第一章 懺悔室バイト初日に皇帝陛下が懺悔に来ました③
シスター歴数分の私には荷が重すぎる案件だったけれど、なんとか彼の懺悔に応えることができて
その三、さりげなく寄付を
その三だけ赤インクで下線が引かれて強調されており、さりげなくという指示が全くさりげなくなかった。
「では、えー、あの、よろしければ寄付を……」
じゃ、じゃりん? え、何、今の重そうな音……。
「シスター、ありがとうございました」
「あ、いえいえ、またのお越……」
ついお店でパンを売る時と同じ調子で言いかけ、
皇帝陛下が教会から去ったことを確認してから、懺悔室内の
「ひえ……」
見たことのない大金に
懺悔室に務めて初日の相手が皇帝陛下しかも内容が大変重い、という受難に神様が
「おつかれー。今日の売り上……寄付はどんな感じだった?」
うっかり売り上げとか言っちゃっている神官様がわくわくと寄付箱を
「寄付金すげえ集まってるじゃねえか。人いっぱい来たのか?」
いいえ皇帝陛下おひとりです、とは言えず、
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