまで、日本を守ってやる、という風に考える方がおかしいのです。


 そもそも、もし日本を守るために、アメリカ軍の兵士が死んだら、アメリカ人の一般民衆は「猛抗議」して、アメリカ軍が日本から撤退するかもしれません。


 占領されてからでは遅いんですけどね。


 将来、日本が他国に侵略され、占領されないことを願ってます。

 

 あと、一応言っておくと、「歴史的に見て、他国に軍備をゆだねた国は例外なく滅んでます」というのが、事実としてあります。軍備を他国に委ねるのは一番やってはいけないことなのです。

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