結婚

誘拐婚という言葉が存在する。

とある国の村で現在もなお行われている誘拐婚だ。

一目ぼれした女性を誘拐し、家族で説き伏せ結婚を迫る。

そこにはその村の、国の習わしがある。

人権などは存在しないように見える。


これは、とある場所の結婚についての話を小耳に挟んだことだ。

そのカフェには多数の男女がおり、それぞれが男女の交友を楽しんでいる場でもあった。

私はそのカフェで紅茶とケーキを嗜みながらライターの仕事をしていたのだが、隣に座った男女が興味深い話をしていた。

話をメモとして記載したので、下記に置いておく。


女「〇〇くん、こんな話知ってる?夏初めの怖い話だと思って」

男「〇〇は怖がりだからな~、昼に話すのそれっぽい」

女「えっとね、本当に都会、都心の話。大きな神社があって、参拝者もたくさん来るような神社」

男「ああ、〇〇神社みたいな」

女「そうそう、大きな神社でね、人さらいが横行してるらしいの」

男「ええ、そんなことあっていいの?このご時世であるわけないじゃん」

女「私もね、聞いただけの話だからなんとも言えないんだけど…どうにも、神様の嫁子として神社側が誘拐してるみたいなの」

男「え、でも神様って大体相手がいるじゃないか。〇〇神社の〇〇は神話で〇〇と結婚しててとか」

女「そうなのよね」

男「それに、警察が黙ってないんじゃないの?」

女「警察が黙ってる理由がそこにあるってこと。つまり、国公認…の誘拐」

男「俺、あんまり神様とか信じてないんだけどさ…神様の嫁になるってことは、殺されるのかな…生贄みたいな」

女「わかんない。流石にどういうことかは…」

男「なんかこえーな…」

女「これ推測なんだけど、家族も丸め込まれてるんじゃないかな」

男「どゆこと?」

女「なんていうか、戦争みたいに、「やらなければならないこと」ってことで…さ。否定したら非国民、みたいな」

男「でも聞いたことねーやそんなの」

女「わかんない、わかんないよ!」

男「でもあったらこえーな」

女「うん……怖いよね」


私はこの話をもとに、色々調べてみたが、何も見つからなかった。

女性の話が本当であれば、この情報は政府によって規制されているのだろう。


以降、私の考察だが

八百万の神という存在が日本には存在する。

それはありとあらゆる神という意味だが

日本神話に出てくる大きな神には番がいるが、そう言った八百万の神たちには番がおらず

いわゆる「未婚の存在を強制的に結婚させる」という事柄を神社で行っているのかもしれない。

どちらにせよ、この話に深追いは禁物だろう。

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