私の好きな人の好きな人は私…の部活とサークルの仲間

私はなぜか陽太と高校も大学も同じだった。離れようとするのに気づいたら同じところに進学しているのだ。そして陽太はまたしても私の周りの人を好きになった。


私はバドミントン部に入っていたのだが、そこに紅葉という子がいた。その子はすごく美人というわけではなかったが、不思議と目を引く子だった。私と紅葉は仲良くなり、いつも一緒にいた。不思議な空気を持っていて、紅葉といると姉のことも陽太のことも忘れられた。


しかし、紅葉と陽太は出会ってしまった。私の委員会の帰りを2人とも待っていたらしい。2人は意気投合し、私を置いて帰った。もう悲しくはなかった。ただただ虚しかった。


後日、2人がその日に付き合ったことを知った。おめでとう、と笑って言えた気がする。あまり覚えていないが。


2人と私は大学も同じで、一緒のサークルに入った。なぜか2人とも私についてきたのだ。サークルを移動しようかとも考えたが、負けたみたいで嫌だった。2人はずっとラブラブで、大学内でも有名なカップルになっていた。卒業したら結婚するのではないかと言われていたが、3年生になる3ヶ月前に破局、理由は分からないが2人は友人に戻ったと言っていた。紅葉は大学を辞めたようで連絡が取れなくなり、陽太の慰め会をサークルのみんなでして、終わった。みんな就職活動で忙しく、そんなことは些細なことだとでもいうように、2人の話はぱったりと出なくなった。


私は陽太を家でも慰め、また無駄な期待をしていた。10年以上も拗らせた想いはそう簡単には無くなってくれない。


しかし陽太はまた私のことを好きにはならなかった。


言い忘れていたが、私は看護師になった。姉は外科医だから親には「レベルが低い職に就くくらいなら結婚して主婦になれば」と言われたが、私はこの仕事に誇りを持っている。


陽太は初恋が終わってもまだ姉に憧れているらしく、外科医になった。同じ病院で働くらしい。私も同じ病院だ。同じ大学附属病院。そう、私と姉は同じ大学なのだ。ここでも私は比べられた(主に両親に)。姉は主席入学主席卒業らしく、どちらも次席な私は出来損ないらしい。恥ずかしいから早く家を出ろと言われている。が、3年目までは家にいないと姉が心配するという理由から家を出れずにいた。なぜ姉は私に拘るのだろうか。


まあそんなことはどうでもよく、大事なことは陽太も同じ病院だということだ。


そう、陽太はまた私の周りに恋をした。

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