私の好きな人の好きな人は私…の同期

私の同期に椿という子がいた。私は経験上分かっていた。この子は陽太の好きな子になる、と。だから私は椿にできるだけ近づかなかった。なのになぜか椿は私に近づいてきた。私たちはいつのまにか1番仲のいい同僚、ということになっていた。もう諦めがつくというものだ。


案の定、陽太は椿を好きになった。2人はトントン拍子に交際を進め、遂に先日結婚した。私は今回も情報を渡す(両者に)という愚かな真似をしたので、また私は好きな人の恋を応援したことになった。私は結婚式で新郎新婦共通の友人代表(笑)スピーチを頼まれたので、模範的な面白みのないスピーチをして場を盛り下げてきた。


私は明日実家から引っ越す。新居は誰にも知らせていない。大学病院も辞めた。今日が最後の出勤日だった。椿は看護師を辞めて専業主婦になっていたので、陽太は私が退職したことを知らない。もちろん、姉もだ。


思えば私の人生は姉と陽太が中心だった。新しい町では新しい恋を始めようかな。


無理かも。


さて、ここで私だけか知っている話をしよう。


実は、椿のお腹には子どもがいる。


そしてその子は


陽太の子ではないのだ。


私は、ヤンデレ?というやつなのだろう。陽太が私隣で幸せにならないなら他の人の隣で不幸になってほしかった。


紅葉と陽太がすれ違うように仕向けたのは、紅葉の隣だと幸せになってしまうから。


椿と陽太に情報を渡したのは、椿には浮気相手がいるのを知っていたからだ。椿はその相手に貢いでいて、陽太はこれから椿と、お腹の子と、椿の浮気相手の3人を養っていくのだ。幸い陽太は医者なので稼ぎはあるだろう。いざとなれば姉が助けるかもしれない。まあどちらにしろ不幸にはなるだろう。私は新しい町で陽太不幸幸せを願いながら暮らすのだ。

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