Little boy & Giant tree🌄🌄🌄
ああ神さま この心にだけは触れされませんから
じぶんの胸の奥深くをのぞけば
たしかに光がありました
あの子と過ごした まぶしすぎる日々が
世界の創造主だろうとわたしの大切な思い出まで否定することはできないのです
わたしの命が尽きるまで
あの子がこの世にいたことを たくさんの心に届けましょう
だって
わたしは 希望のシンボルですから
くよくよしているわけには いきませんね
あの子が好きになってくれたわたしに
見合ったわたしになるために
わたしの枝さきは 木の実どころか葉っぱも落ちてきました
今はもう、美しい花を咲かせたいなんて 望みません
この記憶もおなじように枯れてくれたらなんて
もう願いません
ただ 多くの心に届けたいのですーー
・・・きょうは久しぶりの晴天ですーーむかし、かれと初めて会った日も、こんな具合でしたーーお日さまの温かい匂いに胸がふわふわして
心地好い風が吹いて、通りすぎるときに花や若芽たちは丁寧にお辞儀をしています
きっと透明がかった群青のうぐいすが、わたしの小枝で羽を休めることでしょう
もしくは、木洩れ日に染まって角を白く光らせた鹿が、青銅の蹄を休ませるために わたしの幹にもたれ掛かるかもしれません
そうしたらわたしは、自分が人見知りなこともわすれて言うのです
手の届かない 遠い遠い天の向こうで笑っているでしょうあの子に
きっと届くはずの
ありがとうの気持ちを込めて
ーーもしよろしければ
昔話をさせてもらえませんか、と
第一惑星交響曲 おかゆ @YUUuuh66
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます