サキュバスは凄い
サキュバスの女王であるリリスさんとの出会いはつつがなく終了した。
今はもうリリスさんが普段気楽に過ごしている邸宅に招待され、セレスさんと一緒にお茶をご馳走になっている。
「美味しいですか?」
「凄く美味しいです!」
「まあ! それは凄く嬉しいですわ!」
ビッグすぎる爆乳をたぷんと揺らし、リリスさんが喜んだ。
というかサキュバスの女王がですわ口調だってよ! いや、別に良いんだけど前世でこういう口調の人には会わなかったから凄く新鮮だ。
「久しぶり……というのも変な気分になるわね。あなたのその姿を見たのはそれこそ、本当に昔のことだから」
「そうですわね……お互いにそれぞれが王という立場になったくらいだった気がします。しかもその出会いの時に、ちょうど私はあの年老いた姿になりましたから」
「っ……思い出させないでちょうだい。結構刺激的な光景だったのよ?」
「あら、サキュバスとして刺激を与えられたのなら嬉しいですわ」
「そういう刺激じゃないでしょどう考えても!!」
まるで友人のようなやり取りに、俺は半ば新鮮な気持ちで見ていた。
ニアさんやメルトさん、オリエさんとも違うやり取りから見えるセレスさんの様子は、初めて見るような感覚だからこそこんな気持ちになれたのかもしれない。
「会うことはそう頻繁ではないのですが、セレス様とリリス様は凄く仲が良いのであります」
「みたいですね……うん?」
「どうしたでありますか?」
「えっと……いえ」
隣に立って教えてくれたのはミューズさんだ。
相変わらずの際どすぎる衣装のままで隣に立っているものだから、ちょと視線を横にしただけでも暴力的スタイルが目に入る。
左を見ればセレスさん、正面を見ればリリスさん、右を居ればミューズさんとどこを見てもおっぱいばかり肌色ばかりだ。
「さてと」
「っ!」
セレスさんとひとしきり話し終え、リリスさんが改めて俺を見た。
(本当に……えっど)
エロいし美人過ぎる。
地面に付いてしまうほどの長い銀髪も綺麗だし、柔らかな眼差しとは裏腹に真っ赤な瞳は全てを吸い尽くす悪魔を思わせ、そして何より背も高く胸も特大! 太もももムチムチで本当に色気が凄い。
「何度も既にお礼は言いましたが、あなたには本当にどれだけの言葉を重ねれば良いのか分かりませんわ――ですが確かなことは、このご恩をわたくしたちサキュバスは決して忘れません。私やミューズ以外のサキュバスにはあなたという男性のことを直接伝えてはいませんが、あなたの精を飲んだことで皆が本能であなたに忠誠を誓っております」
「……話には聞きましたけど、俺はそういうことは――」
「分かっておりますわ。ですからあなたに対して我らが王だとか、そういうことを直接申したりはしませんわ。ただ心の中に留めつつ、あくまであなたの望む対応の仕方をさせていただきますわ」
「ありがとうございます。そう言ってもらえると安心します」
「……ふふっ♪」
クスッとリリスさんは笑い、こう言った。
「しかし……本当に今になっても実感がないですわ。かつての若い姿を取り戻したというのに……声も、体も、体力も、全てを元に戻してくれた方がこのような素敵な男性だなんて。あぁセレスに嫉妬しますわ――ねえセレス、カズキ様をいただけないかしら?」
「何を言ってるの? 寝言は寝て言うものだわ」
「冗談ですわよ。そんな我儘は言いませんわ……ですが、カズキ様に淡い想いを抱くことくらいは許していただける?」
「それはもちろんだわ。私たちだって同じだしね」
「ありがとうございます♪」
ボソッと、ミューズさんも私もと言ってきたので頬が赤くなる。
そこからはリリスさんとミューズさんの体に起きた一番の変化として、下っ腹辺りに刻まれている紋様について更に詳しく聞いた。
ミューズさんも言っていたがこれこそが俺と彼女たちを繋ぐ隷属の証であり、俺が彼女たちの主になったことを差す。
「幼い子供たちはまだよく分かっておりませんが、それでも全てのサキュバスがカズキ様に隷属した形となります。もちろん本能がそれを理解しているだけで、大半のサキュバスはあなたのことを知りません。ですがサキュバスの……わたくしたちの隷属とはそういうものだと認識をしていただければ幸いですわ」
「了解です……改めて聞くと凄い規模で実感はないですけど」
千人ほどのサキュバスが俺に隷属したという事実だが、あくまでそれは絶対の縛りというわけではないらしい。
こうして顔を合わせているリリスさんや、ミューズさんの気持ちが強いだけで他のサキュバスたちはあくまで今まで通りでありつつも、本能が俺という存在を認知しているとのこと……正直よく分からないが、難しく考える必要がないと言われたのは気が楽だ。
「ねえリリス」
「なんですか?」
「リリスは、一度だけ男性に姿を見られたことがあるといったわね?」
「……えぇ、苦い過去ですわね」
「女性というのはもちろんだけれど、サキュバスだからこそ私なんかよりも酷い言葉を投げかけられたことでしょう」
「……悪意のある言葉に上も下もありませんわセレス」
「……そうね。でも、だからこそ安心してちょうだい――カズキさんは私たちのような女性を受け入れてくれるし、何よりエッチなことが大好きだって言ってくれるのよ」
恥ずかしい気持ちではあったが、俺は強く頷いた。
まあここに来た時点でそれは分かっていたリリスさんだろうけど、目の前の彼女は体を震わせるように蕩けたような表情を浮かべ、こんなことを提案してきたのだ。
「その……実はカズキ様に叶えていただきたい願いがあるのですが、口にしてもよろしいでしょうか?」
「俺に出来ることなら!」
「では――少しの時間で良いので、思う存分抱きしめさせてほしいのですがいかがですか……?」
不安そうに問いかけられたその願いを、俺は大丈夫だと言って立ち上がりサッとリリスさんの正面に立つ。
背後で微笑ましそうに笑うセレスさんと、良いなぁと囁くミューズさんを感じつつ、俺もまたこう言った。
「俺も、思いっきりリリスさんの胸に飛び込んでも良いですか!?」
その言葉に、リリスさんは涙を流しながら鼻息を荒くして頷いた。
「もちろんですわああああああっ!!」
そして、俺はサキュバスの弾力を心から謳歌するのだった。
途中からミューズさんも加わることになったが、やはりサキュバスというのは男を最大限に興奮させる香りであるとか、多くの要素を持っているらしくとにかく凄かった。
最終的にセレスさんも我慢出来なくなり、三人の美女に囲まれるという最高の時間を俺は過ごすのだった。
「……ふぅ!」
疲れたと、そう言わんばかりにエターニアに帰った俺はベッドに身を投げ打つように横になった。
結局サキュバスの魅力だけでなく、セレスさんも加わっては色々と我慢出来るわけもなく、三人に絞られるようにして精を保存してもらった。
『これはもう国宝ですわ! この特濃のお出し物は強い耐性を持っていますけれど、国宝として飾りますわよ!!』
『賛成ですリリス様! 毎日拝ませていただくであります!!』
とまあ、ちょっと大変ではあったが喜んでもらえたのは良かった。
「……何が起こっても大丈夫だって思えるなぁ」
相変わらず教皇の動向は気になるが、俺はエルフとダークエルフだけでなく、サキュバスの協力も取り付けることが出来た。
それは国同士を強固なモノにするのと同時に、俺を守ってくれることと同義なので本当に安心出来る。
「……リリスさんとミューズさん、凄かったなぁ」
とはいえ、難しいことを考えるのは止めだ。
今日はリリスさんとミューズさん、そしてセレスさんとのやり取りを思い出しながら気持ち良く眠るとしようか!
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