第3話お局様
こいつは、我が課のガンだった。
「わたしに逆らうと給料減るよ〜」
が、口癖だった。今なら、強く反発出来るのに、まだ、20代だったので我慢した。
課長の女だったから、威張っていたのだ。実際、そいつは残業計算をしており、それを総務課に送るのだが、僕の給料の4、5万円くらいはピンハネされていた。
それは、夜勤で夜中に事務所に戻り、お局様のパソコンを開いて確認した。
あの、ナマズのような顔をしたお局様は、僕が1000枚ほどの書類と格闘し、最後にホッチキスで留めていたら、目の前に座り、タバコを吸いながら僕を観察して、完了すると、
「ざんね〜ん、ホッチキスはここで留めるの。ハイッやり直し〜」
と、僕を何かといびる。
日勤で終わったのに、書類のせいで夜の11時までかかった。
とっくに、ナマズは5時で帰宅していた。
仕事が終わるといつもの寿司屋。
ここは、値段が書いてあり、高くても、500円。普通の寿司は2貫で200円程度。
その店は夜中の4時まで開店しているので、夜勤帰りに良く利用したいた。
夜中の4時までに仕事が終わると、電車がないので、会社でタクシーチケットがもらえる。
5000円が限度だが、港区なら東区まで4600円。でも、いつものタクシーだから、越えても5000円で切ってくれる。
そして、朝まで飲んで寝る。
酒が無かったら、僕は発狂していたかも知れない。
ナマズの事は、労基に告発した。
すると、ナマズは会社での不正が発覚した。
会社近くのアパートに住んでいるのに、遠い実家からの出勤と虚偽の申告。
会社に130万円請求された。しかし、ナマズは厚顔だから、それを支払いのうのうと仕事している。
こんなヤツラと仕事していると、酒の量が増える。
28歳辺りから、僕の酔い方が変化していく。ケンカもした。
その話しは次回。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
それでも僕は、酒を飲む 羽弦トリス @September-0919
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