お題に沿って書いてみた

ゆ〜 @WGS所属

【お題 創作】 ハイファンタジーのプロローグ・貴方ならお題を見てどう描く??

これはこの世界の何処かにある王国の王都でのお話。




ここでは半世紀に1度大きな剣術大会が行われる。

その時期になると王国全土から剣術の腕に自身を持つ強者たちが集まってくる。

そして今日こそ、その大会の日。


コロシアムのような大きな会場にはこれでもかと人が入り、

賭け事をする人から、横断幕を作って来た人まで熱量は様々だ。



そんな中、僕は兄さんの応援に訪れていた。

兄さんは有名な剣士で、王国の魔獣討伐パーティーにもたまに選ばれている。


もちろん兄さんが狙うは優勝!!!!




……でも、それが難しそうだって母さんは言っていた。

なんでかと言うt、わぁ!?!?


「ああ、すまんな坊っちゃん。ぶつかっちまったよ」

「お前何やってんだよw」


この人たちも応援かな…?


「あ、いえ。大丈夫ですよ…」


「それでよ!やっぱ今回の最強といやぁ【ルーヴェント】だろ!!

あいつ、一回戦の相手をボッコボコにしてたしよ〜」



あ、無視された…

でも、【傭兵団長ルーヴェント】…

母さんが言ってた人だな。



「おいおいおい!知らねえのか!?

アイツは一回戦の後で棄権したんだよ」

「そんなことあるわけ――」


「みんな〜!!ニュースだよ!!あの優勝候補【ルーヴェント】が正式に棄権!!」


「あのガキ、新聞配達のじゃねえかよ…

ホントなのか。俺、あいつにいくら賭けてたっけな…」

「負けの金額はいくらかな〜

楽しみだぜw」

「ひでーなぁ…」



【ルーヴェント】が棄権だって!?

もしかしたら兄さんも勝てる!!



――――



兄さんの試合の時になった。

相手は…



僕と同じくらいの子!?!?


しかも美青年!!!!!!


思わず見とれてしまいそうな綺麗な蒼玉色の髪。

この国では珍しい灰色の瞳と端正な顔立ち。

それには似合わない薙刀なぎなたのような大きい剣。



「次の試合は王国のお抱え剣士でもある【知恵のハーキマー】と!!」

「どこからともなく現れた【美青年剣士ベアトゥース】!!」



周りがざわつく。

当たり前だ。王国お抱えの剣士と放浪(?)の剣士だ。


「それでは〜、レディー……GO!!!!!」


始まる前から結果は目に見えていた。

勝負は一瞬だった。


兄さんが圧倒的に




「負けた…」



「……あっ、勝者は〜!【ベアトゥース】!?!?!!!!!!!」


会場が静まりかえった。

一瞬だったからだ。

あの子の速さと剣さばきに大声で、また黄色い声で歓声が上がる。

しかし、何が起こったのか分からない人もいるはずだ。



「……嘘、だろ…?」



兄さんに鍛えてもらっている僕がかろうじて剣先の見えた。


始まった瞬間距離を詰め、兄さんの後ろに回り込み足を崩した。

そのまま薙刀を振って首元で止めた。


そこまでに兄さんが動いたのは3歩。

反応ができなかった。



【ベアトゥース】は「お決まり」とでも言うように慣れた手つきで薙刀を振り払い、

いつの間にか元の位置に戻っていた。



――――



その後も、【ベアトゥース】は試合開始の数秒で決着を決め、

トントン拍子に準決勝、決勝と進んで優勝した。



もし、【傭兵団長ルーヴェント】が出ていたら、どちらに軍配が上がったのだろう……





その日、王都は、


いや、謎の剣士【ベアトゥース】の容姿と、それに劣らない観客を魅了する剣さばきの話題で持ちきりとなった。

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お題に沿って書いてみた ゆ〜 @WGS所属 @MainitiNichiyo-bi

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