第2話

なかなか雨が降らない

決めたことを変える訳には行かないと思い

また空を見る

「あーぁなんでなんだろ。ずるいな神様は」

そういいながら自分の腕を傷つける

「ずるい、ずるい生きたくない私を生きさせようとする」

そう言いながらだんだん辛くなってくる呼吸

息の仕方を忘れるくらい必死だった

丁度のタイミングで先生が来て

はっと我に返った

でもそこには真っ赤に染った腕

静かにこっちに来たと思ったらてからカッターを外し、

これにやりなよ。

そういい自分の私物を出す

そういうことじゃないんですって言いたくなったけど向こうが必死なのが伝わった



「辛い…死にたい」

何も考えずに発言をしたので

言った瞬間あっ、ってなった。


もしかしたら責められるかも

邪魔者だって言われちゃうかも

どうしよ、どうしよ否定されちゃう

私が持っていたカッターを机に置き

頭にやさしい手が乗った

えっ……


誰かに頭を撫でられたのはいつぶりだろ

叩かれることは毎日だったけど撫でられることは無かった

暖かい手がそっとのり、優しい声がする


いつも優しく声をかけてくれる人が否定するなんてことはないだろうって

もっと早く気づけばよかった


もっと早く、助けを求めていればよかった

助けてって言えたらどんなに良かったのかなって

そしたらこの腕も綺麗だったのかもしれない


「大丈夫。大丈夫」

そう言いながら私を見た




その顔を見た瞬間私はできるそう決意し、次の日から教室に行った遅刻や早退を繰り返しながらも諦めなかった





学校を休むことなく、卒業式前日まで行けた。




卒業式前日



「紗奈さん」

そういい一通の手紙を渡してきた

あとで見るっていい笑いながらまたあしたという


帰り道に気になって少し開いた

独りだから誰かにみられるしんぱいなんてない



そこには

これから生きる限り、辛いことは続きます

ただこれからの人生が今までと違うのは辛いことの先に自由が、本当のあなたの人生が待っているということです

幸せに生きる入口にたったのです

出来なかったことができるように。

悲しみをしっかり受け止められるように

そうなる度に自分の胸を温めてください

「うん、大丈夫」と

心をプラスの力で満たしてあげてください

先生がそばにいたらどんなに小さな変化でも、必ず成長を見てめているはずです






心から幸せを願っています



その手紙を見た瞬間何かが溢れ出した


死にたかった私を助けてくれた先生

いつも幸せそうで

いいなって思ってたけど実は辛い思いを沢山してて、

困難に乗り越えられたからここまで笑えてるんだって思えた

出会えてよかったって初めて思えた人だった







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