第一章 懺悔室バイト初日に皇帝陛下が懺悔に来ました①
懺悔室バイト、一日目。
初めて着るシスター服で席に座り、果たして来るのか分からない来訪者を待つ。
懺悔に来る人から私の姿は見えないらしいけれど、一応、
中身の私自身は、ごく
そんな娘への評価が激甘な父母から「リーニャちゃんのシスター姿が見たい」ときらきらした瞳で言われたけれど、なんだか
ちなみに神官様からいただいた感想は「お前、似合うなあ。なんか簡単に
しかし、懺悔室を開いたのはいいけれど、本当に人は来るのだろうか。この教会は
懺悔室は小さな部屋だ。四歩くらいで
勤務初日で
と、懺悔室の
「来た……」
懺悔室は来訪者側と聞き手側が組木の
神官様
というわけで、相手からこちらの姿は見えないと分かっているけれど、なんとなく居住まいを正して「どうぞ」と入室を
「……こんにちは」
声からして、本日の来訪者第一号は年若い青年のようだ。正面に着席した相手の姿を見て、息を
冷たい
一目で
え。皇帝陛下?
下々の身である私は皇帝陛下を直接見たことはないが、その
待って。なぜ皇帝が下町のおんぼろ教会に
ただ同じ特徴なだけの
なお、噂されるほどのその美貌に関しては、申し訳ないのだけれど「バイト初日の相手が皇帝陛下」という重圧の方が勝ってしまって、心奪われる
「……あの、こういうところは初めてで。普通に話し始めたらいいのでしょうか?」
「えっ? あっ、はい、ど、どうぞ」
私が
「神は
神官様から受けた指示通りの台詞を口にしつつ、自分に言い聞かせる。
相手は通りすがりに懺悔室に来た一般人、迷える子羊、ただの一般人。よし!
「俺を裏切った者を一族ごと殺したことがあります」
待って。重い。
懺悔室バイト初日に聞く懺悔じゃない。
しかもそれ、知ってる……。確か六年くらい前、まだ
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