その後
革命――それは正にレボリューション!
「……ふぅ」
少しばかりテンションが上がっていた頭を冷ますように、一つ息を吐いて気持ちを落ち付かせる。
どうして俺がこんなにもテンションが高いかと言うと、その理由はエターニアの地で自由に動くことが出来るようになったからだ。
「カズキ様!」
「おはようございます!」
「今日も素敵です~!!」
「あはは……おはようみんな。それとありがとう」
道を歩けば、大勢のエルフたちが俺を見てくる。
俺からすればこんな光景は少し前では考えられなかっただけでなく、男が自由に歩いているというのを見るのも彼女たちからすれば考えられなかったはずだ。
(……変わったなぁ)
あの日――世界に対し、俺という存在を知らしめた日が革命だった。
まず男たちに対して女と愛し合う俺の姿を刻み付け、その後に教皇が自棄になって色々とやった結果、世界に俺がバレてしまった。
『あの街ではあんな感じだったけれど、こっちでは堂々とする?』
もはやバレたのなら堂々としてしまえということで、一度は悩んだ俺のことを公開するセレモニーがエターニアで行われ、そのおかげでこうして俺はエルフたちから敬われるだけでなく、どこかアイドルのような扱いも受けていた。
(アイドルとか柄じゃねえんだけど……まあでも、エッチなエルフたちをジッと見ても文句言われないし、逆にもっと見てと言わんばかりに綺麗なエルフたちが谷間を寄せたり! スカートを捲ったりしてくれるからもう最高過ぎる!!)
そもそも、貞操逆転世界ってのはこれが正しいんじゃないのか!?
こうやって堂々と歩けるかどうかはともかく、女性たちが胸に溜め込む欲望を男である俺にアピールしてくるこの光景こそが! ずっと俺が前世で見ていた貞操逆転モノの姿だ!!
『もしも気に入った子が居たら手を出しても良いんじゃない?』
『そっすねぇ! 本当ならあたしたちが全部相手してあげたいっすけど、男性としてその辺は自由にしたらと思うっす!』
『ふふっ、あまり難しく考えなくていいのですよカズキ様』
ちなみにこんなことを俺はセレスさんたちから言われていた。
その言葉に鼻の下は伸びたしうほってなったものの、見境もなく女性にちょっかいを掛けるようなことはしていない……というより出来ない。
(……なんつうか、見るだけで満足しちまうんだよなぁ)
どこを見ても驚くほどの美人だし、たわわで豊満な肉体だし、傍を通るだけで香りは甘いし、とにかくここの女性たちはエロい。
だからこそ見るだけで満足してしまう。
まあそういう本格的にエッチなことは、セレスさんたちとしているからというのも大きいかもしれない。
「……へへっ」
ヤバイ、思い出すだけでもニヤニヤしてしまう。
あの街に連れ戻される前までは、決して本番行為はしなかったけれど、帰ってきてからセレスさんにまず想いを伝えた後、半日くらいずっとセレスさんとズッコンバッコン突き合っていた。
「セレスさん……凄いよなぁ」
性欲が強い女性なのもそうだが、俺にも新スキルが宿った。
それがまあ絶倫的なやつで疲れ知らずになっただけでなく、搾り取られた俺の精が更に強い力を持つまでに至ったりと、とにかくもっと強い恩恵が得られるようになったのだ。
「俺って……本当に何なんだろうね」
もういっそのこと、神と名乗るのが正しいか……なんてな。
「……これからもっと忙しくなるのかねぇ」
別に、俺自身が何か仕事をやるわけではない。
だがこうして存在を明かし、女性が大好きであることが世間に知られたことで、ありとあらゆる国が俺にコンタクトを求めている。
特に鬼族の姫が今すぐにでも会いたいと我儘を言っているとかで、近々セレスさんが会ってほしいと言っていた。
「……モテモテかぁ」
おそらく今、俺はこの世界で一番異性にモテている男だ。
これこそが俺の望んでいた在り方……だと思っていたんだが、やはりセレスさんたちと過ごしていると、この生き方を良いなとは思いながらもそこまで大勢の女性を求めようとは思えない。
「……それだけ傍に居てくれる人たちが大切ってことかな」
そう思ってクスッと笑うと、辺りから黄色い悲鳴が上がった。
慣れない……でもこれから慣れていかないと、このエターニア以外の地でもこういうことは増えるだろうとセレスさんは言っていたし。
「よしっ、朝の散歩終わりっと……帰るか」
道行くエルフたちに手を振りながら、俺は居城へと戻るのだった。
「ただいま~」
「おかえりなさい♪」
居城に戻り、すぐに向かったのは当然セレスさんの部屋だ。
今日は早めに仕事を終えると聞いていたのだが、こうして日中からセレスさんとの時間が取れるのは本当に嬉しい。
というのも最近は俺のことだったり、国間の交流だったりと最近は本当に忙しそうにしているからだ。
「ふぅ……」
「やっぱりお疲れですね」
「そうねぇ……肩が凝って仕方ないわ」
肩が凝ると、そう言ったセレスさんは腕を回す。
そして、この言葉はあることの合図だったりする――セレスさんは顔を赤くしながら、胸元を開けさせてこう言った。
「か、カズキさん……またしてくれる? 揉んで、吸って……気持ち良くしてくれるかしら?」
「はい!!」
その……あれだ。
彼女たちの中でも特にセレスさんとは爆速的に関係が進み、キッチリと両想いの関係になったことでお互いに遠慮がなくなった。
それもあってセレスさんがエッチな要求だったりとか、逆に俺に対してエッチなことをしてあげたくてたまらないだとか、とにかく一線を越えてからセレスさんは凄まじくエッチな女性へと変貌した。
「セレスさん……やっぱりエッチですね」
「仕方ないじゃないの……知ってしまったんだもの色々と! しかも相手がカズキさんだから我慢出来るわけないじゃないの!」
「……………」
「こんな私はダメかしら?」
「ダメじゃないです! 最高です! うおおおおおおっ!!」
「あんっ♪」
最高だと大きな声を出しながら、飛びつく俺をセレスさんは嬉しそうに抱き留め、そこからはもうお互いに止まらなかった。
「……ふっ」
「も、もう……しゅきぃ……♡」
しばらく時間が経った後、ベッドの上には蕩けた表情のセレスさんだ。
完全に同人本で良く描かれる感じのやつだけど、これもまた俺のスキルが更に強くなった結果とも言える。
「最近……爛れてやがるぜ」
本当に、爛れた生活を送っている。
股間が乾くことのない生活ではあるが、かといってエッチなことばかりしているわけではなく、ニアさんを筆頭に改めてこの世界で知っておいた方が良い常識なんかを頭に叩き込んでもらっている。
『素晴らしいですよカズキ様。こちらのテストは学院で若いエルフたちがやっている物と同じですので、大分知識が身に付いてきた証かと』
ニアさんは、本当に面倒見が良いし教えるのも上手だ。
『先生! 難しい問題が解ける度に先生とエッチしたいです!』
『良いですよ♡ ですがその代わり、解けなくてもエッチしましょうね』
……あぁうん、ニアさんともエッチなことばかりだわ。
ただ普段のメイド服と合わせ、先生っぽい出で立ちということで眼鏡をしているニアさんもまたエロくて最高だ。
『カズキさん! 今日はあたしとエッチするっすよ!』
メルトさんに至っては隣の家に訪問する軽さでこう言ってくるし、とにかく最近はもう凄いことになっている。
後これはニアさんが言っていたのだが、エルフたちが通う学院から講師として俺を呼んでほしいという声もあったりだとか、これに関しては他所の国もそうだけど先生として色々と教えてほしいのだとか。
「……何を教えてほしいんだろうなぁ」
なんてことを考えつつ、ニヤニヤとしてしまうが今はこれ以上誰かと関係性を作るつもりはない――たとえそれが望まれているとしても、セレスさんたちと一緒に居られれば俺はそれだけで幸せだから。
「それに……」
ほんの少し、世界は変わってきている。
男だけが住む街の中で、教皇に対する不信任決議のようなものが執り行われるという噂だ。
そして何より、他の男の中から女性に対する見方を変えるべきではという意見が出た――ちょっと恥ずかしいけれど、その人たちは俺のあの時の幸せそうに絶頂する表情を見て思う部分があったらしい。
「……はぁ」
思い出すだけで恥ずかしいけど、つうか俺……革命だなんだの言って多くの人たちにセレスさんたちに相手してもらったのを見られたんだよな。
「……ふぅ!」
ダメだダメだ。
決してアレが間違っていたとは思わないけれど、これ以上考えたら顔が沸騰しそうになっちまう。
「……………」
だがしかし、相変わらず隣で幸せそうに眠るセレスさんはエッチでついつい手が伸びる。
「ぅん……っ♪」
……ほんとエッチすぎる。
しかも最近は彼女たちの体に変化が起き、ただでさえ魔力が多いセレスさんたちの中に、俺の魔力が加わって際限なく増幅される。
体の中で蓄えきれない魔力を持っても危険なことはないが、それでも体から勝手に魔力が漏れ出る現象の一つとして、彼女たちが発情するとミルクが出てしまうようにもなった。
「……エロゲかよ」
なんて思いつつも、その都度楽しんでいる俺なわけですが。
【あとがき】
次回で終わりです!
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