3 星
声は自分を呼び続ける。
闇は永遠を喰らう。それと同時に自分の心も喰らっていくのだ。
息が苦しい。
まだ死にたくないと私は叫んでいた。
死がここまで目前に見えるのはこれが初めてかもしれない。
私が何故ここに来たのか。なんとなくわかった気がした。
これは罪償いなのだ。
私がここまで生きてきてしまったことへの罪償い。私はここでその罪を償うため、永遠ともがき苦しむのかもしれない。
―声は私を呼ぶ。強く強くー
闇の浮かぶ世界で薄らと、命の光を思い出す。
どんなものだろうと、命は輝いている。
その輝きが忘れられない。
錆びついた鎖の上を走る光。鎖がどんなに廃れようと、醜かろうと、その光は変わらず光り続ける。
軌跡を残しながら繋がる光。
まるで流れ星だ。
つぅ、と流れれば消えていく。
淡く、夜に浮かぶ光。
この果ての無い闇には流れ星は流れない。
私の命も、輝くことはない。
流れ星は、記憶の奥底から浮かび上がり、消える。
声は確かに、自分を呼んでいた。
何と言っているのかは分からない。
ただ、声は自分を呼ぶだけ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます