第5話 ゾンビ化があれば移動も楽々
【 名前 】 霧島 真悟
【 スキル 】
【 レベル 】 10
【 力 】 10
【 魔力 】 10
【 部下 】 4人
【 手に入れた
目を覚ますとレベルが知らぬ間に上がっていた。
つまりはゴブリンたちが夜な夜な頑張ってくれていたということだ。
といっても、それは
それに応じて、藤崎さんのレベルも上がっていた。
「はい、お肉のスープです。温かいうちにどうぞ」
「ありがとう藤崎さん、んっ、美味しいね」
「塩ですけど、意外にも調味料とかあって驚きました」
「確かに、でもゴブリンって知能も高いみたいだし、味にもこだわるんだね」
「でも、ずっとここで暮らすわけにもいかないですもんね……私は、二人きりでもいいですけど」
「ゴブたちから聞いたけど、森を抜けると街があるらしい。まずはそこに向かって、あの国の情報を調べてみよう。このまま……引き下がれないよね」
「はい。でも、私の復讐目的なら危険な目は……」
「ダメそうなら諦めるよ。僕だって死にたくはないしね」
これは本音だ。いくら何でも命は惜しい。
「それより、元の世界に戻る方法も調べてみる? でも、僕は……あんまり帰りたくないんだ」
「え、どうしてですか?」
「実は僕、孤児院出身なんだ。誰にも言えなかったけれど、高校卒業したら働くつもりだった。だから未練はなくてね。それより、こっちの世界のほうが面白そうかも。スキルも驚いたけど悪くないみたいだし。藤崎さんとは、違うよね」
僕の言葉に藤崎さんはなぜか悲しそうだった。
「……実は、私もなんです」
「え? 藤崎さんが?」
彼女は成績優秀だった。家柄も良かったはず。なのに、なんで。
「親からはずっと勉強しろと言われ続けてきました。ただそれは、全部家を良く見せたいからだったんです。それに今度……離婚するんですよ」
「え、そうだったの?」
「はい。そして揉めてたんです。私の親権を争って」
「そっか……でもそれだけ愛されてたんだね」
「いいえ、違います」
すると藤崎さんは、首を横に振る。
「逆なんです」
「……逆?」
「私の事を拒否していたんですよ。どちらが親権を押し付け合うか、揉めていたんです」
言葉出なかった。人は表面だけじゃわからない。
震える肩を抑える。
「ありがとう、話してくれて。だったら、僕たちはこの世界で生きよう。その為には、強くならなきゃね」
「――はい、マスター!」
「それはやめようか」
そのとき、洞窟の入口付近から物音がした。
ゴブ一号か? いや二号か、三号かもしれないな。
そう思っていたら、現れたのは巨大な狼だった。
動物じゃない。これは――魔物か。
「グルルルルゥ」
「霧島君! 危ない!」
「いや、好都合かも」
「え?」
◇ ◇ ◇
部下。
【 名前 】 ワイルドウルフ
【 スキル 】 俊足
【 レベル 】 11
【 力 】 20
【 手に入れた
「は、はやいよおおおおおお」
「お、落ちそうです!?」
「グウウウウウウウ」
僕と藤崎さんは、ワイルドウルフの背中に乗っていた。
そのまま森を一直線。
ちなみに頑張って噛みついたけれど、ゾンビ化できなかった。
理由は、レベルが足りなかった。
たまたま同時刻にゴブリンが魔物を倒したらしく、遠隔でレベル上がって助かった。
つまりこのことから、僕のゾンビスキルはレベルが同じかそれ以下でないとできないみたいだ。
流石に無敵ではないらしい。といってもいずれは全員をゾンビにすることも可能かもしれない。
……ゾンビ軍団か。
街を見つけたところで、一旦下ろしてもらう。
するとワイルドウルフが、思い切り頬を舐めてきた。
「グルルル!」
「なんて言ってるんですか?」
「勇敢なところ素敵! かっこいい! ちゅき! だって」
ちなみにメスだった。僕が異世界初かも、魔物を
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