レプタリアン7
陽はまだ昇ってはいなかったが、空は東から徐々に白み始めていた。朝霧の湿った匂いが鼻をつく。
夜通し歩き続け、予定通り北明日香村の廃神社に到達した神崎たちは、そのかつて境内だった場所でようやく背嚢を下ろした。
背嚢に分解して収納していたMk.13狙撃銃を黙々と組み立てつつ、神崎はいつしか手入れする者もいなくなり、放置されて久しい荒れ放題の神社を見やった。
この神社はいつからここにあるのだろうか。日本各地に存在する神社で祀られる存在は様々だが、その中には、古来に飛来したマル外や、その痕跡も含まれていることがある。この神社の御神体も、案外そうなのかもしれない。
銃が組み上がると、次は衣だ。神崎たちは各々背嚢から取り出した、上半身を覆うハーフギリースーツを羽織った。
今回の作戦は至ってシンプルだった。レプタリアンに気づかれぬよう、潜伏地点と目されるミステリーサークルから充分に距離を取った降下点から、徒歩で静かに移動して接近。サークルから2キロ手前の廃神社で狙撃準備を整える。そしてこれから班ごとに分かれ、匍匐前進でじわじわとミステリーサークルに近づき待機、対象レプタリアンが姿を現したら片付ける。
難しいことは何もない。その単純明快さこそ、作戦において最も重要なことだった。
不要なものは背嚢に全て収納し、神社の一角に固めて擬装網をかけておく。
準備はいい?マヤは声に出さず、部下たちを見渡し眼で問いかける。各々、無言で頷いて答えた。
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