天使は存在した!
「…これは誤算だったな…」
皮でできたおそらく元はかなり上品な財布を開くとそこには銅色にくすんでいる小銭が3つほどあった。
「詰んだ…新しい人生を手に入れたのに!好きな世界に来れたのに!金銭の問題で積むなんて…我が人生に100の悔いあり!」
「あの…大丈夫ですか?」
「えっと、誰で…す…かぁ」
突然後ろから声を掛けられたから咄嗟に振り返ったが後悔をした。なぜならそこにいたのは最推しの一人である『星流・ココミ』だったからだ。
「どうしましたか?具合でも悪いのですか?」
やばい…天使すぎて胃が死ぬ…俺にはやらなくてはいけない使命があるというのに!ここに一生いたいという欲望が溢れて…いや、よく考えたらココミは天使だからお金を貸してくれるかも!
ていうか推しに話しかけられるなら『我が生涯に100の悔いあり!』なんてするんじゃなかった。
「あの、もしかして星流さんですか?」
こういうのは苗字で話しかけるのが普通だ。まれに初っ端からちゃん呼びなんてする馬鹿主人公もいるらしいが、はっきり言って急にちゃんで呼ばれたら怖いだろ!
「はい。そうですよ。それで、どうしたのですか?」
「その…お金がなくて…」
「お金ですか?…なら、これで足りますか?」
「え?…多くないですか?こんなに良いんですか?」
「はい!私は困っている人を見ると助けたくなるんですよ。それにそれより小さい現金はを持っていませんし」
「なるほど…ありがとうございます!2倍にして返しますね!」
「そんなギャンブラーみたいなことを言わないでください。あとお金は返さなくて大丈夫ですよ。次はいつ会えるのかわかりませんし。それでは、友達を待たせているので、さようなら」
「さよなら…天使って実在したんだ…」
ココミは一万円札を渡してきた。やっぱ儲かってる人って金銭感覚がバグってるよね?
てか原作と制服が違ったな。つまりは転校前なのか。それとやっと時間軸がわかった。TSイベントまであと三年だ。ぎりぎり足りる…良かった。
「とにかく!これでお金は確保できたから早く行こう!」
「で、切符売り場ってどこだ?」
※切符売り場を見つけるのに15分
—————
切符売り場見つけにくすぎだろ!確かにカードが主流だけど俺みたいに切符を使う人間もいるんだよ!!
「ま、何はともあれ着いたからいいか。で、ここが俺が三年間お世話になる学校か…なんというか、思ったより綺麗だな」
校門からでもわかるほど校舎は輝くほど白く、綺麗だった。
「こんなに状態の整ってる学校が消える?謎が多いな」
「あ!もしかして新しく編入しに来た子?」
校門の方から話しかけられた。
声のかけられた方を向くといかにも元気ですと主張ししているような姿の少女がいた。
程よく茶色いポニーテールの髪。瞳も同じような色で背が少し低い?多分150とかだろう。
「あなたはこの学校の生徒ですか?」
「そだよ、でもおかしいな?履歴書には男って書いてあった気がするけど?は!まさか替え玉!?そんなことはチカが許さないぞ!」
「俺は替え玉なんてしてない!」
「どうせ姉とか何でしょ……でも確かに平らだね。じゃあ男?いや世の中には平らな女もいると聞いた。じゃあどっちだ?……」
うん?目の前の子がぶつぶつ言っていると校門からもう1人出てきた。
緑ロングでいかにも真面目系って感じだな
「つまりは女ってことか!…痛!?」
校門から出てくるとチカと名乗った女の後ろに立つと頭を思いっきり殴った。なぜ!?
「すいません!この子はまだ常識を学んでいる途中なんです。それと貴方が編入生ですね。こっちで面接をするので来てください」
「ひどいよ!チカは賢いから言葉でわかるのに」
「はいはい、戯言はそこまでにしてね、今は霜月さんの面接が先だから」
しばらく廊下を進むと生徒会室と書かれた場所の前で止まった。
「ではこの教室で面接をします。ま、面接の結果がどんなに悪くてもあなたをここに入れますけどね。一応形式上なので我慢してください」
「入ると机の向かい側に面接官がいるのでしっかりと挨拶をしてくださいね」
そう言うと緑の子はどっかに行ってしまった。もちろんチカを連れて。
そういえば名前を聞き忘れたな。ま、また会えるからいいか。
礼儀を思い出せ俺!受験講座で何度もやっただろ!
コンコン ※本来は3回が良い
「失礼します」 ※ドアを開けながら言わない。開けた後に止まって言うのが良い
ドアをゆっくり開けると俺は面接官の方を向いたままドアを閉めた。 ※後ろに振り返って締めるのがいい
そのままゆっくりと歩いて行って椅子にゆっくりと優雅に座った。 ※面接官の合図があるまで座らない!
そのまま背もたれに体重を乗せた。 ※背もたれは使わないでピシッと背筋を伸ばす
「…やっぱこの学校に来るようなやつは皆終わっているのか…本日はお願いします。ではこの学校に編入したい理由を教えてください」
なんか小声でボロクソ言われた気がする…が、メンタルを壊さないためにも無視しよう。
「はい、理由としては第一にお金がかからないからですね。俺は両親がいないのでとにかく安いところが良かったんです。あとは家から駅までが遠いので寮がある学校が良かったんです」
「なるほど。思ったよりマシなやつか?…ではこの学校でしたいことを教えてください」
「そうですね…とりあえず卒業できればなんでもいいです」
「前言撤回、やっぱゴミカスだ。なるほど、わかりました。では面接はこれで以上です」
「はい、ありがとうございました」
俺は立ちながら挨拶をし、部屋を出た。 ※挨拶は立ち上がって止まってからする。部屋の出方はあってるかな?
「ふぅ、思ったより疲れたな。主に小声の暴言が原因だけど」
「なんだ?心の声が漏れていたのか?」
「うわ!?」
気づかなかったけど後ろに面接官がいた。
面接官は青色のボブで大人と勘違いするほど成長しきっている。
「まぁいい。そんなことよりさっきの面接の話は本当か?あれだ、両親がいないと言っていたやつだ」
「そうですね、本当ですよ。俺は両親の姿も知りませんし、孤児みたいなもんです。でも義理の親ならいましたよ。過去形ですけど」
「そうか…もし寂しくなったら私の元に来るがいい。甘やかしてやる」
「ありがとうございます。でもきっとその機会はないと思います」
だって俺はメンタル鋼だからな!それに前世の親は俺が殺したし。既に決別は済んでいる。
「わかった。それと私の名前は静波・霰だ。よろしく頼む」
「あぁ、俺も多分ここの生徒になるからな。よろしく頼む」
「ちなみに言っておくがお前の礼儀は最悪だったぞ。マイナスをつけたくなるほどにな」
「嘘…だろ」
「本当だ。この学校以外だったら落とされていただろうな。運がいいな」
「あ、面接終わったんですか?」
ん?振り返ると緑の子がこっちに来ていた。
「そうだ、礼儀は最悪だがまだマシな方だったぞ」
「ひどい!…」
「事実を言って何が悪い。事実陳列罪とでも言うのか?」
「いや、なんでもないです…」
「いつの間に二人はそんなに仲良くなってたの?」
「仲が良く見えるか?私としては何も変わらんが」
「俺として…」「全然違うよ!仲良さそうだもん」
「まだ信頼度が足りなかった…」
「何言ってるの、それとこれ明日までにサインしてきて」
うん?紙を渡された。覗いてみると、編入書だった。
「おう、わかった」
「言っとくけど明後日に渡されても認めないからね」
「あぁ、もちろんだ、大丈夫…だと思う…」
「それじゃ、面接も終わったことだし、寮に案内するよ!」
—————
作者的メッセージ
長くなってごめんなさい。切る場所が見つからなくて。
それと原作を別で考えるの難しい!
あとできれば感想や指摘、誤字などを教えてくれると助かります。
感想はアンチでも暴言でも大歓迎です。
できれば内容にそった悪口がいいですけど。
だからこの話にストレスをぶっかけてください!
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