Little boy & Giant tree🌄🌄
ああ神さま もし許されるなら
あの子にもう一度会わせてください
どれだけ短い時間でも
どれだけわたしの寿命と取りかえてでも
あの笑顔に触れたいのです
数千万という夜 声にならない叫びをあげながら眠りについても
朝を迎えるたびに胸が張り裂けそうになるのです
意味もない 色もない 未練もない世界に
あの子のいないこの世界が
現実だと突きつけられるたびに
気が狂いそうになるのです
ああ神さま どうかお願いだから
あの子が命を落とさなければならなかった理由をおしえてください
あの晩 わたしたちは星をみる約束をしました
その夜はもう訪れないのです
あんまりじゃありませんか
あの小さな小さな 希望で満ち溢れた子どもが 何をしたというのですか
あの子の人生はこれから始まるはずでしたのに
もっと遊びたかったでしょう
夢を追いたかったでしょう
いろんなことを学んで 失敗して傷ついて
成長して いろんな人と出会って
無限の可能性と百花繚乱の未来が待っていたでしょう なのに
あの最後の日 もしかしたらあの子は
だれかに謝りたいことがあったかもしれません
だれかに大切なことを伝えたかったかもしれません
少なくとも
わたしはあの子に伝えたかった
あなたと会えて幸せだったよ、って
これだけ長く長く生きていたくせに
わたしはあなたと過ごした日々が幸せすぎて
それが当たり前になってしまって
かけがえのない宝石みたいな時間が どれほど価値のあるものなのか思いもしなかったのです
後悔しても仕方のないことばかり後悔してしまうのです
ほんとうにわたしはばかです
どれほどの後悔に沈んでも
あの子とわたしの距離を葉っぱ1枚ぶんも縮めてはくれません
この心がどれだけ血と涙を流しても、あの子は帰ってこないのです
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます