学校終わってる?

 案内はチカがしてくれた。


「じゃあここが奏の部屋だよ。自由に使ってね」


 案内された寮は異常なほどに綺麗だった。まるで誰も使っていないかのように。

「でも一人に部屋3個は多すぎないか?」


 そう、渡された部屋は三つ。明らかに使いきれていないことを示している。

 誰も使っていないから綺麗だったのだ。終わりだね。

「そんなことを言っても使う人がいないんだから仕方ないでしょ?我慢してね」


「嫌だ!!!俺にはこんなに部屋があっても使いきれない…終わりだ。ここが人生の終点なんだ…」


「うるさい。ここでは奏なんてカーストマイナスなんだからわがままはダメだよ?それとも寮を出禁になりたい?」


「すみませんでした!!どうか、どうか寮は使わせてください!」


「は〜、プライドとかないの?別にチカに出禁にする権利なんてなのに。まぁそう言うことだからよろしくね」


「…はい」


 負けた…この俺が…数多くの生徒と関係を持った主人公を見届けたこの俺が…くそ!


「それじゃ次は食堂に行こ、ちょうど昼頃だし」


 確かに時計を見てみると:の左側が1だった。イメージ(1:15)デジタル時計


 食堂までの廊下では誰ともすれ違わなかった。今日は月曜日なのに。

 は!明らかに少ない生徒。そして誰でも編入おっけいの限界。そして全て〇円のやけくそ経営。これは終わりの予感がぷんぷんしている。

「ここが食堂だよ。あ!月夢ちゃん。一緒に食べよ!」


「チカ、今は案内中でしょ?案内に集中して」


「そう言わずにさ、それに案内にも休憩は必要でしょ?」


「…仕方ないわね、じゃああそこの机で食べましょ。ここの食堂は給食みたいに毎日くるから好きなのをとってね」


 好きなのをとってね…と言われたが、メニュー欄にはサンドイッチA.B.Cしかなかった。

「とりあえず、迷ったらAかな」


 Aはカツと卵の二つだった。当たり!


「お、Aにしたのですか?Aを食べる人って少なかったんですよ」


「そうなの?まぁ、適当に押したからな」


「そうですか…でも良かったですね、Cにしなくて、Cはいつも誰も食べませんから。ちなみに中身は聞かない方が幸せですよ」


「…聴きたいです」


「…本気ですか!?聞いたらAとBしか食べられなくなりますよ!」


「承知の上です!どうか、お願いします。それでもダメならチカの魂を賭けれます!」


「ちょっと!なんでチカまで茶番に巻き込まれてるの!」


「…冷めましたね。次に覚える常識は空気の読み方にしましょうか」


「いーやーだ!!!もう何も覚えたくない!せめてスパルタはやめてよ!鬼!」


「失礼ですね、友情ですよ?あなたが社会に出ても生きていけるようにしてあげてるんですよ?むしろ感謝して欲しいぐらいですよ」



「なんか…大変だな」


「ほら、新参者にすら空気を読むことができるんですよ?明日から指導しましょうね」


 なんかねっとりしてるきがggg


「……っち」


「舌打ちしましたか?もしかして、復習が必要ですか?」


「すみませんすみません!復習だけはやめてください!あの地獄はもう体験したくないんです!」


「あなたが1発で覚えれば済む話では?」


「チカだって人間なのなの!ほら、食べ終わったでしょ!次の場所に行くよ!」


「え!?まだ皿にカケラが…」


「…人間?」

 ————

「ごめんね、まだ食べてる途中だったのに」


「まぁあれを見たら同情しますよ。ご馳走様でした」


 さっきし忘れたからな、今やっておかないと忘れてしまう。

「気を取り直して、次は体育館に行こう」


「体育館ってなんか使う時あります?」


「昔は全校集会とかで使われてたらしいよ。今は…遊び場かな?」


 体育館までの道はよくある渡り廊下を通る感じだった。一応自転車用の道があるけどほとんど汚れてないように見える。みんな寮に住んでるのかな?


「で、ここが体育館だよ。鍵はいつも掛かってないから勝手に入っても大丈夫だよ」


 中はなんというか…普通だな。


 ただ遮蔽物がある事を除いて。


 この世界では銃の所持は合法だから当たり前だな。それに他校と戦う時もあるし


「じゃあ次は…あとどこか案内して欲しい場所とかある?」


「そういえば3人以外の生徒ってどこにいるんだ?」


「あと2人いるよ。今は2人とも遊びに行ってるから会えないよ。でも後で生徒会でに来てね、奏をみんなに紹介するから」


「わかった。じゃあそれまでは休憩か?」


「そだよ、じゃあ自由にしててね」


「え、ちょっと置いてかないでくれ!」


「…どうしよう」


 たしかに生徒会室の場所は覚えている。でも早く行ったら気まずいじゃん!

 詳しい時間も教えてくれなかったし。


 とりあえずスマホで時間潰すか

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