第7話

「アニメだって? 世紀末……救世主伝説? また随分と古い作品を見ているんだな?」

「あら、彰? 知っているの?」

「同僚にアニメ研究会あがりのやつがいてな。そいつが詳しいんだよ。この作品も何回か見せられたことがあってな。常人は人体の持つ潜在能力の三割までしか使えない。しかし、これの主人公は独特の呼吸法で残りの七割も発揮できる……とか、そんなだったよな?」

「さすがは変わり者が多いって噂の捜査二課ね」

「そいつは捜査一課の奴だよ。同期の男でな。まあ、たしかに二課は変わった奴が多いが、ざっと見渡しても明里ほどの変わり者はいないぞ?」

「あら? 私のどこが変わり者なのよ? 科学者だからってそんな風な目で見るのは偏見じゃない? 差別に近いわよ?」

「科学者だからってのは関係ねえよ。こんなに美人なのに俺みたいな奴と結婚しようって時点で変わってるって言ってるんだ」

「……彰って本当に自分の魅力がわかっていないのね? でも、まあ、そういうところが良いんだけど」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る